1626(VT-137) 小型シングルステレオパワーアンプ 


<発端>

 ある日、秋葉原の春日無線で、ふと安価なST管を発見した。ST管とは所謂「真空管らしい形」をしたものである。そろそろ机の上のパソコン用アンプを新しくしたいなーなどと思っていたので、この球を使うことに決定!

【願望】

・小型であること
・見た目にもアンプらしいこと
・初段にはフレームグリッド管である6DJ8が使ってみたい
・定電圧放電管が使ってみたい
・出力は1Wもあればよい(が、実際にはそんなに出なかった)

 

入力


初段電圧増幅
6DJ8


出力電力増幅
1626


8Ωスピーカー

想定入力電圧
1Vpp

電圧増幅率
30倍

電圧増幅率
3.8倍

出力
多分1W弱
  

 
<検討>

 取りあえず、店頭で型番見てみると「1626」。・・・知らない・・・。しかし、2本買っみた。お店で簡単な規格表のコピーをもらえたので、帰路、しげしげと眺めた。この球自体は増幅率は低いんだ・・・前段で増幅率を稼ぐ必要がありそう・・・・げっ、ヒーター電圧が12Vだぁ。お店でもらったデータシートからプレート電圧−電流曲線のグラフをエクセルで書いてみた。OUTPUTトランスは、同じ春日無線のOUT-41-357を使うので、重畳できる電流は20mAが最大である。下のグラフから20mAの電流を流して、かつ、適当な動作点を決めてみると、なんとプレート電圧は180V前後。一般的に市販されているトランスの出力電圧よりだいぶ低いぞ。これは、どうしてくれよう・・・・。
 次に春日無線を訪れてみると、なんと、棚に「出力160V」の電源トランスがあるではないか、それもヒーター電圧も12Vのものが・・・。どうも、この球専用に作られたものらしい。きっと同店で販売されているシングルアンプ用なんだろうなーと思いながら、1個購入することとした。これで、取りあえず一安心。あとはじっくり考えよう。




 この1626という球は、どうやら増幅率が低い(μ=5)らしい。そこで、初段の球で増幅率を稼がなければならない。なぜ3段構成にして余裕を持たないかというと、小型にしたかったためである。初段の球は「6DJ8」が使いたい・・という願望があったので、これでいくのだが、やや全体として増幅率が不足しがちの感度のよろしくないアンプとなることが予想できる。でも、いいのだ。

<部品表>

 部品表はココ。ただし、手持ち部品も投入されているので、あくまでも「参考」である。

<ケース加工>


 パワーポイントで大まかな部品配置図を書き、実際にシャーシにあてながら、位置を決定していくことにしている。そうして、位置が決定したら、部品配置図をプリントアウトして、シャーシにのりで貼り付けて、穴あけを開始する。


 今回のシャーシ加工から参加してくれた、「5段ネジ式シャーシパンチ」君も紹介しておこう。なかなか便利であるものの、付属のリーマーは少々細い。もう一段大きいものを別途購入しておくと作業性は格段に向上するのだ。真空管やブロックコンの穴は、これで綺麗にあけられる。


<回路>

 回路図はシンプルに尽きる。そのほうが音がいいから・・なんて持論は一切ない!単に、作るのが楽だからなのだ。回路図中の青い文字は実測値。6DJ8のカソード抵抗は、560Ωくらいがいいかも知れない。





 初段の供給電圧を定電圧放電管で作ろうと思ったのだが、150Vはちと低い。そこで、放電管と直列に20Vのツェナーダイオードが入っている。これで170Vが確保できて、定電圧放電管も使えるわけだ。よかったよかった。(そこまでして放電管が使いたいか??そう、光らせてみたかったんです!)

<測定> 2001/09/02追加

 秋月の精密波形発生キットを使って正弦波を入力し、負荷に8.2Ωの抵抗を接続し、入力と出力の波形をオシロスコープで観察した。入力1.2Vppで出力は4.14Vppとなった。波形目視では、出力0.3W! 実に小粒なアンプになった。ここまでは、入力と出力の波形がばっちり一致している。これ以上だと、少しずつ、入力と出力の波形に違いが生じてくる。低音側は50Hz程度まで綺麗な波形が観察された。矩形波でも思いの外、綺麗な波形が観察された。高音側では40KHz程度まで良好な波形が観察された。ちょっと、全体的に感度が悪いアンプである。


<感想>

 外観ははじめの写真にあるような感じだ。まあ、真空管アンプらしい?と思う。音もちゃんと出る!!まあ、こんなもんだろうといった感じだ。現在、オーディオ帯域のシグナルオシレーターを持っていないので、特性の測定はできない。次は、オシレーターを作ってみたい。


2001/04/28
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