アナログメーター付きGMカウンター



 雲母窓型のGM管を使ったGMカウンターにアナログメーターをつけてみた。ちゃんとケースに入れて持ち歩けるようにしてみた。


<作成過程>

ステップ1
 まずどんな回路にしよっかな?と、考えて次のような回路にすることとした。パーツの購入先一覧はココ。入手で一番苦労したのが、高圧発生用のトランスである。はじめは「写るんです」のフラッシュ部から取り出そうとしたが、これがモノによっていろんなピン配置のものが使われており、再現性がちょっと不安になってしまったのでボツ(小型で魅力的なので後で再チャレンジかも)。最終的に行き当たったのが、やはりストロボ用の昇圧トランスであった。そこそこ小型のものが手に入ったし、今後もしばらく入手できそうなので、これを使うこととした。トランスをドライブするには、内部抵抗が小さいパワーMOS−FETを使った。2SC1815Yなどの汎用Trでもよいのだが、今回はMOS−FETをあえて使ってみた。とてもいい感じである。メーター部は如何にフィーリングとマッチするレスポンスが得られるかがポイントであるので、後にブレッドボード上にて定数を決定した。



ステップ2
 いよいよ試作である。ブレッドボード上にパーツを並べてオシロとにらめっこして、各部品の最適値を求めていく。パワーMOS−FETをドライブするパルスをオシロで見ながら定数を決める。パルスはだいたい100Hz程度、パルス幅は10〜20μ秒である。試しに、4093の11pin−12pinの間の5.1Mの抵抗を470kに取り替えて発振させ、この状態でネオンランプの抵抗側を100kを通してGNDに接続してみると、下の写真のように赤々と灯る。よしよし、高圧発生回路もまずまずだぞっと。


ステップ3 
 いよいよGM管を接続してメーターのフィーリングを確認してみる。左写真は自然にカウントする放射線量によって振れているメーターの状態である。だいたい、5〜15の間となる。パルス数にして20〜40パルスであった。試しに、最近よくニュースで紹介されたモナズ石を近づけてみよう。おお、カウント数と共にメーターの針も40くらいまで上昇した。ぼちぼちの出来てしょう。
  

ステップ4
 ここまでくると基板を作ってしまいたくなったので、早速、サンハヤトの感光基板を買ってきて作成してみた。パターンはココ。部品を実装してみるとこんな感じである。この基板をケースに入れて、一番はじめの写真のように出来あがり。


<計測例>
 雲母窓から放射能を持つ鉱石までの距離を10cmとして、どの程度計測できるか試してみた。

1.室内(鉄コン) 5〜15
2.室内(木造)  5〜10
3.モナズ石   20〜30
4.燐灰ウラン鉱 60〜70

ここでちょっと気になる事が出てきた。同じ鉱石に対して、秋月のキットのカウンターを近づけてみると、よほど近くまでもってこないと、カウント数が増えないような感じである。ま、GM管の大きさがぜんぜん違うので当然かと思うが、なんだか気持ち悪い。秋月さんのキットでパルス数が増えたかなーと感じるレベルは、今回のカウンターでは、ピピピピピピピピピ・・・・・・と、なりっぱなしになるのだ。もう少し定量的な比較は後日行ってみようと思う。

<課題>
 現在のものは、メーターの振れと実際の線量の関係が不明である。なんとなく、「多いー少ない」しか分からないのである。なにか、校正する方法があればよいのだが、さすがに個人レベルの趣味の範疇では、それは無理な感じである。それと、GM管の入手が大変難しい。今回のGM管はいつぞや中古で500円で売られていたものを買っておいたものである。真空管屋さんやインターネットで調べて入手の可能性を探ってみたが、今のところ絶望的のようである。なにか代わりになるものがないか探してみた。構造がなんとなく似ている定電圧放電管やUVトロンを買ってきて片っ端から試してみたが、GM管の代わりになるようなものは、今のところ見つかっていない。(秋葉の太平洋のおじちゃん、調べてくれてありがとう!!)

<注意>
 燐灰ウラン鉱などの放射能を持つ鉱物の取り扱いには十分注意してください。例え少量であっても、粉末などが体内に入ることがないように作業してください。作業後にはよく手を洗い、飛び散ったかも知れない粒子を掃除しておきましょう。また、保存はなるべく人が居る空間から離れたところにしましょう。もしあなたがここに書いてあるような実験をして、何らかの事故にあっても一切責任は負えません。個人の責任において実験してください。ま、ここにたどり着く人は、十分その辺のことはわかっておられると思いますが。

<参考文献>
1.伊藤守行、「禁煙アラームの製作」、トランジスタ技術SPECIAL No33, p144-146
2.伊藤守行、「GM管を使った放射線計測器の製作」、トランジスタ技術SPECIAL No33, p147-154
3.松原聰、「鉱物カラー図鑑」、ナツメ社
4.渡利一夫、稲葉次郎編、「放射能と人体」、研成社、1999


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