古典管 71A シングルステレオアンプ



<背景>

 VT-137を使った小型アンプを作成してから、なんとなく小型アンプの作成が面白くなってきた。意外と実用性があるものである。今回は古典管である71Aを使ってみることとした。71Aは直熱管であり、オーディオアンプとした場合、0.8Wくらい出せるようである。しかし、ちと値が張る点が気になる。


アンプの概観。部品がやや高密度で並んでいる。


<目標>

・以前作ったVT-137アンプと同じ大きさ(小型であること)
・見た目にもアンプらしいこと
・電源は整流管を使う(初めての整流管だー)
・電源はチョークを使う(初めてのチョークだー)
・出力は1Wもあればよい

 当初、3極管の3段構成にしようと設計していた。しかし、アポロ電子のおじちゃんと話しをしてて、急遽5極管の6267を使った2段構成に変更したのだった。だって、ロシア製なら6267といえども、お手ごろな値段だったんだもん。

当初の予定
入力


初段電圧増幅
6922



電圧増幅
6922



出力電力増幅
71A



8Ωスピーカー

想定入力電圧
1Vpp


電圧増幅率


電圧増幅率


電圧増幅率
3


出力
多分0.8W



変更後の構成
入力


初段電圧増幅
6267



出力電力増幅
71A



8Ωスピーカー

想定入力電圧
1Vpp


電圧増幅率
>100


電圧増幅率
3


出力
多分0.8W




<検討>

 今回はクラッシックコンポーネンツで71Aを2本買ってみた。OUTPUTトランスは、春日無線のOUT-54B-57を使う。電源トランスも春日無線で手ごろなものを探してきた。ただし、整流管を使うとヒーター用電力が足りないので、秋月電子の小型スイッチング電源を登場させることとした。これで、71Aのヒーターを点灯させる。部品の配置は下の写真のように実際に使うシャーシに部品を並べてみて、いろんな角度から眺め回して決定する。時には奇抜さにひかれるが、長く使うつもりなので飽きがこないデザインがよい。









<回路>

 回路図(Ver.1.0)を下に示す。ただし、この通り作成しても私は動作、音質、その他一切の保障はできないし、特性測定後、変更する可能性はとても大きい。現状では6267のプレート電圧が45Vってのも気に食わない。71aには約200Vが印加されており、スペックより1割ほど高い。 回路図中の青字電圧は、実際の動作時の実測値である。



手持ち部品を活用しているので、なんとなくヘンな値の部品がチラホラ。入力のボリュームも500kというのは少々大きすぎる。
スイッチング電源を71aのヒーター用として活用。球アンプの中に半導体が入ってしまう点、やや違和感があるものの、電圧もきっちり5Vだし、熱くならないし、都合がよいように思う。


<作成>





71Aのヒーターを灯す秋月電子のスイッチングAC-DCアダプター。5V品を2個使用
ACライン、ヒーター、グランドの配線。ただし、手持ちの配線材を使用しているため、色はめちゃくちゃ。
一通りの配線が終了。半田ごては冷めたころに見つかる配線ミス!コーヒーを飲んでから、通電式開始
おお!アンプっぽい




電圧増幅に使った6267.ロシア製らしい。アポロ電子で購入
アンディクスオーディオで購入した6X4
今回の目玉71A。美しい・・・
部屋を暗くして71Aのヒーターを写真に撮影。淡い光がかわいらしい。ここから電子が出ているんかいなぁ〜と思いながら眺めてみる。


<感想>

 各回路電圧をテスターでチェック。今回は手持ちの部品を活用したので、設計当時とはことなる場合が多々あったので、何度か部品の付け替えを行った。なんとか設計に近い動作状態まで持っていったわけだが、案の定というか、へえーと関心するべきか、はじめは音が変だった。ボリューム最大でも、ちーともウルサクないのである。それにやや音がぼそぼそしている気がする。1日電源を入れっぱなしにして滅多に聞かないクラッシックを流していた。ようやく調子が出てきたようだ。いい感じで鳴り出した。一週間くらい積極的に使って、音の変化が落ち着いたあたりで特性の測定を行ってみることとしよう。

<特性>

まだ未測定

<気になる点> 追記 2003/02/11

 初めての直熱管であったが、気になっている点がある。直熱管の場合、ヒーターからのハムの混入を防ぐ(あるいは打ち消す)ために、ハムバランサーを設けたり、直流で点灯したりする。今回は直流点灯にしているので、少なくとも耳につくような電源ハムはない。フィラメントにはバイアス分の電圧に加えて、ヒーター電圧が下駄を履いた状態で引加されている。今回の場合ヒーターの端と端では最大で5Vの電圧勾配があることになる。ここで、「ヒーターの場所によりエミッションが偏っているのではないか?」という疑問がわいてきた。この件はそのうちしっかり考えてみたい。

<参考資料>

1.黒川達夫、「はじめての真空管アンプ」、誠文堂新光社


Ver.1 2002/11/07

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