「わぁ!師匠 今日はうっかりしなかったんですね!」

ちょっぴり早く起こされたエージは
カルピンがちょっとお残ししたゴハンをもらう事ができました

カルピンはちょっとしおしおです

エージはねぐせだらけでゴハンをほおばります

 

 

「んにゃ〜〜? 師匠〜〜 まだお腹ぺこぺこです〜」

残ったゴハンをぺろりと食べてしまったエージは
まだまだお腹が空いています

「…そうなんだよ…おまえを半分コすると 全然お腹すいてるんだよ…」

実は確かにいじわるして ゴハンを全部食べちゃっていたのですが
全部食べないと到底たりなていなかったのです


 

「うおっ!?!?」

突然おチビが叫びました

「???」

エージとカルピンは不思議そうです

 

 

 

「そうだった!エージお前いるんじゃん!!」

なんと エージはいつも寝坊してるため
朝はおチビに存在を忘れがちにされてたのでした

「ごめん!今ちゃんと入れるから!」

おチビがあわてて カラカラと カリカリを入れてくれました

「わぁ〜〜!こんなにいっぱい!?」

エージの目はキラキラと輝きます

 

 

 

『ねぇ エージ、師匠がゴハン全部食べちゃうのって
絶対わざとだよ? ボク、言ってあげようか? 』

そんなしゅうすけの言葉を ふと思い出しました

『ちがうよ〜 うっかりだよ〜 だって どうして師匠がそんなことするの?』

そう反論したのを憶えています

 

「ほ〜らね オレの云ったとおりでしょ? 師匠ただ うっかり屋さんなんだよ」

エージはもぐもぐと食べつつ ひとりごとをいいました

 

 

食べたいだけ食べて 満足満足
と そんな時

ふと後ろを見たカルピンが目にしたものは…

苦しそうに目を閉じて うずくまっているエージでした

 

 

「エージ!? どうした!?!?」

「……… いたい…です… ししょう…」

声も絶え絶えに エージが応えます


小さく震えて 痛みに耐えるエージを
カルピンはどうすることもできません

アタマを舐めてやったり
しっぽを舐めてやったり

そんな風にしても 一向によくなりそうにありません

「し…ししょう…」

「絶対なんとかしてやるから そこでまってろ!」


カルピンは意を決してお外へ一目散です

 

 

 

カルピンが助けを求めた先は
カルピンが超苦手とするしゅうすけのところでした

しゅうすけはこの界隈で『ただものではないねこ』
と 噂高かったのです

「頼む!エージが… エージが!!!!」

「!? エージがどうかしたの!?」

しゅうすけも そのただならぬ気配を一瞬にして感じ取りました

「エージが死んじゃう!!!!!!」

 

 

「エージ!!!!!!」

2人が慌てて窓から飛び込んできました


そんな2人が目にしたものは!!!!

 

 




ねこキック♪
ねこキック♪
ねこキック♪


ふかふかのボールに向かってねこキックにいそしむエージの姿でした



「♪ ♪ ♪   !! あ ししょう〜〜 しゅうすけも!?」

「………エージ…?」

「…エージ… ねこキックは楽しいかい?」

「うん! しゅうすけも やろうよ〜!」


「…………」

 

どうやら 急にたくさんたべたから… という マヌケな理由の腹痛だったようです

 

 

 

「とりあえず ボクが色々誤解してる部分もあったみたいだね
これからもよろしく カル 昔のことは水に流そう!」

「は… はい…」

「わあ!! ますます仲良しになったんだね!!」

ちょっとずれてるエージでしたが  仲良くなった事に変わりはないようです


それにしても 相変わらず昔の確執は明らかになりません



 

 

 

 

「ししょう〜〜 んにゃんにゃ〜」

耳もとで毎晩寝言を言われるのにも慣れたカルピンが
そっとしっぽをエージにかけてやります

『オレしってます〜 ししょうがやさしいの 寒いときには しっぽ
かけてくれてることも しってます〜… 』

その気配に ちょっとだけ意識が覚醒したエージは
ぼんやりとそんなことを思います

 

だけどしょっちゅうそのしっぽに噛み付いて
恩を仇でかえしてしまうのですが

 

 

 

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