第1週
対キューバ
対ロシア
対韓国
第2週
対ロシア
対中国
対オランダ
第1セットは、逆転に次ぐ逆転となる。日本が3-1と序盤リード。しかし、アゲロのサーブ順で津雲のサーブレシーブが乱れ2ブレーク、7-5と逆転。フェルナンデスのアタックでさらに1ブレークされる。しかしキューバにアタックミス、満永のサービスエースで同点。この後もキューバのアタックミスやサーブミスでサイドアウトが続く。16-15から、フェルナンデスのサーブをレシーブミス、結果森山がネットタッチ。さらにベルのアタックでもう1ブレーク。大懸のサーブ順でキューバにサーブレシーブのミス、チャンスボールを熊前が決めた。さらに、その後の大貫のサーブ順で、熊前のアタック、大貫のエースで2ブレーク、22-21と先行する。24-23まではこのまま進んだ。しかし、24-24から津雲がサーブレシーブミス、ダイレクトでたたきつけられる。さらにアタックを決められて、26-24、終盤の1つのミスが命取りで日本はセットを落とした。
第2セットも序盤からキューバにサーブミスが多く、つなぎのミスもあり、日本が6-3とリードする。14-13までは常に日本が先行していたが、ここでアゲロのサーブが櫻井を襲い同点、さらにサンチェスのアタックで逆転。しかし直後にサンチェスのアタックミスで日本が再び先行。19-18から、キューバにつなぎのミスがあり、チャンスボールを江藤のブロードで決める。21-19からフランシアのクイックを止めて、さらに1ブレーク。最後もサンチェスのアタックミスで、25-22と日本がとる。
第3セットも、キューバはちぐはぐした雰囲気を引きずる。3-3から、フェルナンデスの速攻が2度ミス、サンチェスのアタック、アゲロのライトがシャットされ、熊前のオープン、江藤の移動攻撃を間に挟み、6連続ブレークで9-3と日本がリード。この後もキューバのミス、佐々木のバックアタックなどで、17-8まで差が広がった。日本はブロードでサイドアウトがとれる非常に楽な展開。最後はフェルナンデスのクイックを止めて、25-17。
しかし、第4セットはここまで面白いように決まっていた日本の移動攻撃がいきなり止められて、フェルナンデスのバックアタック、ノータッチエースを食らい、序盤からキューバペース。日本のアタックミスや反則もあり、一気に9-2キューバリードとなる。16-8からアゲロのライト、熊前をブロック、フェルナンデスのアタックで3ブレーク追加。最後はベルのアタックで、このセットはキューバが一方的に25-14でとる。
最終セット、日本はブロックで2ブレーク、フランシアのクイックのミスもあり、6-2と日本がリード。この後江藤のブロードが止められブレーク、さらにアタックで1ブレーク返される。しかし、11-9日本リードからキューバのアタックミスで日本が大きなブレーク。この試合のキューバは実にかみ合わない。日本の14点目もキューバのアタックミス、最後はフェルナンデスのアタックをブロックして日本が15-13、大金星を挙げた。
この試合、キューバは実にちぐはぐで、アタックのミス、サーブのミス、記録に現れないようなつなぎのミス、いずれも極めて多かった。下を見るとわかるとおり、ベルとルイザのいずれもスタメンではない。そこまで日本がなめられたのか、あるいは故障などでフル出場が無理だったのかははっきりしない。また、キューバは第3セットまで日本の移動攻撃に対しほとんど対応できず、決定率は100%に近かった。いずれにせよ、きちんとメンバーがそろったキューバがこの程度のものだと思ってはならない。
日本側の勝った要因としては、熊前がこの試合はよく頑張っていたと言える。佐々木も最終セットによいアタックを打っていた。また、つまらないミスからの失点も少なかった。しかし、この試合だけ日本がやたらと強くて、次のロシア戦から急に弱くなってしまったのかと言えば、やはりそれは違うと思われる。所詮は、それほど強い相手に勝てる内容ではない。
スタメンおよびサーブ順(特記なき限り第1セット)
キューバ: 4 イスキエルド → 9 メストレ → 16 フランシア → 12 アゲロ → 17 サンチェス → 14 フェルナンデス
日本: 11 満永 → 12 大懸 → 9 森山 → 6 大貫 → 8 熊前 → 5 江藤
CUB - JPN 2 - 3 1st 26 - 24 25 min. 8-6 16-15 21-19 2nd 21 - 25 24 min. 7-8 15-16 19-21 3rd 17 - 25 20 min. 3-8 8-16 13-21 4th 25 - 14 20 min. 8-2 16- 8 21-10 5th 13 - 15 11 min. 2-5 7-10 9-12 Total 102 - 103 1 h. 40 min.
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開始早々、いきなりソコロワが足をひねり、負傷退場。交代でプロチニコワが入るというアクシデントが起きる。試合のほうは、3-2ロシアリードからゴディナが連続サービスエース。この後中盤にかけて熊前がたびたびシャットされる。後半はゴディナにまたサービスエース、佐々木もブロックされるなど、ロシアが一方的に差を広げ、一時21-11ロシアリードとなった。最後は熊前のアタックミスで、25-16ロシア。
第2セットは開始直後に森山・大懸がブロックされ、森山・熊前にアタックミスも出るなど、6-1と序盤からロシアが大きくリード。9-4から、江藤もブロックされ、プロチニコワにサービスエース、2ブレーク。12-5からは、ゴディナのバックアタックでブレーク、さらにサーブレシーブのミス、アタックミス、反則と日本にミスが次々出て、4連続ブレーク。このセットも一方的になる。最後は大懸のアタックミスで、このセットは25-13でロシアがとる。
第3セットは、5-5までは日本が何とか食らいつく。しかし、佐々木のライト攻撃がミス、大懸がシャットされ、ロシアが2連続ブレーク。10-8から佐々木のバックアタックがまたミス、森山・大懸がブロックされ、3連続ブレーク。15-10からはサイドアウトが22-17まで続くものの、日本は差を縮めるに至らない。そして、22-17から津雲がサーブレシーブミス、結局熊前のアタックがミス。このプレーから結局3連続ブレーク、最後は熊前のアタックミスで25-17で終わった。
序盤に高いブロックと強烈なサーブを何発も食らったことで、点差以上に日本の気持ちが委縮してしまったようである。試合を通じてブロックを大量に食らい、アタックミスも多く、全く試合にならなかった。
スタメンおよびサーブ順
ロシア: 10 バシレフスカヤ → 9 ティーシェンコ → 6 ゴディナ → 5 ソコロワ → 3 ベリコワ → 8 アルタモノワ
日本: 13 佐々木 → 12 大懸 → 9 森山 → 6 大貫 → 8 熊前 → 5 江藤
RUS - JPN 3 - 0 1st 25 - 16 20 min. 8-5 16- 9 21-11 2nd 25 - 13 17 min. 8-3 16- 5 21-11 3rd 25 - 17 20 min. 8-6 16-11 21-16 Total 75 - 46 57 min.
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第1セット序盤、日本はサーブレシーブのミス・アタックミス・サーブミス・トスミス・反則と、ありとあらゆるミスが続発する。韓国は、ほとんど何もせず10-3と大量リード。その後、日本もようやく大懸のアタックで2ブレーク。しかし、この後も中盤から後半にかけて森山・大懸が2度ずつシャットされるなど、終始韓国が一方的にリードし、最後はチャン・ユンヒのスパイクが決まり25-17。
第2セットも、チャン・ユンヒのフェイントとサウスポーのパク・ミキョンの強打を交互に食らい、サーブレシーブミスもあって、開始いきなり韓国が7連続ブレーク。この後も、日本のサーブレシーブのミスから、無理なアタックがブロックされる場面があり、韓国のリードは一時18-7まで広がる。その後、大懸や佐々木のアタックで反撃する場面もあったけれども、このセットも一方的に韓国が25-16でとる。
第3セット、序盤に森山や江藤の速攻でサイドアウトをとれたこともあり、この試合初めて点差が離れずに展開。8-7日本リードから、大懸のフェイント、韓国のアタックミスで2連続ブレーク、10-7。さらに11-8から、大懸が大活躍、韓国にサーブレシーブのミスやホールディングが出たこともあり、日本が6連続ブレーク。17-8と大量リードを奪って、このセットをほぼ決めた。最後も大懸のアタックで、このセットは日本が25-17でとる。このセット、大懸は実にアタックで8ブレーク、中盤の6連続ブレークのうち、ホールディング以外の5ブレーク全てが大懸のアタックだった。
第4セット、開始直後は韓国がチャン・ユンヒのスパイクやフェイントで先行した。しかし、日本は次第に追い上げ、10-9日本リードから、チャン・ソヨン、チャン・ユンヒと連続してアタックミス。2ブレークで12-9。この後江藤のスパイクで、日本のリードは一時4点となる。しかし、そこからは韓国が追い上げる。まず大懸を止めて1ブレーク、そして21-19からク・ミンジョンが満永を止める。ここで日本タイムアウト。それでも韓国の勢いは止まらない。22-21からク・ミンジョンのアタックでついに同点、23-23から、森山、満永が相次いでブロックされ、あっという間の逆転で25-23、試合終了。
この試合を通じて、韓国と日本の差の大きさが改めて露呈された。まず日本は、ミスによる失点があまりにも多すぎる。また、アタッカーの頭数も足りない。アタックでの得点は大懸と森山がほとんど、特にブレーク得点はほぼ全て大懸である。これでは攻撃のバリエーションもできないし、守る側としては非常に簡単である。
韓国は、エースのチャン・ユンヒの健在ぶりはさることながら、サウスポーのパク・ミキョンの活躍が目立った。韓国のアタッカーとしては大型でしかもジャンプ力もあるため、アタックを防ぐのが難しい。
スタメンおよびサーブ順
韓国: 3 カン・ヘミ → 15 チャン・ソヨン → 4 チャン・ユンヒ → 7 パク・ミキョン → 10 パク・スジョン → 1 ク・ミンジョン
日本: 11 満永 → 12 大懸 → 9 森山 → 6 大貫 → 8 熊前 → 5 江藤
KOR - JPN 3 - 1 1st 25 - 17 20 min. 8-3 16-10 21-14 2nd 25 - 16 22 min. 8-1 16- 6 21-12 3rd 17 - 25 23 min. 7-8 8-16 13-21 4th 25 - 23 26 min. 8-7 12-16 18-21 Total 92 - 81 1 h. 31 min.
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第1セット序盤は競り合った展開となる。しかし、7-7から、バシレフスカヤのフェイント、森山のアタックミス、アルタモノワのサービスエースで、ロシアが3連続ブレーク。この後も次第に差が広がり、20-15からはバシレフスカヤのサービスエース、ソコロワが大懸をブロックして、決定的な2ブレーク。最後はソコロワのクイックが決まり、25-17でロシア。
第2セットは序盤、ロシアのアタックミス、ゴディナのバックアタックを森山がシャットして、日本が2点リード。いったんはロシアに追いつかれるものの、9-8日本リードから長いラリーの後、ロシアにネットタッチ。11-9から櫻井のサービスエース。さらに、13-10からアルに3度打たれるものの全て拾って、最後は大懸が決める。中盤は日本のリズムになる。この後、アルのオープン、ゴディナが江藤の移動攻撃を止め、日本は2ブレークを返される。しかし、21-19日本リードから、ベリコワのオープンをブロック、大きなブレーク。最後は熊前のフェイントで、25-21日本。
第3セットは、序盤から日本にアタックミス・サーブレシーブのミスが出る。ソコロワ・ゴディナ・アルタモノワとアタックによるブレークもあり、ロシアが確実にリードを広げていく。18-11から、ベリコワのクイック、ソコロワのノータッチエースで2ブレーク、ロシアのリードは20-11まで広がる。この後はロシアにアタックミスやサーブレシーブのミスもあり、日本が3ブレーク返すものの、この差を逆転することは不可能。最後はソコロワのクイックで、25-19ロシア。
第4セットは、ゴディナのアタックでロシアが先にブレーク。しかし、ティーシェンコの移動攻撃がミスとなり、日本は追いつく。この後13-12日本リードまでは2点と差がつかない展開となる。この場面で、熊前のアタックで日本がブレーク。ロシアはタイムアウトをとるものの、次のプレーでもロシアにホールディングがあり日本が1ブレーク追加する。この後、大懸がブロックされ1ブレーク返された直後の19-17日本リードから、大懸のフェイントが決まり、ソコロワのクイックがミス。ロシアタイムアウトの後も、ティーシェンコ、ゴディナを相次いでブロック。4連続ブレークで、23-17とリードを広げる。終盤の効果的な連続ブレークで、このセットは25-19で日本がとる。最後は大懸のアタックだった。
最終セット、8点までは、日本にサーブレシーブのミスからロシアが2ブレーク、ゴディナのアタックミスと大懸のアタックで日本が2ブレーク、互角の展開。しかし、8-7ロシアリードから、熊前がアタックミス、このセット初めて2点差がつく。熊前自らフェイントでブレークしていったんは取り返すが、10-9ロシアリードから、長いラリーの末ゴディナのフェイントが決まり、さらにティーシェンコのダイレクトスパイク。重い3点差がついた。12-10から日本は大懸のアタックで1ブレーク返し、望みをつなぐ。しかし、最後はベリコワのフェイントを拾えず、15-13。
基本的には日本が善戦した試合だと言えるだろう。この試合では特に、サーブレシーブのミスからの失点が非常に少なく、アタックミスも少なかった。この程度の内容の試合が韓国・オランダあたりにできれば、十分勝てるはずである。しかしそれができないところが、負け癖というか、勝ち方を知らないということであろう。日本はこの試合、先発セッターは大貫だったけれども、第1セットの中盤で板橋に交代。それ以降はセッター板橋で通した。これが効を奏した。また、第2セット以降日本は先発ローテーションを半周ずらし、これもロシアをとまどわせたかもしれない。
フルセットまでもつれた試合になったわけだが、ロシアのプレーにはそれほどおかしなところは見られなかった。ただし、速い攻撃を効果的に使うことのできたセットは簡単にとれているし、そうでないセットはシャットされたりアタックミスも出たりして逆に落としている。
スタメンおよびサーブ順(第2セット)
ロシア: 10 バシレフスカヤ → 9 ティーシェンコ → 6 ゴディナ → 5 ソコロワ → 3 ベリコワ → 8 アルタモノワ
日本: 10 板橋 → 8 熊前 → 5 江藤 → 13 佐々木 → 12 大懸 → 9 森山
RUS - JPN 3 - 2 1st 25 - 17 20 min. 8-7 16-12 21-15 2nd 21 - 25 24 min. 6-8 12-16 19-21 3rd 25 - 19 22 min. 8-4 16- 9 21-13 4th 19 - 25 22 min. 8-7 13-16 17-21 5th 15 - 13 14 min. 4-5 10- 9 12- 9 Total 105 - 99 1 h. 42 min.
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第1セット、互いに2ブレークずつで7-6から、大懸が諸韻頴にブロックされ、呉咏梅のサービスエース、満永のライトも林文珍に止められた。3連続ブレークで中国が10-6とリード。呉咏梅のセンターからの強打で一時中国5点リードとなる。日本は、大貫のノータッチエース、王麗那のつなぎのミスで2ブレーク返す。しかし、18-15から満永の速攻が止められる。終盤、日本は王麗那をブロック、大懸のアタックで1ブレークずつ返し、1点差まで迫る。しかし、最後は2枚替えで入っていたセッター何にツーアタックを決められ、今一歩及ばず。25-23で中国がとる。
第2セット序盤は、日本のサーブレシーブの乱れからチャンスボールを呉咏梅に決められ、熊前がブロックされるなどで、中国が8-6とリード。12-10中国リードの場面で、津雲を飛び越えて熊前がボールを拾い、最後は中国のタッチネットとなる好プレーがあった。しかし、その直後に満永がサーブミス、さらに日本のタッチネットでブレーク。さらに、14-12から大懸もサーブミス、林文珍のアタック、王麗那のサービスエースで2ブレーク追加。20-16から、また日本にネットタッチ、大懸のアタックミス、途中交代の多治見がライトから打ったところブロックされ、合計3連続ブレーク。最後は呉咏梅の強打で、25-18中国。このセット、日本はミスで中国に流れをやってしまった。
第3セット序盤は、呉咏梅にフェイントを決められ、さらに熊前が諸韻頴に止められ、直後に熊前がアタックミス、3ブレークで6-2と中国がリードする。しかし、10-9中国リードから、森山のダイレクトスパイク、さらに趙蘂蘂のセンターからのアタック、王麗那のオープンを相次いでブロックし、日本が3連続ブレークで一気に逆転。18-16から、江藤のサービスエース、宝来のセンターからのアタックが決まり、日本が2ブレーク追加、20-16。その後、大貫のトスミス、大懸がブロックされて、すぐに2ブレーク返される。ここで日本は何とかしのぎ、最後は熊前のアタックによる2連続ブレークで、25-21でこのセットをものにする。
第4セット開始直後は、第3セット終盤の勢いのまま、日本が4-0とリード。しかし、中国も日本のアタックミスなどですぐに3ブレーク、追いつく。そして7-7から、佐々木のライトがブロックされ、大懸のアタックミス、林文珍にアタックを決められ、中国の3連続ブレークで10-7。大貫のサーブミスで16-13となったところで、日本はセッターを板橋に交代。これが当たったか、16-14から、大懸のフェイント、江藤が王麗那をブロック、2連続ブレークで同点とした。その江藤のブロックの前には、板橋のナイスカバーもあった。さらに19-19から、森山のクイックで日本はいったん先行する。しかし、すぐに森山のブロードが止められて再び中国が先行。さらに、22-21から熊前のアタックミスでブレーク、2点差となる。しかし、23-22から江藤が難しい体制ながらクイックを決めてブレーク、同点。さらに、24-24の場面で、王麗那と大懸の真っ向勝負の打ち合い、勝ったのは大懸。日本が先行。しかし、中国も呉咏梅のブロード、呉咏梅が後衛に下がってからは林文珍のアタックとフェイントでしのぐ。そうしているうちに、27-27から大懸が止められ中国が先行。そして、29-28から森山の移動攻撃がミス、日本は力尽きた。
日本は、終盤に追い上げ、あるいは一時先行しながら落としたセットが2セットあった。そのため、実に惜しい、という印象の残る試合ではあった。前日のロシア戦からそうなのだが、熊前に当たりが戻ってきたことが大きい。使えるアタッカーが2枚から3枚になると、これだけ違うということである。しかしこの試合、中国は全体としてセンター線が攻撃に絡む場面が少なく、特に第3セット以降はそれが極端になった。やはり本来の中国チームではない。これでまともな中国に勝てるかもしれないというのは、甘い考えである。
スタメンおよびサーブ順
中国: 16 林文珍 → 8 趙蘂蘂 → 12 邱愛華 → 15 王麗那 → 5 呉咏梅 → 4 諸韻頴
日本: 11 満永 → 12 大懸 → 9 森山 → 6 大貫 → 8 熊前 → 5 江藤
CHN - JPN 3 - 1 1st 25 - 23 27 min. 8-6 16-13 21-17 2nd 25 - 18 17 min. 8-6 16-12 21-16 3rd 21 - 25 23 min. 8-5 14-16 19-21 4th 30 - 28 29 min. 8-7 16-13 21-20 Total 101 - 94 1 h. 36 min.
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第1セット、9-8日本リードから、大懸のフェイントで1ブレーク。さらに、11-9から、レフェリンクのライト攻撃をブロック、スターレンスのアタックミスで、日本が2ブレーク。この後1ブレーク返されるものの、16-13から、佐々木のライト、江藤の移動攻撃、ピンチブロッカーの宝来がレーンストラをブロックして、日本が3連続ブレーク。6点リードとなる。しかし、20-15から、森山の移動攻撃のミスをきっかけに、大懸もブロックされ、森山が再びアタックミス、サーブレシーブのミスから大貫のトスが乱れたところ沈められ、大懸がまたもブロックされ、5連続ブレークであっという間に同点。この後マコフチャックのクイックのミスで日本がブレーク、リードを2点とする。しかし、スターレンスのアタックですぐにブレーク。日本は逃げ切れない。そして、25-25から、かろうじて拾ったボールをレーンストラがフェイント、これを日本は拾えずオランダ先行。その直後に佐々木がアタックミス。27-25、まさかの大逆転で、オランダにセットを奪われる。
第2セット、8-8までは、オランダが先行する展開。しかしそこから、アタックミス、サーブレシーブミスと、オランダのミスで日本が2ブレーク。12-10から、大貫のサービスエース、フィッセルのクイックがミスで、さらに2ブレーク追加。そして、16-12から、オランダのサーブレシーブの乱れもあり、レーンストラ、フィッセルを相次いでブロックして、流れは一気に日本へ。オランダのドリブルをはさんで佐々木がアタックで2ブレーク、再度レーンストラをブロック、サーブレシーブが乱れてスターレンスのバックアタックがミスとなり、日本の7連続ブレーク。最終的には25-14と大差が付き、日本がこのセットをとった。
第3セット序盤は、日本が先行する展開となる。フィッセルのノータッチエース、大懸のフェイントのミスで一時オランダが先行するものの、その後マコフチャックあるいはレーンストラを使った速い攻撃が相次いでミス、大懸のアタックでのブレークをはさみ、一時日本が13-9とリードした。しかしそこから、レーンストラのノータッチエース、森山の移動攻撃のミス、熊前のオーバーネットで、3ローテ連続オランダがブレーク。同点とされる。16点前後から、日本にサーブレシーブの乱れが続き、大懸・熊前のアタックで何とか切っていたが、18-18の場面から、チャンスボールをレフェリンクを使ったコンビ攻撃で決められ、オランダ先行。そして、21-20から森山の移動攻撃が止められ、ついにオランダが2点リード。最後も日本のサーブレシーブの乱れから、佐々木のフェイントが結局ミス。このセットは25-22でオランダ。このセット中盤からセッターを大貫から板橋に交代していたが、それも通用しなかった。
第4セットの中盤までは、大筋で、オランダが先行し日本がすぐに追いつくという展開を繰り返す。3点以上の差がつかないまま進行する。しかし、16点をすぎたあたりから、日本のブロックのタイミングが次第に合ってくる。そして、19-18オランダリードから、微妙な判定もあったが、スターレンスのアタックが連続でミス、2ブレークで日本が逆転。そして、22-21から、江藤がレーンストラを止めて、このセット初めて日本が2点リード。佐々木のライト、森山のブロードでこのリードを守りきり、25-23で日本がこのセットをとった。
最終セット、熊前のアタックミス2本、津雲のサーブレシーブのミスからレフェリンクにライトから決められ、日本がミスから3点を失い3-1オランダリード。6-4から、スターレンスのアタック、森山の移動攻撃がレーンストラにブロックされ、オランダが2ブレーク追加。この後互いに1ブレークずつで、4点差のままオランダがマッチポイントを迎えた。14-11からスターレンスのバックアタックに持っていったがミス。その次はレフェリンクに持っていき、レフェリンクがきっちり決めた。15-12でオランダ。このセットは、序盤にミスから3点を失ったことと、森山が2度止められたことが致命傷となった。
日本は、第1セットは何と19-13リードから、第3セットも13-9とリードしながら逆転で落とした。この試合は、センター線の速攻が決まった場面が非常に少ない。江藤のアタックはほぼ皆無、森山も思うように決まらずミスしたりブロックされたりする場面が多かった。このあたりが、結局逃げ切れそうで逃げ切れない要因となったのかもしれない。オランダも、スターレンスが予想以上に打ちまくっていたのが目立った程度で、アタックミスも極めて多く、それほど強いチームとは思えない。それだけに日本にとっては、非常に悔いの残る敗戦と言えるだろう。
スタメンおよびサーブ順(第2セット)
オランダ: 14 フレデルス → 8 レーンストラ → 7 マコフチャック → 12 レフェリンク → 9 スターレンス → 15 フィッセル
日本: 12 大懸 → 9 森山 → 6 大貫 → 8 熊前 → 5 江藤 → 13 佐々木
NED - JPN 3 - 2 1st 27 - 25 27 min. 7-8 13-16 20-21 2nd 14 - 25 18 min. 8-7 12-16 12-21 3rd 25 - 22 23 min. 8-7 15-16 21-20 4th 23 - 25 25 min. 7-8 16-15 20-21 5th 15 - 12 12 min. 5-3 10- 7 12- 8 Total 104 - 109 1 h. 45 min.
このシーズン、ワールドカップを前にして、BCVマスターズ、日露対抗、ワールドグランプリと、全日本の試合は合計12試合を見た。戦績は実に1勝11敗。その感想を一言でまとめるなら、「善戦しても負けは負けだけど、善戦するのがやっとですよ。」(Copyright by Nomura Katsuya)というところである。
全セットラリーポイント制に移行したことにより、「相手にブレークを許さない」ことが最も重要となっている。サーブカットから得点に結びつける確実性をいかに高くするか、そこが最も大切なのである。この確実性というのは、必ずしも、速い攻撃あるいは複雑なコンビを絡めるということばかりを指すわけではない(日本にとっては、そのような方向性しかあり得ないことは事実だが。)。ものすごいエースが一人いて、その選手しか打ってこないとわかっていても3枚ブロックにつかれても60%決められるというのなら、それも極めて高い「確実性」なのである。要するに、日本はそこの確率が低い。だから勝てない。
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