1999年日露対抗女子バレーボール観戦記

田尻遠征
「新生ロシアの胎動」(第2戦・田尻)
松島遠征
「最大の敵は猛暑」(第3戦・郡山)


田尻遠征

この遠征で、二つの大失敗をしている。一つは、出発駅でのことである。列車の出発した音がしたので、予定の列車に乗り遅れたかと思い外でしばらくぶらぶらしていたのだ。しかし、それは乗るべき列車と逆方向の列車の音だった。この時点でとにかく改札からホームまで駆け抜けていれば、予定の列車に間に合ったはずなのだ。
もう一つの失敗は赤羽駅だった。乗り換える予定の列車がほぼ同時にホームに入るのを見ていた。その列車の停まっているホームまで、間違いなく走っていくことができれば、十分乗り換え可能なタイミングだった。しかし、ここで駆け上るホームを一つ間違えるという致命的なミス。
痛恨の失敗を二つ続けて、予定から大幅に遅れることになった。
それでも、黒磯駅乗り換えまでは比較的スムーズに進んだものの、福島駅でついに1時間40分待ち。しかし、ここから先の時刻や体育館の所在地を調べたり、昼食をとったりしていると、時間はそれほど残らなかった。

黒磯を過ぎると、相当山の中という感じになる。那珂川とその支流いくつかを越えていく。そしてその川には建設機械が何台も入っている。このあたりが、前年、5日間で1200ミリ(1年の平均降水量の3分の2)という記録的豪雨に見舞われ大きな被害を出した一帯である。
それ以降は、仙台に近づくまで、ひたすら盆地に入って出て入って出てという感じである。福島県の県庁所在地、福島市は、列車の中から見ると山に飲み込まれそうな印象の町だ。

東京から仙台まで来ると、ずいぶん遠くに来たという気分になる。距離的には、東京から名古屋といういつもの帰省のルートとそれほど差はない。それでも気分的には長く感じるのは、待ち時間が長かったせいもあるけれども、やはり高原地帯を走っている時間が長いためだろう。
北のほうは首都圏のような直流電化ではなく交流電化区間である。電車に乗っていても雰囲気が何となく違うような気がする。というか、モーターの音があまり感じられない。

仙台駅に到着したのは昼の2時頃である。仙台はちょうど七夕祭りの最中、仙台に近づくと列車は大混雑だし、宿を探すにしてもほとんど満室になっている。この日の宿泊の予約を済ませると、列車の出発時間まではもう残り1時間もなくなっていた。せっかくだから七夕祭りを見たいような気がするけれども、その余裕はとてもない。七夕の飾りを2,3枚撮ると、すぐに駅に戻る。
予定通り、午後3時40分仙台駅発。ここから先、鉄道は水田地帯の真ん中を走っていく。小牛田駅で列車が停まっている横で待っていると、暑さで頭がぼうっとしてきた。あと駅一つ。

田尻駅に到着したのは午後4時45分頃。田尻の会場は思ったほど駅から遠くはなかった。急がずに歩いても(ただしタラちゃん・大学ノート・デジカメのみの軽荷)15分ほど。会場には5時に到着した。
田尻の体育館は、新設の地方の体育館ではよくある感じで、黒部とか越谷とかの会場を小さくしたような印象。明るく空調もよく利いていた。

さて、この日は試合開始が午後6時のつもりで会場に来たけれども、来てみると6時半開始。1時間以上時間が余ってしまった。この日はよい席が取れたため、優雅に写真撮影タイム!となった。
しかし、急いで出てくると必ずと言っていいほどなにがしかの忘れ物をする。今回の場合、その忘れ物はスマートメディアアダプタ(デジカメの記録媒体であるスマートメディアをパソコンで読むために必要なもの)だった。これで、結局手持ちのスマートメディア1枚分しか撮影できないことになってしまった。
ただし、そのために、「撮影したものをその場でチェックして、明らかに失敗しているとわかるものはその場で消す」という方法を覚えることになる。しかし、デジカメの小さな液晶モニタで見たときの印象と、パソコンで解像度そのままで見たときの印象とはまた違うものである。

試合開始のどれくらい前かは忘れてしまったけれども、アナウンサーとディスクジョッキーが絶叫を始める。私は馬鹿騒ぎそのものにうんざりしているのだが、その音量の大きさに耳が割れそうになる。

こうしてようやく午後6時半の試合開始を迎えた。

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新生ロシアの胎動(第2戦・田尻)

第1セットは、ロシアが序盤から次第にリードを広げ、ティーシェンコが日本の速攻を止めて17-13と4点差に。ここで日本タイムアウトの後、長いラリーとなりロシアに何度も打たれるもののそれを拾い続け、最後大懸がブロックアウトをとる。この場面で「日本、チャチャチャ!」のコールも自然と発生する。この後バシレフスカヤにトスミス、さらに大懸のアタックで日本が1点差まで追い上げる。しかし、ここでロシアサイドアウトの後、日本がサーブレシーブのミスからチャンスボールを与えてしまい、ロシアが得点。さらに森山のアタックミスで再度4点差。日本は流れを自ら逸してしまう。最後はアルタモノワのアタックで、このセットはこのままロシアの25-21。
ロシアは日本のサーブレシーブのミスを着実にリードにつなげた。ロシアにもサーブレシーブの乱れる場面はあったものの、日本はチャンスボールでの決定力のなさが目に付いた。

第2セットになるとロシアにサーブレシーブの乱れ、コンビの乱れが出る。日本は長いラリーを大懸がフェイントで決めたところからリズムをつかみ、序盤で9-4とリードする。それでもロシアは森山をゴディナが止めてから少しずつ追い上げ、日本にアタックミスもあり、14-14と一時同点となる。しかし、ここでティーシェンコがサーブミス。その後、大懸が値千金のアタックを決める。さらに、22-20から、熊前がセットを決めるサービスエース。最後は森山のアタックで逃げ切った。
このセットはロシアのブロックをうまく利用して外に出すプレーが目立った。

第3セットは開始いきなりロシアが4連続得点、その後も日本の速い攻撃がほとんど決まらず、ことごとくシャットされるか拾われ、ロシアの一方的展開となる。このセットは満永、大懸、森山、熊前、江藤とアタッカー全員が最低一度シャットされた。

第4セットは序盤ロシアにサーブミスが2本、ゴディナのバックアタックミスで日本が5-3とリード。しかし、その後は日本にサーブミスやアタックミスが続き、ロシアが逆転、11-8と3点リードする。粘る日本はこの後何度か1点差に追い上げるものの、そのたびにロシアが突き放し、18-16からゴディナのアタックとブロックで4点差に。日本は1点差を縮めるものの、22-19ロシアリードから津雲のサーブレシーブがセッターに返らず、大懸のアタックがブロックされ、勝負あり。最後はアルタモノワのアタックで終わった。

オープン攻撃だけでなく速い攻撃を効果的に使うことのできる「新生ロシア」の姿ができつつある。バシレフスカヤも昨年よりは上手になっていると思う。特にこの試合では、センターにブロックを引きつけておいてレフトのゴディナに速いトスを上げる、というプレーが目立った。アルタモノワは全時間出場していたけれども、攻撃の威力はまだまだで、攻撃の中心はもっぱらゴディナとソコロワ。この試合でもこの二人は絶好調だった。
ティーシェンコが何度かサカシアンと交代。主にピンチサーバーとしての起用、一度だけ目の覚めるような速攻があった。2メートルオーバー(?)のガモワはピンチブロッカーとして使われた程度、ボールタッチはなかった。

一方、全日本でもっとも印象に残ったのは江藤のクイックの貧弱さ。全日本から外せとブーイングが上がるのも当然、というくらい威力がない。江藤が使えないとなると、日本の攻撃の選択肢は相当狭まってしまう。特に第3セットは誰を使ってもブロックに次々捕まった。佐々木は、満永と交代で何度か出場しアタックも打ったけれども、本調子にはほど遠い。津雲も大切な場面でサーブレシーブのミスが出た。板橋も、やはり時間が足りないためか、まだそのトス回しを生かし切れていないという印象。宮城県出身の地元の選手ということもあり、1,2セットは途中交代で出場、3,4セットは先発し最後までトスを上げたものの、よい結果は出なかった。
大懸、森山、熊前の3人はよく踏んばっていると思う。特に、森山の貢献(裏を返せば、森山に頼る割合)は予想以上に大きい。このレベルで5人そろってくればもう少し違う展開ができるはずである。問題は江藤と、けがで出遅れた満永、佐々木である。先発は満永だったが、打つ場面自体が非常に少ない。佐々木は何度か満永と交代で試運転したものの、アタックはほとんど決まらなかった。
熊前が後衛に下がったとき、何度か桜井と交代。リベロが2人(?)の超守備的布陣!をしいたものの、これも効果のほどはよくわからなかった。

なお、この一連の対抗試合では、8点、16点で90秒のテクニカルタイムアウトが適用されている。そのため、国内の試合に比べると、各セットの所要時間は3分長い。ワールドカップに向けて、ラリーポイント制では好プレーを振り返る時間がないなど、中継の不安が言われていたけれども、昨年の世界選手権でも導入されたこのタイムアウトをさらに長くすることで解決するようである。(当時は15点サイドアウト制のため、5点、10点でタイムアウト。タイムアウトは各60秒。)。なお、通常のタイムアウトも、各チームに2回ずつ認められている。(昨年の世界選手権では、通常のタイムアウトは各チーム1回のみだった。)

先発およびサーブ順
日本: 11 満永 → 12 大懸 → 9 森山 → 6 大貫 → 8 熊前 → 5 江藤 リベロ 3 津雲
ロシア: 10 バシレフスカヤ → 9 ティーシェンコ → 6 ゴディナ → 5 ソコロワ → 3 ベリコワ → 8 アルタモノワ リベロ 2 モロゾワ

1999/8/6  18:30-
Tajiri Town General Gym., Miyagi

       RUS - JPN
         3 - 1
1st     25 - 21        21 min. 8-5 16-13 21-17
2nd     22 - 25        23 min. 4-8 14-16 19-21
3rd     25 - 10        18 min. 8-3 16- 7 21- 9
4th     25 - 21        20 min. 8-7 16-14 21-18
Total   97 - 77   1 h. 22 min.

この試合では、知識不足のアナウンサーとやたらと叫ぶだけのDJが出現。これもワールドカップの「前哨戦」らしい。この二人が勝手に騒いで勝手に盛り上がっているという感じで、会場のノリの悪いこと。なお、佐藤伊知子さんの解説も付いた。この試合は地元宮城では深夜に放送されたようである。
しかし、日本にすばらしいプレーが出て得点すれば、(例えば、第1セット17-13からロシアのアタックを何度も拾って最後大懸が決めた場面)、誰にも言われなくても、会場は盛り上がり応援も自然にわき起こるのだ。放送する側がむやみに騒げば、会場の自然な盛り上がりを妨げることになるのがわからないのだろうか。


田尻駅に戻るとちょうど小牛田の花火大会の最後で、田尻駅からも、田尻から小牛田に向かう列車の中からも花火がよく見えた。
観戦レポートをまとめて掲示板にアップロードし、ホテルにチェックインしたのは夜10時半。シャワーを浴びるとすぐにダウン。

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松島遠征

仙台まで来てバレーボールしか見ないというのもあまりにも無茶な話なので、翌日早朝に松島行きを計画した。前日に続く朝5時出発という厳しい日程。
松島に行くには仙石線を利用する。仙石線のホームはほかの路線とはかなり離れた場所(そのため乗り換えにはかなり時間がかかる)、仙台駅前の裏側にあり、古くからの住宅も建ち並び大都会の駅前とはまるで別世界である。このあたりは交流電化だが、この路線だけは直流電化で、住宅地の中をうねうね、駅と駅の間隔も短いし、まるで首都圏の電車に乗っているような感覚(とはいえ、都心近辺とか営業距離の長い幹線ほどではなく、井の頭線くらいの短い路線か、都心からある程度離れた路線)である。

仙石線の下り初電に乗って、松島海岸の駅に着くと6時。その後、駅から近い範囲を歩き回って写真を撮りまくったあと、9時の列車で仙台に戻った。朝早い時間で、しかも雲が出ていたこともあり、写真はモノクロのような雰囲気になってしまった。
松島海岸を貫いて国道45号が走っているけれども、この道路は恐ろしく交通量が多い。仙台と石巻を結ぶ産業道路であり、早朝でも大型車が激しく行き来している。押しボタン式の信号で道路を渡るにしても、青信号になるまでボタンを押して1分以上かかる。

五大堂
福浦橋と福浦島
朝靄の松島
(いずれも640×480、50KByte前後)

きつい日程だったけれども、幸いにして列車に乗っている時間にうまく寝ることができたので、試合の間は集中力を維持することができた。

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最大の敵は猛暑(第3戦・郡山)

仙台から郡山の会場に着くまでは特にアクシデントはなく、ほぼ予定通りに到着した。前日はよい席が空いていたのでアリーナ席にしたけれども、この日は会場のレイアウトと入場料金を見て自由席に決めた。この時点で写真撮影はほぼ捨てた。

第1セット、ティーシェンコのブロードが決まらず日本が2点先取。一方森山は前半は完璧。アルのフェイントがミスで3点差、その後も大貫のツー、ロシアのサーブレシーブの乱れもあり、日本が12-6と大きくリードする。
しかし、12-7からロシアが森山を初めて拾うと、流れは一気にロシアへ。この後は森山に持っていっても全く決まらなくなり、ソコロワやゴディナのアタックで追い上げられ、アルのアタックであっという間に15-14とロシアが逆転。さらに、16-15ロシアリードからソコロワのジャンプサーブが津雲を強襲。2度続けてミスを誘い、いずれもロシアの得点に。
しかし、18-16から長いラリーの末満永のフェイントが決まると、逆に日本の流れに。19-19から大懸がティーシェンコを止め、さらに大懸のアタックで日本2点リード。森山のアタックで23-21までこぎ着ける。このセットは日本だろうか、という雰囲気になってきたところで、その後森山がゴディナに2度続けて捕まり逆転。最後は板橋とアタッカーのコンビが合わず、トスミスで直接アウト。日本の抗議も受け入れられず。
このセットは、森山の出来の善し悪しがそのまま試合展開に出てしまった。しかし、これは森山一人の問題というより、むしろ森山に頼り過ぎる(頼らざるを得ない)ことに問題があるというべきだろう。

第2セットは前半にロシアがサーブレシーブのミスを連発、サーブミスやアタックのミスも出て、11-6と日本が5点リード。このセットの半ばからロシアには前日のようなセンターからの速い攻撃が見られるようになるけれども、日本も大懸を中心に持ちこたえた。ロシアにはセット後半もミスが出て今ひとつリズムを作れず、日本が逃げ切り。最後はアルタモノワのアタックを江藤が止めた。

第3セット、序盤はロシアのわずかなリードで展開。しかし、8-7ロシアリードの場面で、ロシアにアタックを何度も打たれながら拾い、最後熊前がブロックアウトをとる。これで日本の流れになり、アルタモノワのバックアタックがミス、熊前が再度ブロックアウトをとり日本が逆に10-8と2点リード。
しかし、11-10日本リードからゴディナのサービスエースを食らったところから流れはロシアへ。この後江藤の速攻に持っていったところいずれも決まらず、アルタモノワのアタックなどでロシアが着実に差を広げる。日本はチャンスボールでのミスも出る。21-16ロシアリードから森山を止められて、このセットはほぼ終わり。

第4セットは、森山と大貫のコンビが合わずロシアがいきなり3連続得点、その後もティーシェンコのサーブを続けてレシーブミスしてロシア6-2とリード。
しかし、7-4でバシレフスカヤがトスミス、流れは日本へ。アルタモノワのアタックミス、熊前のサービスエースで同点、さらに再びロシアのコンビミスからチャンスボールが返ってきて、それを大懸が決めて逆転。
しかし、この後ガモワのバックアタックでロシアが苦しい場面をしのぐと、ティーシェンコのアタックですぐに逆転。さらに、12-11ロシアリードから、ガモワのアタック(2点)、大懸のアタックミス、大懸をソコロワが止めてロシアが5点リード。しかし葛和監督は20-16の場面まで大貫を引きずる。
大貫を板橋に交代した後、ロシアの攻撃が単調になったところを日本がブロックで止めて追い上げる。ソコロワを大懸が、アルタモノワを森山が止めて、いったん21-21の同点とする。
しかし、ロシアサイドアウトの後、アルタモノワのサーブを津雲がレシーブミスしてエース。再度2点差。それでも、24-23のロシアマッチポイントで日本サーブの場面で、ソコロワのフェイントを拾い、熊前がブロックアウトをとって同点、このシリーズ初のデュースとする粘りを見せた。場内も一気に盛り上がった。しかし、ソコロワも同じミスは2度続けず、意地でたたきつける。その直後、津雲がまたもサーブレシーブミス、セッターに返らず、結局ゴディナにアタックを決められ試合終了。

真夏の昼間の試合にもかかわらず、空調のない会場!!観戦しているだけで汗が吹き出てくるほどの暑さだった。そのせいか、両チームともミスの多い試合となった。それだけではなく、場内放送も間違いを続けたり(選手交代ではいる選手と出る選手を逆に呼び、もう一度言い直しても間違ったまま)、試合最初のテクニカルタイムアウトのサイレンが遅れたり、全体にしまらない場面が目立った。
この会場は、大きな体育館で収容人員は多いけれども、古い。照明もあまり明るくないし、何より空調が入らない。雰囲気としては、V1で行った大津の会場にそっくりである。大きさといいレイアウトといい、そして暗くて空調が利いていないところもそうである。(大雪の日に行った大津の会場も空調がなく、凍えてしまいそうだった。しかも真冬ということもあり、照明も非常に暗かった。)

第1セット、第4セットとも、日本がとれるセットなのだが、終盤でミスが出て落としてしまう。これは明らかに「負け癖」というか、国際試合で勝っていないことに由来する病気である。
第4セットでもう一つ疑問なのは、大貫→板橋の選手交代の遅れ。6-2, 14-11, 16-11ロシアリードの場面と、交代を決断すべき場面は何度もありながら、大貫のサーブ順を待って20-16まで引っ張った。

森山もこの試合では、普段はいい仕事をするのけれども、セットの最後あるいは最初とか追い上げてきた場面とか、一番ほしいところで力が通じなかった。とはいえ、森山を注意しなければならないから大懸や熊前が楽に決められるのは、おそらく事実。江藤が前にいて、江藤を使う可能性は低いだろうと見切られてしまうと、ほかのアタッカーも思うに決まらない。江藤は前日よりはましだったけれども第3セットに「発病」、中盤に一気に差を付けられた。

ロシアはティーシェンコがほとんど決まらなかった。そのために昨日とはうって変わってサイドからの単調な攻めとなる場面が多く、それが苦戦の要因となった。センターからのクイックは第2セット半ばまでほとんどなかった。またサーブレシーブのミス、コンビミスも試合を通じて多かった。この試合内容では、中国はもちろん、イタリアにも苦しいだろう。

先発メンバーは前日の試合と同じだった。
熊前→櫻井の交代は、前日は「熊前がサーブを打った後」だったが、この試合では「熊前が後衛に下がったとき」(つまり櫻井がサーブを打つ。)。ロシアのレシーバーの手元を微妙に狂わせたと思われる場面もあった。佐々木は前日よりはよいアタックを打っていた。第3セットは先発したものの、結果にはつながらなかった。
前日はガモワ(身長201cmとも205cmともいわれる)はボールタッチはなかったけれども、この日は第4セットにゴディナと交代。アタックの威力はゴディナやソコロワほどではないけれども、相手の守備をよく見て打ち、ロシアに流れを引き寄せる3得点。この日はティーシェンコが決まらなかった割には、1番チェベニヒナとの交代が一度だけ、それもすぐに戻された。

1999/8/7  14:00-
Koriyama City General Gym., Fukushima

       RUS - JPN
         3 - 1
1st     25 - 23        24 min. 5-8 16-15 19-21
2nd     21 - 25        22 min. 5-8 11-16 17-21
3rd     25 - 17        22 min. 8-6 16-13 21-16
4th     26 - 24        27 min. 8-5 16-11 21-18
Total   97 - 89   1 h. 35 min.

1試合だけで自由席で2800円とは、恐ろしく高い。(田尻会場のアリーナで2500円は妥当なところだが)田尻の会場でワールドカップ宮城大会の案内を受け取ったけれども、アリーナ指定で9000円、2階の指定席で7500円も高い。去年の世界選手権では、福岡(準決勝ラウンド)も大阪も、アリーナ指定7000円、スタンド指定は4000〜5000円ほど。しかも、準決勝ラウンドはサイドアウト制で1日3試合、決勝ラウンドは1日4試合だった。それに比べると大幅な値上げだ。JVAの大赤字のせいなのかはわからないけれども、前年に比べると入場料金の値上げが目立つ。


試合の後、バス停に行ってみると30分以上待ち。どのみち炎天下で立っているのならと、駅まで歩いた。

かくして、1泊2日ながら濃い遠征は終わった。ゴディナとソコロワの大活躍、新しいロシアのバレーの形、日本の攻撃の柱となった森山など、それなりに見どころというか収穫はあった。しかし、ラリーポイント制では各セットが何となく終わってしまい、バレーボール本来の醍醐味が薄れてしまった、という印象はやはり否めない。

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