1999年BCVバレーマスターズ観戦記(J-SPORTS)

中国対日本
ブラジル対アメリカ
キューバ対イタリア
中国対ブラジル
ブラジル対日本
キューバ対ロシア
日本対アメリカ
キューバ対カナダ

ロシア対日本(5-8位決定戦)
アメリカ対カナダ(5-8位決定戦)
キューバ対ブラジル(準決勝)
中国対イタリア(準決勝)

ロシア対カナダ(5-6位決定戦)
ブラジル対イタリア(3-4位決定戦)
キューバ対中国(決勝)

Notice:
この観戦記では、自チームのサーブで得点することを「ブレーク」と表現することにします。


中国対日本

第1セットは江藤のアタックミス、王麗那のフェイントなどで、開始すぐに3点差がつく。9-6まではほぼこの差のまま進むけれども、9-6中国サーブの場面で、森山が2本続けてアタックミス、中国が2ブレーク。その後は20-15までサイドアウトが続く。ここで江藤がブロックされる。この後、大懸のアタックミスでさらに1ブレーク。このセットは25-18で中国がとる。

第2セットも、邱愛華がライトからアタック、江藤が王麗那にブロックされるなどで、立ち上がりやはり4-1に。7-4の場面から、大懸、森山とアタックミスが続くなどで中国が3連続ブレーク、10-4。16-10中国リードの場面から、ようやく日本も大懸のアタックで3ブレークを返し、16-13とする。この後大懸のサービスエースも出るけれども、森山・熊前がブロックされたり、熊前のアタックミスがあったりで、なかなか差は縮まらない。24-20で中国が最初のセットポイント。日本はまた大懸のアタックで1ブレーク返すものの、最後は王麗那に決められ、25-22中国。

第3セットは、孫月のフェイントで中国が最初の得点、その後の孫月のサーブ順で、王麗那にアタックを次々決められ、サーブレシーブのミスやアタックミスも出て6連続ブレーク、いきなり7-0。この後中国にもミスは出るけれども、日本はなおもアタックやサーブレシーブのミスが出て、なかなか追い上げられない。そして、15-9から孫月のフェイントで中国サイドアウト、サーブは孫月。セット開始と全く同じパターンだが、今度も津雲を襲うサービスエース2発含む5連続ブレーク。孫月一人のサーブ順でこのセット11ブレーク!最後はまたも王麗那のアタックで、25-13中国。

中国は比較的ベストメンバーに近いチームだと思われる。新しいセッター、4番の諸韻頴になって、より速いトス回しを追求してきたという印象である。この試合では王麗那の活躍が目立った、というか日本がほとんどやられっぱなしだった。

日本は、とにかくチームができていないという印象である。全体にちぐはぐで、ミスが多い。佐々木も打数自体少なく、なかなか満足なアタックが打てない。森山もこのときにはまだ大貫と合っておらず、ミスが多かった。結局大懸一人が頼り、これでは勝負になるはずがない。

放送の都合上、この大会とほぼ並行してワールドグランプリの日本戦も見ているのだが、技術的な問題云々以前に、「応援してもらえるチームになれよ!!」(Copyright by Kuzuwa Nobuchika)と叫びたくなる。

スタメンおよびサーブ順(特記なき限り第1セット)
中国: 11 孫月 → 6 李珊 → 12 邱愛華 → 15 王麗那 → 5 呉咏梅 → 4 諸韻頴
日本: 9 森山 → 6 大貫 → 8 熊前 → 5 江藤 → 13 佐々木 → 12 大懸

       CHN - JPN
         3 - 0
1st     25 - 18   20 min. 8-5 16-11 21-15
2nd     25 - 22   18 min. 8-4 16-10 21-15
3rd     25 - 13   20 min. 8-2 16- 9 21- 9
Total   75 - 53   58 min.


あまりにも短い試合で時間が余ったため、この後、イタリア対カナダ戦のごく一部が放送された。
放送は第3セット16-15、イタリアサーブの場面から。カナダサイドアウトのあと、ガラストリのアタックミス、さらにイタリアにサーブレシーブのミスがありこれをカナダの10番ロスがフェイントで決め、カナダが2点リード。しかし、イタリアもガラストリのアタックですぐに同点、さらにカナダのサーブレシーブミスもあり、チャンスボールをリニエーリが決めて19-18とイタリア先行。この後、カナダが5番ソーシーのアタックで21-20と再び先行。しかし、22-22イタリアサーブの場面で、カナダ2番ラマーレがアタックミス、さらにこの場面でカナダが痛恨のサーブレシーブミス。レッジェーリに沈められ2点差となり、イタリアマッチポイント。24-23カナダサーブとなったところで、レッジェーリがきっちり決めた。25-23でイタリアがこの競り合いをものにして、ストレート勝ちをおさめた。

カナダとアメリカは基本的に似たチームである。ともに大型の若い選手を多く起用している。ただし、アメリカが全面的に若い選手に移行しているのに対し、カナダは、イタリアリーグで活躍するベテランエースのケリー、ソーシーを残している。カナダのチームの若手で目立つのが2番のラマーレである。192cmの大型の選手で、高い打点からなかなか強力なアタックを放ち、両ベテランエースと並ぶポイントゲッターとなっている。ジャンプサーブはないけれども、フローターサーブにも威力があり、サーブレシーブミスを誘う場面もあった。

一方のイタリアも、セッター対角に昨年のメロに代わり大型(191cm)のトグットが入っており、攻撃力の増強をはかっている。しかし、守備面では昨シーズンに比べやや不安があるチームになったという印象を受ける。

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ブラジル対アメリカ

試合の出だしは、ブラジルが今ひとつかみ合っていないという印象で、点を取ったり取られたりという展開が続く。11-10ブラジルリードの場面で、アメリカにアタックミス2本でブラジルが2ブレーク、初めてブラジルが3点のリードを奪う。アメリカはゼメイティスのブロックで1ブレーク差を縮めるものの、ブラジルはコインブラのアタック、ロドリゲスのブロックで4点差と突き放す。セット終盤はブラジルがコインブラのアタックやらフェイントやらでサイドアウトをとり続けてしのぎ、第1セットは25-21でブラジル。

第2セットは、ディアスを中心に、コインブラ、オリベイラのアタックで、ブラジルが序盤から11-5とリードを奪う。この後、アメリカがブロックで2ブレーク返すこともあったけれども、アメリカにはラリー中のミス(反則)が多く、アタックミスやサーブミスも出て、なかなか追い上げることができない。セット後半はブラジルが4〜6点のリードのまま進み、最後はアメリカのサーブレシーブのミスがあって、コインブラが決めて25-18。

第3セットは、序盤はブラジルにアタックのミスが多く、アメリカが先行する場面もあった。しかし、7-7からアメリカに2本アタックミス、さらにコンセイソンのアタックで、ブラジルが3連続ブレーク、このセット初めて3点リード。中盤にかけて、オリベイラ・ロドリゲスのブロック、コインブラのアタック、アメリカにドリブルもあり、ブラジルのリードが一気に広がる。この後は、ノリエガのサーブでブラジルがやや崩され、2ブレーク返される場面もあったものの、ブラジルはコインブラ・オリベイラの若手とセンター線のアタックで着々と加点し、最後はアメリカにサーブレシーブのミス、ネットタッチとミスが続き、25-18でブラジルがとった。

この試合、ブラジルはコインブラとオリベイラという若手がフル出場。両選手のプレーを初めて見ることができた。コインブラはそれほど大型ではなくしかも細身だが、アタックにはその体格に似合わない威力があり、またうまさもある。一方、オリベイラは体に厚みがあり、ライト打ち、バックアタック、ジャンプサーブと、とにかくパワフル。今後ブラジルのスーパーエースという存在になるのだろう。

一方のアメリカは、サーブレシーブにしてもアタックにしてもラリー中にしても、とにかくミスが多い。また、オープントスが多く攻撃が単調である。しかし、選手個人としては魅力のある素材がそろっており、型にはまれば攻撃力はかなり高い。経験を積めばまだまだ伸びるチームである。

スタメンおよびサーブ順
ブラジル: 15 ソウザ → 10 ディアス → 3 コンセイソン → 18 オリベイラ → 16 コインブラ → 11 ロドリゲス
アメリカ: 1 サンス → 10 ハーリー → 16 ノリエガ → 3 デジレ → 9 ゼメイティス → 8 タガロア

       BRA - USA
         3 - 0
1st     25 - 21        25 min. 7-8 16-13 21-17
2nd     25 - 18        22 min. 8-4 16-11 21-15
3rd     25 - 18        23 min. 8-7 16- 9 21-15
Total   75 - 57   1 h. 10 min.

雑談: アナウンサーはアメリカのゼメイティスが美人だとしきりに言っている。確かに、言われてみると美人には違いない。
この放送は雑談がかなり多い。雑談はいいとしても肝心の試合の解説が時折おろそかになっているのはいただけない。特に、選手交代があったときなどいい加減なことを言われると、見ている側としては閉口である。

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キューバ対イタリア

第1セットは、3-3の場面でイタリアにサーブレシーブのミス、結局アゲロにライトから決められてキューバがリード、6-5キューバリードの場面でリニエーリにアタックミス、これで2点差。この後は中盤までキューバ1〜2点のリードという展開が続く。しかし、17-15キューバリード、キューバのサーブの場面から、フェルナンデスのアタック、ピッチニーニのアタックミスで差が4点に広がる。この後ルイザのアタックで5点差、22-17からアゲロのジャンプサーブでイタリアが崩れ、サーブレシーブのミスからキューバにブロック、さらにノータッチエース。最後はフェルナンデスが簡単に決めて25-18。

第2セット序盤は、キューバが2点リードするけれども自らのアタックミスで同点にしてしまう、ということが2度繰り返される。しかし、9-7キューバリードから、フェルナンデスのサービスエース、さらにレッジェーリ、リニエーリとアタックミスが続き、一気に5点差。さらに、17-11からまたしてもアゲロのサーブを2連続レシーブミス、ピッチニーニに打たせたところいずれもシャット。20-12からも2連続ブロックで、後半はキューバの一方的な展開になる。最後はベルのアタックで25-14。

第3セットは、初めてイタリアが2点を先制。キューバはルイザのアタック、ガラストリの速攻を止めてすぐに逆転。10-9キューバリードまでは2点以上の差がつかずに試合が進んだ。しかし、10-9でイスキエルドのサーブの場面で、フェルナンデスのバックアタック、さらにイタリアのサーブレシーブが乱れホールディング、キューバ3点リード。17-13キューバリード、ルイザのサーブで、ベルのアタックで1点差を広げたあと、ピッチニーニがサーブレシーブをミス、リニエーリが無理に打ったがアタックミス。さらにルイザがピッチニーニを狙い打ちサービスエース。この後もキューバのリードが広がり、このセットも25-16と大差でキューバ。

いずれのセットも、序盤8点か10点くらいまではイタリアがそれほど離れずに食らいつくけれども、キューバの強烈なサーブに崩されたり、イタリア自らアタックをミスしたりして、中盤以降一気に差が開くという展開だった。

イタリアは、トグットまたは13番ベッカリアという大型の選手を新たに起用し、攻撃力の強化を図ってきた。確かに、よいアタックはしばしば見られるのだが、キューバのアタックをほとんど止めることができないため、連続得点にはつながらない。キューバに対抗する糸口は最後までつかむことができなかった。また、サーブレシーブに関しては、昨シーズンよりむしろ不安の感じられるチームになってしまった。

キューバのチームとしての印象は、前年の世界選手権と違いはない。アタックミスとサーブミスは相変わらず少なくはないけれども、アタックとサーブの破壊力が全く違う。ラリーになれば簡単に得点してしまうし、サーブで崩して連続得点という場面も多い。この試合では本来トレスが入るべきところにフランシアが入ったけれども、だからといって力が落ちるというようなことはもちろんない。

スタメンおよびサーブ順
キューバ: 14 フェルナンデス → 4 イスキエルド → 8 ベル → 16 フランシア → 12 アゲロ → 1 ルイザ
イタリア: 2 リニエーリ → 4 レッジェーリ → 3 トグット → 12 ピッチニーニ → 9 ガラストリ → 7 カッチャトーリ

       CUB - ITA
         3 - 0
1st     25 - 18   19 min. 8-6 16-14 21-16
2nd     25 - 14   16 min. 8-6 16-10 21-12
3rd     25 - 16   20 min. 8-7 16-12 21-14
Total   75 - 48   55 min.


全く一方的な試合で時間が余ったため、ロシア対カナダ戦の第3セットが放送された。カナダはアメリカと似たチームだが、サーブレシーブの悪さ、アタックミスの多さは、アメリカに輪をかけてひどいものだった。ロシアの強いサーブにサーブレシーブのミスを連発、アタックミスも続き、中盤までに15-7と大差が付いた。しかし、この後はロシアに気のゆるみもあったのか、カナダのサーブをレシーブミス、あるいはカナダにブロックされて、連続得点を許す場面もあった。最後はロシアがレシーブしたボールが誰もいないところに落ちるという幸運な当たりで、25-17ロシア。

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中国対ブラジル

第1セット序盤はほとんどサイドアウトの繰り返しとなる。11-10中国リードの場面でコインブラがシャットされ、このセット初めて2点差がつく。この後はまたサイドアウトが続いた。17-16中国リード、ブラジルサーブの場面で、コインブラのアタックが決まり、いったんはブラジルが同点とする。しかし、20-19からディアスが止められ、再び中国2点リード。中国相手に逆転は難しくなったかと思われたが、中国にコンビミスが出てブラジルが22-22と同点に追いついたところから流れが変わった。ディアスのサービスエースで24-23と逆転。さらに、25-24ブラジルリードの場面で、ロドリゲスが李珊をシャット。終盤の逆転で、ブラジルがこのセットを26-24でものにした。

第2セットはオリベイラのアタックミスなどで、中国が序盤に2点リードする。さらに、ブラジルのサーブレシーブが乱れたところを最後李珊がクイックで決めて、さらに中国にブロック。2連続ブレークで10-6と中国がリード。この後、ブラジルのブロックが少しずつ中国の速攻につきはじめ、次第にブラジルが追い上げる。呉咏梅のクイックを止めて14-13と1点差。さらに、次のラリーで同点にできるチャンスがあった。しかし、そこでコンビが合わず、逆にチャンスボールが中国へ。王麗那がきっちり決める。その直後にブラジルにサーブレシーブミス、コインブラが難しいボールを打ってミス。ブラジルは流れに乗れない。それでも、20-18中国リードから、長いラリーの末オリベイラがライトから決めて1点差、さらにコインブラも続き、いったんは同点とした。しかし、22-21の場面でオリベイラがシャットされ、中国が再度2点リード。このセットはこのまま25-23中国。

第3セットは16-12中国リード、中国のサーブの場面からの放送。コインブラが呉咏梅に止められ、ブラジルのサーブレシーブミスもあり、中国がさらに2ブレーク追加、18-12。この後、ブラジルが中国のアタックミスで追い上げる場面もあったものの、この差を追いつくことは不可能。中国が25-21でこのセットをとる。

第4セットも、邱愛華、王麗那のアタックなどで、5-2と中国が序盤から主導権を握る。しかし、11-10中国リードから、中国のサーブレシーブの乱れから王麗那のアタックがミス、さらに、オリベイラのライト攻撃、4番シルバのアタックも決まり、3連続ブレークでブラジルが13-11と逆転した。しかし、中国が王麗那のアタックで切った直後、今度はブラジルにサーブレシーブのミス。王麗那が決めて同点、さらにサービスエース、またしても王麗那のアタック。中国が3連続ブレークで再逆転、15-13。この後も、オリベイラ・ディアスが止められたり、噂の(197cm)趙蘂蘂のアタックが決まったりで、21-16まで中国のリードが広がった。この後、中国のミスでブラジルが2点差まで追い上げたものの、最後はオリベイラのアタックがアウトして25-21。中国が1セットダウンから3セット連取して逆転勝ちした。

これまで一方的な試合ばかり続いたので、やっと試合らしい試合を見られた、というのが第一印象だった。しかし、両チームを比較してみると、やはり中国のほうが完成度が高く、安定してミスの少ないバレーをしている。結局はいずれのセットにしても、その差が2〜4点の差となって現れている。第1セットこそブラジルが奪ったものの、これも終盤中国にミスが2本ほどあり逆転でとったもので、途中経過からすればストレートで終わりかねなかった試合である。
ブラジルはセンター線の速攻が少なく、特にロドリゲスが前衛の場面では極端にそれが減り、サイドアタッカー、それも若いオリベイラに頼る場面が多かった。これではやはり中国相手には苦しい試合展開となる。

スタメンおよびサーブ順
中国: 11 孫月 → 6 李珊 → 12 邱愛華 → 15 王麗那 → 5 呉咏梅 → 4 諸韻頴
ブラジル: 15 ソウザ → 10 ディアス → 3 コンセイソン → 18 オリベイラ → 16 コインブラ → 11 ロドリゲス

       CHN - BRA
         3 - 1
1st     24 - 26        25 min. 8-7 16-14 21-19
2nd     25 - 23        24 min. 8-6 16-13 21-20
3rd     25 - 21        22 min.  -  16-12 21-16
4th     25 - 21        23 min. 8-6 16-14 21-16
Total   99 - 91   1 h. 34 min.

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ブラジル対日本

第1セット序盤は、コインブラがライトから打ったアタックを止めて一時日本が7-6と先行する場面もあった。しかし、ディアスのアタックで切られてロドリゲスのサーブ順となって、サーブレシーブをミスして反則で失点したのがケチのつきはじめだった。この後もサーブレシーブの乱れが続き、攻撃が単調になったところを止められたりアタックがミスしたりということが続いた。チャンスボールをコンセイソンのクイックで決められ、16-7ブラジルリード、何と9連続ブレーク(私の見た試合では初めて)。この後ブラジルのリードは一時20-9まで広がった。最後は速攻を決められて25-15でブラジル。

第2セット出だしはブラジルが2点リード。日本は大懸のアタック、佐々木のサービスエースで一度は7-6と先行する。しかし、この直後日本にタッチネットがあり8-7とブラジルが再び先行。ここから11-10まではサイドアウトが続く。この場面で、日本は大貫に代えて板橋を入れる。ここ半ローテ、森山・江藤の速攻でうまくサイドアウトがとれていただけに、この交代は疑問に感じられた。そして案の定、サーブレシーブのミスを板橋がトスにできなかったり、速攻がアウトしたりするなど、大貫が戻るまでの半ローテで、ブラジルに3ブレーク差を広げられてしまう。19-16ブラジルリードの場面で、オリベイラのアタックミス、佐々木のライトからのフェイントで1点差。ここでブラジルはタイムアウトをとるものの、熊前のアタック、さらにオリベイラを止めて、4連続ブレークで一気に日本が逆転。コンセイソンのサービスエースでいったんはブラジルが先行するものの、直後に江藤がコインブラを止めて再び日本が先行。24-23日本セットポイントの場面、サーブは日本だったが、オリベイラのバックアタックを止めて日本がこのセットをものにした。
結果的にはセットをとったからよかったようなものの、このセットの大貫→板橋の交代は完全に逆噴射だった。板橋のテストというのは理解できるけれども、それをするなら第1セットの差が開いた場面でもできたはずである。

第3セット序盤、森山の速攻がミスとなり、ブラジルが一時2点リード。しかしブラジルにサーブレシーブのミスがあり、それを森山がダイレクトで沈めてすぐに同点とする。15-14日本リードまでは2点以上の差が開かない緊迫した展開となる。ここで、森山のサーブがブラジルのリベロのサングラードを襲いエース。次の大貫のサーブ順でもサービスエース。さらに、20-17日本リードで、江藤のサーブで相手を崩し、チャンスボールを大懸が決める。22-18から、レイラ・バロスがアタックライン踏み越し、さらにロドリゲスの移動攻撃がミス。一気に日本が差を広げてセットポイントを迎える。最後は大懸が決めて、25-19で日本。

第4セットは全部カットされ、放送はいきなり最終セットに。これまで若手のアタッカーを中心に使ってきたブラジルも、この最終セットではディアス、バロスの両ベテランにボールを集めた。森山の移動攻撃がミスで2-0、さらにバロスのアタックで序盤から4-1とブラジルリード。この後、コインブラのアタックミスで日本が1ブレーク差を縮め、その後のラリーでもチャンスがあった。しかし、打ち切れず、結局ブロックされる。その直後、大懸がシャットされ、さらにディアスのバックアタックで、ブラジルのリードが4点に広がる。この後、日本はサーブミス、ドリブル、アタックミスと、ミスが出て差を縮めることができない。最後は大懸がサーブレシーブをミスしてダイレクトで返ってしまい、ブロックされた。

日本はこの試合、第2セットでは終盤にブラジルの攻撃にブロックがよくつき、第3セットはサーブでブラジルを崩し、それがいずれもセットにつながった。しかし、ブロックにしてもサーブにしても、出るときは続けて出るが出ないときはなかなか出ない。それが出ないとセットをとれないというのでは、やはり勝利につながるのは難しい。

スタメンおよびサーブ順
ブラジル: 15 ソウザ → 10 ディアス → 3 コンセイソン → 18 オリベイラ → 16 コインブラ → 11 ロドリゲス
日本: 9 森山 → 6 大貫 → 8 熊前 → 5 江藤 → 13 佐々木 → 12 大懸

       BRA - JPN
         3 - 1
1st     25 - 15        20 min. 8-7 16- 7 21-11
2nd     23 - 25        25 min. 8-7 16-12 21-20
3rd     19 - 25        23 min. 8-7 14-16 17-21
4th     25 - 20        24 min.  -    -     -
5th     15 - 10        14 min. 5-2 10- 7 12- 8
Total  107 - 95   1 h. 46 min.

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キューバ対ロシア

第1セット、出だしにロシアにネットタッチ、ゴディナのアタックミスでキューバ3点リードとなったあと、アゲロの強烈なジャンプサーブで完全にロシアを崩した。エース1本にエース同然のミス1本。4連続ブレークで10-3とキューバが一方的にリードする。その後、ソコロワのサービスエース、ゴディナのブロックなどで追い上げる場面もあったものの、4点差まで。後半は、イスキエルドのライト攻撃、ティーシェンコのブロード攻撃がミスするなどで、またキューバのリードが開く。最後はゴディナのアタックがミスで25-18。

第2セット序盤、フランシアがセンターから強打、イスキエルドのノータッチエースで4-1とキューバリード。その後、ベルのサーブ順でもサービスエース、さらにサーブレシーブが乱れてモロゾワが打ったところブロックされ、前のセットと同じような展開となる。それ以降、中盤は3〜5点キューバリードで進むけれども、18-13キューバリードから、ベルのアタック2本でキューバが2ブレーク追加。その後、キューバのサーブレシーブのミス、ソコロワのバックアタックでロシアも2ブレーク返すものの、追い上げもそこまで。イスキエルドがまたもサービスエース。最後はアゲロのツーアタックで、このセットも25-18キューバ。

第3セットはまず、ゴディナがライトから打ったのをシャットしてキューバが2点リード。5-3キューバリードから、アゲロのサーブでまた崩され、ダイレクトで返ってしまいルイザに決められ、次もチャンスボールが返ってルイザに決められた。この後のルイザのサーブ順でも、サーブレシーブのミスもあってフェルナンデスのセンターから強打2本、ソコロワが止められ、3連続ブレークで11-4。このセットも序盤からキューバの一方的リードとなる。ロシアブロック、ソコロワのアタックで、2ブレークを返すのがやっと。ソコロワのアタックミス2本、サーブレシーブのミスからベルにフェイントを決められ、キューバ8点リード。最後は長いラリーになったものの、最後ルイザが決めて、25-17キューバ。

この日のロシアは、とにかくサーブレシーブのミスの多さが目に付いた。いずれのセットも、最初のアゲロかイスキエルドのサーブ順で崩されるため、同じように序盤からキューバの一方的なリードとなった。ロシアはこの大会、速いバレーに切り替える途上にあった。サーブレシーブのミスが多い一方で、速い攻撃を意識してトスが低すぎて打ちきれないという場面も多く、何とも中途半端になってしまった。
とはいえ、この試合のキューバは恐ろしく強く、およそ付け入る隙がなかったのも事実である。途切れることなく強烈なアタックとサーブを打ち込み、相手に流れをやってしまうような変なミスもなかった。ブロックもロシアの攻撃によくついていた。

しかし、ラリーポイント制になって、どのチームにも変わることが求められている。どのみち変わらなくてはならないのなら、先に変わるほうがよいに決まっている。次のワールドグランプリでは、この両チームの明暗は逆転することになる。やはりベストメンバーでなかったとはいえ、キューバが行き詰まり、一方ロシアがチームとしての完成形に近づき圧倒的な強さを見せるのである。

スタメンおよびサーブ順
キューバ: 4 イスキエルド → 8 ベル → 16 フランシア → 12 アゲロ → 1 ルイザ → 14 フェルナンデス
ロシア: 5 ソコロワ → 10 バシレフスカヤ → 9 ティーシェンコ → 6 ゴディナ → 2 モロゾワ → 3 ベリコワ

       CUB - RUS
         3 - 0
1st     25 - 18       21 min. 8-3 16-11 21-14
2nd     25 - 18       21 min. 8-3 16-11 21-15
3rd     25 - 17       20 min. 8-4 16-11 21-13
Total   75 - 53   1 h. 2 min.


この後の余った時間に、中国対アメリカの試合の第3セットが放送された。放送は12-6中国リードから。6点リードになった理由はわからないけれども、この後は、アメリカがセンター線のクイックやブロード攻撃でサイドアウトをとる場面が何度も見られた。この部分を見る限りは、先のブラジル戦と比較して、チームとしてのまとまりができているように感じられた。そして、現時点でのアメリカの完璧な形が、次の日本戦で出ることになる。

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日本対アメリカ

第1セット、熊前のアタックがいきなり止められて2-0アメリカリード。この後も、日本はアメリカのアタックを拾うものの、打ち返したところをブロックされて、追い上げるに至らない。江藤のクイックがミスで7-4、さらに森山の速攻、大懸のフェイントが相次いで止められて中盤までに11-6とアメリカがリード。ここまでアメリカの11点のうち実に7点がブロック。この後、江藤のサーブでアメリカを崩し得点する場面もあったものの、つなぎのミスもあって続かない。直後にゼメイティスにサービスエースで、流れは完全に切れる。サーブレシーブのミスからサンスにバックアタックを決められ24点目、最後は熊前がまたシャットされ、25-17でアメリカ。

第1セットはアメリカにつなぎのミスがあった後佐々木がバックアタックを決めて、サンスのアタックミスも出たところから、一気に日本の流れになる。江藤のブロード、熊前のアタックなども決まり、いきなり日本6-0とリード。9-4から、アメリカにサーブミス、アタックミス、サーブレシーブのミスが続き、13-4と差が広がる。17-9日本リードの場面から、ハーリーのクイックを江藤が2度止めて、さらに熊前のアタックもあり、3連続ブレークで20-9となる。ただし、この後は、日本にアタックミス、トスミスがあり、差を縮められる場面もあった。点数としては圧倒したものの、すっきりとは終われなかった。このセットは25-16で日本がとる。

第3セット序盤は、アメリカにネットタッチ、デジレのアタックミスで、5-3と日本がリード。しかし、7-6日本リードから、大懸を真ん中に動かして打たせようとしたところ2本続けて失敗。さらに森山のブロードが止められて、アメリカが3連続ブレーク、9-7と逆転。ただし、この後も両チームにブロックが出たり、ミスがあったりして、中盤は2〜3点ずつ点数が動き、逆転に次ぐ逆転となる。13-13の場面から大貫が2連続ノータッチエース。しかし、この後江藤のクイック、佐々木のアタックが相次いでシャットされ、さらにデジレのアタック、3連続ブレークで17-15とアメリカが再逆転。18-16から、大懸のオープン、江藤のクイックが相次いでミス、さらに交代で入った板橋と佐々木が交錯して結局日本に反則。3連続ブレークでアメリカが5点リード。この後日本は森山のブロード攻撃で22-20まで追い上げる。しかし、森山のブロードが逆にブロックされてセットポイント。最後は津雲にサーブレシーブのミスがあり、チャンスボールをサンスが決めて25-20アメリカ。

第4セットは3-3から、ゼメイティスの速攻、ノリエガのライト、熊前がライトから打ってミス、さらに熊前が止められて、アメリカが7-3とリード。日本は本来レフトの佐々木に代えてセンターの小野を入れるという、何とも苦しい選手交代を強いられる。12-8アメリカリードから、またもレフトオープン、クイック、ライト、ブロックと、アメリカの攻撃の見本市みたいになり、4連続ブレークで16-8。この後、アメリカはブロックでさらに2ブレーク追加し、20-10までリードが広がる。アメリカはとにかくのびのびと試合をしていて、一方日本は完全に萎縮してしまった。最後はノリエガのライト攻撃が決まり、25-15と一方的にアメリカがとった。

まともなファンがこれを見たら荒れるぞ、絶対に。
日本はとにかく寒い試合。寒いという以外何の感想も思い浮かばないくらい寒い内容である。あまりにも攻撃のバリエーションがなさすぎる。サーブレシーブが返った場合は大筋でセンターを用いたブロード攻撃、サーブレシーブが乱れるかラリー中の場合はほとんどがレフトオープン。これがことごとく読まれ、アメリカに面白いようにブロックされた。
一方、アメリカは現時点で持てるものを全て出した試合と言えるだろう。この試合はとにかくブロックが日本の攻撃によくついていた。また、攻撃も両サイドのオープン攻撃だけでなく、きっちりセッターにボールが返ってきたときにはセンターのブロード攻撃やクイックもよく使っていた。

スタメンおよびサーブ順
日本: 12 大懸 → 9 森山 → 6 大貫 → 8 熊前 → 5 江藤 → 13 佐々木
アメリカ: 1 サンス → 10 ハーリー → 16 ノリエガ → 3 デジレ → 9 ゼメイティス → 8 タガロア

       JPN - USA
         1 - 3
1st     17 - 25        21 min. 5-8 11-16 15-21
2nd     25 - 16        22 min. 8-1 16- 8 21-11
3rd     20 - 25        21 min. 7-8 15-16 16-21
4th     15 - 25        21 min. 4-8  8-16 11-21
Total   77 - 91   1 h. 25 min.

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キューバ対カナダ

第1セット、序盤からフランシアの速攻、さらにカナダにサーブレシーブのミスもありケリーのアタックが2本続けてミス、キューバ5-1リードとなる。しかし、その後は、キューバにネットタッチ・サーブレシーブミスとミスが続いたこともあり、意外と点数が離れない。10番ロスのブロード攻撃を止められ、あるいは同じブロードのミスで10-6となりながら、その後ケリーのバックアタック、ソーシーのアタックで、1点差まで追い上げる。しかし、イスキエルドのノータッチエース、ルイザのアタックで少しずつ差を開いたあと、18-14から、ソーシーのアタックミス、ルイザのアタックで、20-14と突き放す。最後はサンチェスのアタックで25-19キューバ。

第2セットも開始すぐにキューバが3-0とするものの、カナダも序盤はソーシーのサービスエースやケリーのフェイントで食い下がる。しかし、8-6キューバリード、ルイザサーブの場面で、ソーシーが止められ、カナダにネットタッチ、ロスの速攻がアウト、これでカナダは打つ手なし。キューバの7連続ブレークで15-6。この間ソーシーだけで3回シャットされている。この後一時は、ラマーレ、ミッチェルのブロック、あるいはサーブで崩してケリーがアタックを決めて、カナダが追い上げた。しかしキューバもサーブで崩して追加点。このセットも最後はサンチェスのアタックで、25-16キューバ。

第3セット、やはりスロースタートのキューバは序盤にミスが多く、それほど点が離れなかった。しかし、7-5キューバリード、前のセットと同じルイザのサーブ順で、ケリーを襲うサービスエース、ルイザのバックアタック、またソーシーが止められて、前のセットと同様カナダが両足を泥沼に突っ込む。サーブレシーブの乱れも重なって、サンチェス・メストレのアタック、アゲロのツー攻撃などで、キューバが8連続ブレーク、15-5。この後は大量リードで集中が切れたか、サービスエース、ケリー、ソーシーの両エースのアタックなどで追い上げを許す場面もあった。とはいえ余裕の試合展開には変わらず、最後はメストレのアタックで25-16。

キューバはレギュラーメンバーで残ったのはイスキエルド、アゲロ、ルイザだけ、フェルナンデスとベルも休ませて控え選手のテストをするという、完全にお遊びモード。一方カナダは、ケリー、ソーシーの両エースは食い下がったもののそれだけでは何とも対抗しようがない。ただし、一つだけ印象に残ったのは、カナダの選手のフローターサーブは意外と受けにくそうだということである。

スタメンおよびサーブ順
キューバ: 9 メストレ → 4 イスキエルド → 17 サンチェス → 16 フランシア → 12 アゲロ → 1 ルイザ
カナダ: 5 ソーシー → 14 ルキウ → 2 ラマーレ → 9 ケリー → 10 ロス → 6 レミュー

       CUB - CAN
         3 - 0
1st     25 - 19       22 min. 8-5 16-12 21-15
2nd     25 - 16       20 min. 8-6 16- 7 21-14
3rd     25 - 16       22 min. 8-5 16- 7 21-12
Total   75 - 51   1 h. 4 min.


この日の余り時間は、ロシア対イタリアの第4セットの放送となった。放送は12-8イタリアリードの場面から。この後、トグットのアタックミス、イタリアにオーバーネットなど、ミスが続き、ロシアが一時1点差とする。しかし、16-14イタリアリードから、ピッチニーニのサーブでロシアが崩され、ソコロワにライトから打たせたところ、ガラストリにシャットされる。さらに、ベリコワのクイックもガラストリが止めて、4点差に。20-16イタリアリードから、ロビアンコのサーブがソコロワを襲いエース、ゴディナのアタックミス、さらにティーシェンコの移動攻撃をリニエーリが止めて、イタリアの3連続ブレークで7点差、ロシアの息の根を止めた。最後はロシアの反則で、25-19イタリア。大金星を上げてベスト4進出を決めたイタリアは、それこそ優勝したかのような喜びようだった。

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ロシア対日本(5-8位決定戦)

第1セット、ゴディナのサーブが津雲を2本続けて強襲、さらにゴディナ自らバックアタックを決め、7-4とロシアリード。日本も、大貫のサービスエースをはさみ熊前のアタック2本で反撃、いったんは12-11と先行する。しかし、その直後、江藤の速い攻撃が相次いでシャットされすぐにロシアが逆転。14-13ロシアリードから、大懸もシャットされ、ゴディナにこのセットだけで3本目のエース、さらにソコロワの2連続アタック得点で、4連続ブレーク、18-13。この後江藤のサーブで崩し2ブレーク返したものの、その後モロゾワが津雲を襲う2連続サービスエース、その次も津雲がサーブレシーブをミスして結局3連続ブレーク、23-16ロシアリードとなる。最後はソコロワのアタックが決まり、第1セットは25-18ロシア。

第2セットは序盤、ロシアのサーブレシーブミスからチャンスボールを江藤がクイックで決めて、さらに江藤がモロゾワのクイックを止めて日本が4-2とリード。その後、中盤まではほぼこの差のまま試合が進むが、14-12日本リードから、熊前のバックアタック、佐々木のライト、さらにソコロワのアタックがミスとなり、3連続ブレークで17-12。しかし、21-16日本リードから、ロシアが一気に追い上げる。ゴディナとソコロワの強烈なアタックで4連続ブレーク、あっという間に21-21の同点。さらにロシアに逆転のチャンスボールがあった。しかし、ロシアがそのボールの処理をミス、結局熊前がブロックアウトをとり逆転を阻止。最後は大懸のアタックで、25-23で日本がこのセットをものにした。

第3セットは15-13ロシアリード、ティーシェンコのサーブからの放送。この後は両チームともサイドアウトが続いたが、20-19ロシアリードから、熊前のアタック、ゴディナを江藤が止め、2連続ブレークで日本がいったんは先行した。しかし、22-22から、またしてもゴディナのサービスが津雲を襲いエース。さらに大懸のアタックミスでロシアにセットポイント。最後は大懸がシャットされ結局3連続ブレーク、25-22ロシア。

第4セットの序盤は、熊前のアタックなどで、日本が4-1とリードした。しかし、ロシアにブロックポイントが2本出て、日本はリズムを失う。佐々木が2度シャットされ、江藤のブロードも止められ、お見合いしてボールを落とす場面もあり、4連続ブレークであっという間に8-5ロシアリード。セット中盤には熊前と佐々木にアタックミスが相次ぎ、全く気力も感じられず、21-11までロシアのリードが広がった。しかしここから日本が猛反撃に出る。大量リードしたため、ロシアはモロゾワを下げてガモワのテスト。それがいずれも決まらず、日本が逆に大懸や佐々木のアタックで反撃。22-17の場面でモロゾワを戻すものの、なおも日本の勢いは止まらない。24-19でロシアが最初のマッチポイントを迎えたけれども、ティーシェンコのブロードを止めて24-21。しかし、ここでロシアがタイムアウト。当然、ロシアはこのセット一度もタイムアウトをとっていなかった。日本の反撃もここまでで、最後はティーシェンコのブロードで25-21。

全体の印象として、日本はサーブレシーブのミスがとにかく多い。第1セットは実にサービスエース5本を許し、第3セットも終盤の肝心なところでサービスエースを食らった。一方、ロシアはミスはまだ多いものの、だいたい本来の試合ができていたように思う。

スタメンおよびサーブ順(第2セット)
ロシア: 5 ソコロワ → 10 バシレフスカヤ → 1 チェベニヒナ → 6 ゴディナ → 2 モロゾワ → 3 ベリコワ
日本: 12 大懸 → 9 森山 → 6 大貫 → 8 熊前 → 5 江藤 → 13 佐々木

       RUS - JPN
         3 - 1
1st     25 - 18        22 min. 8-6 16-13 21-16
2nd     23 - 25        24 min. 6-8 12-16 16-21
3rd     25 - 22        23 min.  -  16-14 20-21
4th     25 - 21        23 min. 8-5 16-10 21-11
Total   98 - 86   1 h. 32 min.

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アメリカ対カナダ(5-8位決定戦)

試合開始直後はカナダが3-1と先行したものの、その後ハーリーのサーブでカナダが崩される。リベロを襲うサービスエースに始まり、ラマーレ、ケリーのアタックミス、ノリエガのプッシュとダイレクトスパイク、ゼメイティスがケリーを止めるなど、7連続ブレークで9-3とアメリカが大きくリード。この後、ゼメイティスのブロードで、一時11-4となった。しかし、カナダはあきらめることなく、着実に追い上げた。アメリカのアタックミス、ラマーレのアタックなどで16-13とした後、2本続けてアメリカのサーブレシーブが乱れる。16-15と1点差。この後、ラマーレのバックアタックミス、ノリエガのバックアタックで、アメリカが2連続ブレークで21-17とリードを広げた。しかし、カナダも、ソーシー、ラマーレのアタックですぐに2ブレーク返す。22-21からミッチェルがサンスを止めてついに同点。そして23-22アメリカリードから、デジレの連続アタックミスで、24-23と逆転。26-25カナダリードの場面で、レミューが交代で入ったウェストンのアタックを止めて、カナダが大逆転で27-25、第1セットをものにした。

第2セットも前半は、アメリカにブロックが多く出て、サンスのライト攻撃、ゼメイティスのクイックなどもあり、アメリカが15-9とリードを奪った。しかし、ここでノリエガのライトが195cmのロスに止められ、ゼメイティスの移動攻撃もアウトで2連続ブレーク、第1セットの悪夢が蘇ってくる。16-13からロスのブロック、ゼメイティスのアタックミスでまた2ブレーク、あっという間に16-15。さらに、17-16から、ケリーのアタック、さらにゼメイティスの速い攻撃をソーシーが2本続けて止めて3連続ブレーク、このセットも逆転。この後、23-21カナダリードから、ウェストンがサーブレシーブをミス、結局カナダの得点となりカナダにセットポイント。ラマーレのフェイントがミスとなり24-23となったものの、3度目のセットポイントはエースのケリーに持っていき決めた。

第3セット序盤は点を取ったり取られたりの展開。しかし、8-8カナダサーブから、ケリーが大当たり。ラマーレもアタックにサーブに続き、カナダが一気にリードを広げる。アメリカはアタックミスも多く、チャンスボールでのミスもあり、全く流れに乗れない。途中交代の11番ラウのサーブでアメリカを崩し、ノータッチエースも奪い、23-14までカナダのリードは広がった。しかし、この試合は簡単には終わらない。ここからアメリカが猛然と反撃。途中交代の7番ギャントのクイック、ノリエガのバックアタックをはさみ、ゼメイティスがサービスエース2本、都合4連続ブレーク。アメリカのドリブルでカナダが最初のマッチポイントを握ったものの、ミッチェルの移動攻撃を止めてなおも1ブレークを返す。24-21となったところで、最後の切り札ケリーに。そのケリーがバックアタックを決めて、試合終了。

両チームともサーブレシーブが不安定でミスも多いため、連続得点が多く荒っぽい展開となった。その中で、勝敗を分けたのは、チームの中心となって引っ張っていける選手がいるかいないかだと思われる。アメリカは第1,2セットとも中盤までリードしながら、若く経験のない選手ばかりのため、崩れたときに立て直しができなかった。それに対しカナダは、大きくリードされてもケリー、ソーシーの両ベテランエースが引っ張って粘り強く追いかけ、それにラマーレをはじめ若い選手がついていくことで逆転に成功した。

スタメンおよびサーブ順
アメリカ: 1 サンス → 10 ハーリー → 16 ノリエガ → 3 デジレ → 9 ゼメイティス → 8 タガロア
カナダ: 5 ソーシー → 8 ミッチェル → 2 ラマーレ → 9 ケリー → 10 ロス → 6 レミュー

       USA - CAN
         0 - 3
1st     25 - 27        27 min. 8-3 16-12 21-17
2nd     23 - 25        25 min. 8-6 16-12 19-21
3rd     21 - 25        24 min. 8-7 11-16 14-21
Total   69 - 77   1 h. 16 min.

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キューバ対ブラジル(準決勝)

因縁の対決、第1セット序盤は、ディアスのアタック、ロドリゲスのバックアタックで、ブラジルが3-1とリード。しかし、その後ディアスが2連続アタックミス、さらにディアスが2度続けてシャットされ、4連続ブレークでキューバがすぐに6-3と逆転。14-11キューバリードからベルのアタック、ソウザのトスミスで16-11、20-15からフランシアのバックアタックでさらに1ブレークを追加する。この後、イスキエルドのライト攻撃がミス、フェルナンデスのクイックを止めて、ブラジルが2ブレークを返すものの、反撃もそこまで。最後はシルバのサーブミスで25-21キューバ。

第2セット序盤は、コインブラのバックアタック、ロドリゲスのクイックなどが相次いでブロックにかかり、キューバが5-2とリード。しかし、フェルナンデスがライトからフェイントしたところミス、コインブラのアタックで、連続ブレークですぐに同点。この後中盤にかけては互いにブレークしたりされたりという展開になる。15-15から、イスキエルドのライト攻撃がミス、キューバにネットタッチと、キューバのミスで2連続ブレーク、17-15ブラジルリード。20-18ブラジルリードから、キューバのサーブレシーブがダイレクトでブラジルコートに返り、ブロックされて1ブレーク追加。このセットはそのまま25-22でブラジル。

第3セットは5-5、キューバサーブの場面から放送。7-6キューバリードから、ワレウスカ*のクイックがミス、つなぎのミスもあり、ブラジルのミスで2連続ブレーク、9-6。しかし、その次のプレーで、長いラリーの後ベルのアタックミスで9-7となってから、ブラジルに流れが傾く。ディアスとコインブラのアタックで小間切れに4ブレーク。ルイザのアタックミスで3点差までブラジルのリードが広がった。しかし、キューバはディアスを止めてまず1ブレーク。そして、20-19ブラジルリードから、コインブラがアタックラインを踏み越し同点。レゼンデ監督立ち上がり、タイムアウト。しかしその後も、ベルのサービスエース、ロドリゲスの移動攻撃がシャット、サーブレシーブの乱れから最後ルイザが決めた。結局2度のタイムアウトをはさみ、キューバが決定的な4連続ブレーク、23-20と逆転。最後はフランシアの速攻で25-21。
* この選手の名前はWalewska Oliveiraだが、No.18 Elisangela Oliveiraとの混同を避けるため、この選手だけファーストネームの「ワレウスカ」と表記することにする。「オリベイラ」と表記した場合は、特記なき限り、従来通りElisangelaを指す。

第4セットは、コインブラにアタックミスが相次いだり、ロドリゲスの移動攻撃、バロスのライト攻撃がシャットされるなど、序盤でキューバが8-3とリード。中盤には、アゲロがフェイントに強打にブロックに活躍、一人で3連続ブレーク。17-6までキューバのリードが広がった。しかし、ブラジルにも意地がある。大量リードにキューバの気もゆるんだか、後半はブラジルが猛烈に追い上げた。まずキューバのミス2本で2ブレーク、その後ディアスの2連続サービスエース。キューバも2ブレークで突き放し、24-16で最初のマッチポイントを迎えた。しかしブラジルは、それを逃れたシルバのサーブ順でキューバを崩す。まずサービスエース、オリベイラのバックアタック、ワレウスカのプッシュ、その後もサーブレシーブのミスがあり、マッチポイントで4連続ブレーク。さすがにキューバタイムアウト。その直後にベルのアタックが決まり、25-21でキューバ。

結局はキューバが猛烈な破壊力で勝ったという試合だった。ブラジルにはミスが目立った。しかし、この試合、ブラジルが本当に勝ちにきていたかどうかは疑問が残る。というのは、本当に結果がほしければ、ワレウスカでなくコンセイソンを入れたほうがどう見てもよいと思われるからだ。

スタメンおよびサーブ順
キューバ: 14 フェルナンデス → 4 イスキエルド → 8 ベル → 16 フランシア → 12 アゲロ → 1 ルイザ
ブラジル: 16 コインブラ → 9 ワレウスカ → 15 ソウザ → 10 ディアス → 11 ロドリゲス → 8 バロス

       CUB - BRA
         3 - 1
1st     25 - 21        22 min. 8-6 16-11 21-15
2nd     22 - 25        23 min. 7-8 15-16 18-21
3rd     25 - 21        22 min. 8-6 14-16 21-20
4th     25 - 21        23 min. 8-3 16- 6 21-13
Total   97 - 88   1 h. 30 min.

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中国対イタリア(準決勝)

第1セットは、出だしいきなり中国にアタックのミスやサーブレシーブのミスが続き、イタリアが4連続ブレーク、4-0。この後中国が少しずつ追い上げ、一時は10-10の同点とするものの、イタリアはすぐにピッチニーニのアタック、レッジェーリのサービスエースで突き放す。王麗那のサービスエースが出た後はしばらくサイドアウトが続く。20-18イタリアリードから、このセット2本目となるレッジェーリのサービスエース、王麗那のアタックミスで、イタリアが大きな2ブレーク。直後に王麗那がこちらもセット2本目のエースを決めるものの、最後はガラストリのクイックで、このセットはイタリアの25-21。

第2セットは開始直後にイタリアにアタックミス、サーブレシーブのミスが続き、中国が4連続ブレークで4-0と、第1セットを鏡に映したような展開。この後、諸韻頴のブロックなどで、12-6まで中国のリードが広がった。しかし、中盤にかけてはイタリアが少しずつ追い上げる。ピッチニーニ、トグットのアタック、中国のネットタッチで、合計4ブレークを返す。しかし、21-18から、李珊がセンターから打って貴重なブレーク。さらに、23-19の場面でイタリアのサーブレシーブが乱れ、呉咏梅が移動攻撃を決めてセットポイント。最後は王麗那のアタックで25-20中国。

第3セットは8-5イタリアリードで最初のテクニカルタイムアウト。邱愛華のバックアタックを止めてイタリアがもう1ブレーク追加する。しかし、その後は中国ペースになる。まず孫月のアタックで1ブレーク、11-9からイタリアにサーブレシーブのミス、アタックミスがあり、2連続ブレークで同点。この後もイタリアにサーブレシーブが乱れたり、アタックがミスしたりする場面が相次ぎ、中国が18-14とリードする。21-17からは、リニエーリがフェイントとアタックを続けてミス、気落ちしたところをサーブで狙われエース、3連続ブレークで一気にセットポイント。最後は孫月のフェイントで25-18中国。

第4セット序盤は、2〜3点ずつ点数が動きながら差は付かない展開となった。しかし、8-7中国リードから、ロビアンコがトスミス、チャンスボールを孫月が決めて中国がこのセット初めて2点リード。中盤15-12中国リードの場面から、ピッチニーニ、リニエーリとアタックミスが続き、中国が2ブレーク。20-15からトグットをシャット、イタリアのサーブレシーブが乱れて最後邱愛華がライトから決めて、さらにトグットのアタックミス、3連続ブレークで勝負を決めた。このセットは25-17で中国。

結局のところ、ミスの多少が勝敗を分けただろうか、という印象である。イタリアは特に、アタックミスの多さが目立った。
中国のバレーには特に変化はなく、これまでのコンビバレーをより完成させる方向だと思う。それに対し、イタリアはこの試合、センターの速攻ももちろんあるものの、大型のアタッカーにライトから打たせる場面が多かった。バックアタックも多用しており、よりスケールの大きいバレーを目指しているという印象を受ける。イタリア女子の強化が進んだ背景として、ブラジルと類似の点が多いけれども、バレースタイルとしてもブラジルのバレーを指向しているのかもしれない。なお、イタリアはこの試合セッターロビアンコで通し、カッチャトーリは出場がなかった。

スタメンおよびサーブ順
中国: 11 孫月 → 6 李珊 → 12 邱愛華 → 15 王麗那 → 5 呉咏梅 → 4 諸韻頴
イタリア: 14 ロビアンコ → 2 リニエーリ → 4 レッジェーリ → 3 トグット → 12 ピッチニーニ → 9 ガラストリ

       CHN - ITA
         3 - 1
1st     22 - 25        24 min. 5-8 14-16 18-21
2nd     25 - 20        23 min. 8-4 16-10 21-18
3rd     25 - 18        22 min. 5-8 16-13 21-17
4th     25 - 17        25 min. 8-7 16-12 21-15
Total   97 - 80   1 h. 34 min.

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ロシア対カナダ(5-6位決定戦)

この対戦、本来の力からいえば差は歴然としている。しかし、ロシアは全く不本意、一方カナダは大健闘の決定戦進出であり、このモチベーションの差が試合にどう影響するかは計り知れない。
第1セット序盤、ゴディナのアタックで2ブレーク、ベリコワのクイックで7-3とロシアリード。しかし、中盤にかけて、カナダはケリーがアタックで2ブレーク、ロシアにサーブミスも何本かあり、なかなか差が広がらない。16-12の場面から、ロスにホールディング、ソコロワのアタックでロシアが2ブレーク、6点リード。23-18までサイドアウトが続き、このままこのセットは順当に終わるのかと思われたところだった。まずケリーのアタックと14番ルキウの移動攻撃で2ブレーク、さらに、ロシアのサーブレシーブが乱れ、結果としてベリコワがアタックミス、ゴディナがライトから打ったところシャット。4連続ブレークで1点差となった。この連続ブレークは、ラマーレに代えて投入した13番Guenetteのサーブ順で、ルキウもロスと途中交代出場、2人の選手交代がいずれも当たって生まれたものだった。しかし、そのGuenetteがサーブミス。さらに、セットポイントでカナダにトスミスがあり、チャンスボールをゴディナが決めた。25-22と、予想外の僅差でロシア。

第2セットは開始直後にケリーのアタックで1ブレーク、ロスがソコロワの速攻を止める。8-5とカナダリードで最初のテクニカルタイムアウト。この後13-12カナダリードから、ソコロワとゴディナがロスを止め返し、ラマーレのバックアタックミス、ソコロワのアタックで、ロシアが3連続ブレーク、15-13と逆転。しかし、この日のカナダはこれであきらめない。ソーシーのアタックですぐに同点。さらに、ソーシーのアタック、ケリーがゴディナを止めて19-17とカナダがまた逆転。しかしロシアは、ミッチェルのブロードをシャットしてまず1ブレーク。さらに、21-21からラマーレのライト攻撃をシャットして先行。カナダはタイムアウトをとるものの、その次のプレーでもネットタッチ、さらにサーブレシーブの乱れがあり、ケリーに打たせたところソコロワにシャットされた。結局ロシアが3連続ブレーク。終盤の逆転で、このセットもロシアが25-22で何とかとった。

第3セットも序盤、ケリーのアタックとティーシェンコのブロードのミスでカナダが2ブレーク、リードを奪う。この後しばらくはカナダが2点ほどのリードを保つ。13-11からケリーがプロチニコワを襲うサービスエース。15-12から、ソコロワのアタックミス、ミッチェルがノータッチとモロゾワを襲うエース、カナダが3連続ブレーク。20-15から、ソーシーにもサービスエース。さらにラマーレがガモワを止めて、2ブレーク追加。最後も連続2ブレーク。終盤は怒濤の勢いで、25-16というとんでもないスコアでカナダがセットを奪ってしまった。このセットはゴディナに代わりガモワがずっと出場していたが、威力もうまさもまだまだで、特にセット後半はほとんどアタックが決まらなかった。

第4セットは序盤、ケリーをシャット、ゴディナのフェイント、ラマーレのバックアタックミスで、ロシアが8-5とリード。そして、ここにいたってようやくカナダのサイドアタッカーを捕まえることに成功する。ソーシーのライト攻撃を止めてさらに1ブレーク、11-7からはケリーとラマーレを止めて3連続ブレーク。この後終盤には、ゴディナのバックアタック、ソコロワのフェイントとサービスエースでブレークなど、このセットは終始ロシアの一方的展開。最後はケリーを止めて、25-13でロシア。

第4セットこそ一方的な展開になった。また、この試合、ガモワを1セット使い続けたり、プロチニコワ、サカシアン、チェベニヒナを交代で出すなど、ロシアは明らかに控え選手のテストに出ていた。しかし、それを差し引いても、この日の(第3セットまでの)カナダはえらく強いというのが正直な実感だった。ケリー・ソーシー・ラマーレのサイドアタッカーは大健闘、守りやつなぎの変なミスも少なかった。観戦記では終盤のミスでカナダがセットを落としたような記述になっているけれども、それまでのカナダはそれ以前につまらないミスが出るチームで、20点過ぎまで(メンバー落ちだろうが何だろうが)ロシアと競り合っていること自体格段の進歩である。試合内容としては前日のアメリカ戦よりもずっと上で、この内容なら日本にも勝てるだろう。
ロシアは、力と高さにまかせればつぶせる相手と、甘く見ていたところがあったのではないか。高いブロックが高さのないケリー・ソーシーの両エースに逆に利用され、ブロックアウトをとられる場面が非常に多かった。それが第3セットまで大苦戦を強いられた要因となった。

スタメンおよびサーブ順
ロシア: 5 ソコロワ → 10 バシレフスカヤ → 9 ティーシェンコ → 6 ゴディナ → 2 モロゾワ → 3 ベリコワ
カナダ: 6 レミュー → 5 ソーシー → 8 ミッチェル → 2 ラマーレ → 9 ケリー → 10 ロス

       RUS - CAN
         3 - 1
1st     25 - 22        25 min. 8-4 16-12 21-15
2nd     25 - 22        23 min. 5-8 16-15 20-21
3rd     16 - 25        20 min. 6-8 12-16 15-21
4th     25 - 13        19 min. 8-5 16- 8 21-11
Total   91 - 82   1 h. 27 min.

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ブラジル対イタリア(3-4位決定戦)

第1セット序盤、ブラジルにはサーブレシーブの乱れが多く、結果としてディアス・オリベイラ・コインブラと、次々アタックやフェイントをミス。5-1とイタリアリード。この後、ブラジルはディアスのサービスエース・オリベイラのバックアタックなどで追い上げ、イタリアのアタックミスもあり、一時は同点となる。しかし、12-11イタリアリード、レッジェーリのサーブ順で、ディアスがアタックラインを踏み越したところからブラジルが崩れる。ピッチニーニのフェイントの後サービスエース、この後もサーブレシーブが乱れコインブラの無理なアタックがいずれもシャットされ、オリベイラのライトアタックもミス、さらにノータッチエース。7連続ブレークで、このセットは一方的展開となった。最後もディアスのアタックミス、リニエーリのアタックによる2連続ブレークで、このセットは25-16イタリア。

第2セットは立ち上がり、バロスのサービスエース、リニエーリのアタックミス、シルバのアタックで、ブラジルが3連続ブレーク。しかし、このセットも前半はブラジルにサーブレシーブの乱れが多く、イタリアに逆転を許す。一時は12-9イタリアリードとなる。しかし、ここからブラジルが追い上げる。この試合はセンターに入ったサングラードがピッチニーニをブロック、ディアスのアタックで、同点となる。16-16からトグットがバックアタックのタイミングが合わず、ブラジル先行。21-20からトグットがアタックラインを踏み越して、ついにブラジル2点リード。最後はワレウスカのサービスエースで、25-22ブラジル。

放送は第3セット全部と第4セット中盤まで切られ、第4セット16-10イタリアリードの場面から。ディアスのアタック、トグットのバックアタックミスで、ブラジルが少しずつ追い上げる。しかし、21-17から、ディアスがサーブレシーブをミス、チャンスボールをトグットが決めてイタリアが突き放す。23-18からイタリアにブロック。最後はピッチニーニが決めて25-20。

最終セット、4-3イタリアリードの場面で、長いラリーとなったが最後ピッチニーニのフェイントが決まる。8-6イタリアリードから、リニエーリのバックアタック、さらにレッジェーリのフェイントは微妙な判定となるもブラジルにワンタッチあり。10-6となる。この後、リニエーリのアタックミス、ディアスのアタックでブラジルが2ブレークを返す。12-11の場面で、ピッチニーニのアタックをめぐりまたも判定、ブラジルにワンタッチあり。さらに、判定に抗議したレゼンデ監督が退場。波乱含みの展開となる。しかし、この中断が勢いのあったイタリアにはマイナスだったか。この後ディアスのアタックで、14-13とブラジルが一気に逆転する。その次のプレーでもイタリアのアタックを拾うものの、レシーブしたボールはダイレクトでイタリアコートに返りブロックされ、歴史的激闘に突入した。さらにバロスのアタックミスでイタリアが先行。しかしブラジルはここで踏みとどまり、20-20からバロスのアタックで再び先行。しかし、イタリアはリニエーリのアタックですぐに22-21と先行する。次のプレーでもリニエーリにボールがつながる場面があったが、ブラジルはシャットしてかろうじて逃れる。しかし、20点以降の攻防を見ると、イタリアのロビアンコがセンター線の速攻で冷静に切っていたのに対し、ブラジルのソウザはサイドアタッカーにボールが集中していた。28-27から、ついに最後の頼みのディアスがシャットされ、試合終了。
しかしこの最終セット、ブラジルの12点目がどうやって入ったか全く不明なのである。アナウンサーも解説者も一言も触れていない。レゼンデ監督退場で相当長い中断のあった前は、13-11のはずである。しかし再開後、次のプレーでディアスのアタックが決まったらなぜか13-13。この1点がなければ15-13で終わっていたのだから、ここがはっきりしないのは重大である。

最終セットの攻防でも記したけれども、ブラジルはこの大会を通して、センターが攻撃に絡む場面が少なく、特にコンセイソン以外が前衛の場面ではそれが極度に少なくなった。(コンセイソンが前衛の場面では逆に、コンセイソンのAクイックばかり続けることが多かった。)このままでは、かなりブロックにつきやすいと思われる。このあたりがワールドグランプリや大陸選手権を通じてどう改善されたかが一つの焦点である。
一方のイタリアは、準決勝の感想にも書いたとおり、組織力という基礎を固めた上で、よりスケールの大きい攻撃的なバレーを指向している。この2試合を通じて、ロビアンコのトス回しはまだカッチャトーリに及ばないと感じられた場面は何度かあったものの、攻撃力の強化に努めた成果が早くも出た。

スタメンおよびサーブ順
ブラジル: 15 ソウザ → 10 ディアス → 9 ワレウスカ → 16 コインブラ → 13 サングラード → 8 バロス
イタリア: 14 ロビアンコ → 2 リニエーリ → 4 レッジェーリ → 3 トグット → 12 ピッチニーニ → 9 ガラストリ

       BRA - ITA
         2 - 3
1st     16 - 25       22 min. 6-8 11-16 15-21
2nd     25 - 22       22 min. 6-8 15-16 21-20
3rd     25 - 17       21 min.  -    -     -
4th     20 - 25       25 min.  -  10-16 17-21
5th     27 - 29       32 min. 3-5  6-10  9-12
Total  113 - 118  2 h. 2 min.

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キューバ対中国(決勝)

痛恨の決勝戦寝ブッチ!

第1セットをほとんど寝過ごしてしまった。放送によると、序盤キューバがよいスタートを切ったものの、中国は中盤離されないようについていき、終盤に逆転したようである。

第2セットの出だしも第1セット終盤の勢いのまま、中国が3-0とリード。この後しばらくはだいたいこの差のまま進むけれども、11-9の場面から、ホールディング、 ネットタッチと、キューバのミスで中国が2ブレーク、13-9とした。しかし、そこからはキューバのペースになる。ベルのサービスエース、アゲロがスタンディングで強烈なアタックをたたきつけ、すぐに2ブレーク。14-13からルイザのダイレクトスパイクで同点。18-18から、ベルのアタックでまず2ブレーク。中国のタイムアウトの後も勢いが止まらず、サンチェス、フランシアのアタック、中国にサーブレシーブのミスも出て、都合6連続ブレークで24-18となった。そしてこの場面で、実にいまいましい事態が発生した。
サンチェスがスパイクを打った後センターラインを越えて着地、ブロックに構えていた孫月の膝にまともに激突した。孫月はその場に倒れ込み、即負傷退場。
このセットはこの後、中国のサーブミスで25-19で終わった。

非常事態発生の中国は、3番の李文を王麗那のポジションに入れて、王麗那を孫月のポジションに回して、第3セットに臨んだ。第3セット序盤、フェルナンデスのアタックで2ブレーク、中国にはサーブレシーブのミスやつなぎのミスなどちぐはぐな場面もあり、キューバが8-3とリード。中盤にかけては2点ずつ両チームに点が入る展開となる。17-11から、フェルナンデスのライトアタック、フランシアのサービスエースで2ブレーク。この後、アゲロにもサービスエース、李文が2度止められるなどでさらに差が広がり、25-16キューバ。

第4セットの中国は、なかなか決まらなかった李文を下げて、邱愛華をレフトに、李珊をセッター対角に回すという極めて変則の布陣。そして、ローテーションを半分ずらして、スタートの前衛にアタッカー3人を配し、何とかスタートで食らいつこうという戦法に出た。しかし、アタックミスやサーブレシーブのミスが続き、シャットされる場面もあり、キューバが8-3と序盤からリード。特に、邱愛華を慣れないレフトに回したのが最悪で、ことごとくミスになるかシャットされた。結局邱愛華に代えて李文を戻した。しかし、戻したとたんシャットされる。アゲロのライトアタックもあり、キューバが3連続ブレーク、19-11までリードが広がる。中国はやることなすこと全てうまくいかない。最後はフランシアの速攻で25-17キューバ。圧勝で優勝を決めた。

試合内容について、あえてコメントするとすれば、中国は慣れないポジションで選手を使って傷口をかえって広げたという印象である。

孫月は左ひざ靱帯裂傷という重傷。この2ヶ月後のワールドグランプリまで欠場、復帰最初の大会のアジア選手権でも、あまりにも不調で殷茵と何度も交代するような状態だった。
今シーズン、ロシアのチームではアルタモノワが一時抜けて、攻撃の中心がゴディナ・ソコロワに移ってしまった。全日本では佐々木がなかなか満足なスパイクが打てず、満永に至ってはそもそもセッターがトスをほとんど回さない。それほど大きなけがでなくても、短期間に戻るのは難しいということである。ましてこれだけ大けがで戦列を離れていた期間が長いとなれば、復活には相当の時間が必要だろう。
中国だけでなく、アジア全体、何より日本にとって、何とも痛恨の大アクシデント!

       CUB - CHN
         3 - 1
1st     23 - 25        23 min.  -    -     -
2nd     25 - 19        22 min. 5-8 16-15 21-18
3rd     25 - 16        19 min. 8-3 16-10 21-13
4th     25 - 17        21 min. 8-3 16-11 21-15
Total   98 - 77   1 h. 25 min.

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