'05-06 Eurpoean Champions' League Women (Natalya Mammadova Special)

アゼルの大砲ママドワが凄すぎる。

あの神懸かっていたバーバラのシドニー五輪予選に迫る勢いで打ちまくっている。しかもバーバラの五輪予選の時は、そもそももつれた試合が続いた上相手チームのミスが概して少なく、つまり(相手ミスを除く)チーム総得点自体が極端に多い。フルセットで相手ミスによる得点わずか7などという試合もあった。相手ミスを除くチーム得点に対する比率を見ると、下の計算の通りで、今回ママドワのほうが大幅に高いのだ!
Barbara Natalya
 00OQT   05ECL
 18/45   47/78
 20/57   36/84
 28/63   32/69
 36/79   32/58
 33/88   30/59
 44/96   28/77
 46/78   19/36
225/506 224/461
 =44.5%  =48.6%
ママドワと違い目立たないけれども、今回のBakuにはもう一つ極端な特徴がある。リベロのKorotenkoがチームのサーブレシーブの3分の2を1人で受けているらしいのだ。このようなことが物理的に可能なのだろうか。ECLの集計はイタリアやブラジルほど信頼性はないので、すぐには信じられないけれども、トルコやクロアチアでの試合(Bakuにとってはアウェー戦)でもほぼ変わらない数字なので、たぶん事実なのだろう。だとしたら大昔のエアリービーズやオーキスに使った以下の台詞の復活である。
「ほかの5人、何やってんだ」


Classification

+-----------+----+----+----+----+----+----+----+----+-----+----+-----+---+----+-----+
|           |PG  |VG  |Baku|Kali|Tene|Zag |Game|    |Score|    |     |Set|    |     |
+-----------+----+----+----+----+----+----+----+----+-----+----+-----+---+----+-----+
|           |    |    |    |    |    |    |Won |Lost|Won  |Lost|Ratio|Won|Lost|Ratio|
+-----------+----+----+----+----+----+----+----+----+-----+----+-----+---+----+-----+
|Perugia    |----|O3-0|X2-3|O3-0|O3-0|O3-0|6   |1   |559  |432 |1.294|20 |3   |6.667|
|           |----|    |    |    |O3-0|O3-0|    |    |     |    |     |   |    |     |
+-----------+----+----+----+----+----+----+----+----+-----+----+-----+---+----+-----+
|Vakif-Gunes|X0-3|----|O3-2|X2-3|O3-2|O3-0|5   |2   |659  |601 |1.097|17 |12  |1.417|
|           |    |----|    |O3-2|    |O3-0|    |    |     |    |     |   |    |     |
+-----------+----+----+----+----+----+----+----+----+-----+----+-----+---+----+-----+
|Baku       |O3-2|X2-3|----|O3-1|O3-1|O3-1|5   |2   |645  |646 |0.998|17 |13  |1.308|
|           |    |    |----|O3-2|X0-3|    |    |    |     |    |     |   |    |     |
+-----------+----+----+----+----+----+----+----+----+-----+----+-----+---+----+-----+
|Kalisz     |X0-3|O3-2|X1-3|----|O3-1|O3-0|3   |4   |614  |655 |0.937|14 |15  |0.933|
|           |    |X2-3|X2-3|----|    |    |    |    |     |    |     |   |    |     |
+-----------+----+----+----+----+----+----+----+----+-----+----+-----+---+----+-----+
|Tenerife   |X0-3|X2-3|X1-3|X1-3|----|O3-0|2   |5   |565  |577 |0.979|10 |15  |0.667|
|           |X0-3|    |O3-0|    |----|    |    |    |     |    |     |   |    |     |
+-----------+----+----+----+----+----+----+----+----+-----+----+-----+---+----+-----+
|Zagreb     |X0-3|X0-3|X1-3|X0-3|X0-3|----|0   |7   |421  |552 |0.763|1  |21  |0.048|
|           |X0-3|X0-3|    |    |    |----|    |    |     |    |     |   |    |     |
+-----------+----+----+----+----+----+----+----+----+-----+----+-----+---+----+-----+


第1節(10/18)

今シーズンの欧州CLは10月第3週にスタートである。B組は、Perugia, Tenerife, Baku, Vakif-Gunesのどれかがプレーオフに進出できないという激戦区である。
この週の注目の試合、Baku対Vakif-Gunesの一戦は、激戦のフルセットでVakif-Gunesが勝った。昨シーズンの欧州CLでも圧倒的に打ちまくっていたママドワは、いきなりアタック52%(44/85)、47得点という歴史的な猛打を見せた。それでも勝利にはつながらなかった。Vakif-Gunesでは、Tatiana dos Santosという選手が、アタック決定率54%(21/39)合計22得点と目立っている。ネスリハンは24得点を上げたものの、有効得点は+7と、あまりよくなかったようである。

残り2試合は比較的順当な結果となった。TenerifeはZagrebに、PerugiaはKaliszに、いずれもストレートで勝っている。Perugiaでは、フランシアとゼトバの2枚の大砲がいずれも高いアタック決定率である。今シーズンTenerifeに移籍したde Carneは、アタック決定率56%(20/36)22得点と開幕早々破壊力を見せつけている。

Baku 2-3 Vakif-Gunes (17-25, 27-25, 28-30, 25-19, 10-15)
Perugia 3-0 Kalisz (25-23, 25-14, 25-16)
Zagreb 0-3 Tenerife (26-28, 18-25, 21-25)

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第2節(10/26)

この週は最大級の波乱が発生した。この激戦区でも一頭抜けた実力と思われるPerugiaを、Bakuがフルセットの末破った。それも、セットカウント1-2とPerugiaリード、最終セットでも8-11Perugiaリードという場面から逆転だったようだ。アタック決定率こそ42%(30/71)止まりだったものの、前節に引き続きママドワが打ちまくり、36得点をマークしている。Perugiaはどうしたことか、本来のリベロのArcangeliが出場せずMorelliという選手が代役のリベロとなった。しかし、サーブレシーブがやはり落ち着かずサーブレシーブミス(直接失点)10点を被弾した。このあたりが大番狂わせの要因となったようだ。

Vakif-Gunes対Tenerifeの試合はフルセット、しかも第3セットは39-37までもつれる大激戦の末、Vakif-Gunesが勝利。2試合続けて熱戦をものにして、ただ1チームの2連勝のスタートとした。de Carneが実に36得点でサービスエース8発、ネスリハンも28得点サービスエース7発と応戦。両チームともアタック決定率が極端に高く、さらに、サービスエース17本ずつを量産。とんでもなく派手な打ち合いになった。長いデュースのあった試合だからサイドアウトの割合が多くブレークは少なくなりそうだが、この試合はそうではない。歴史的な大乱戦になった。
KaliszはZagrebをストレートで破っている。リクトラスがスタメンではなくそれ以外にも選手交代が多く、手探りのような感じながら、きちんと結果はものにしている。

Vakif-Gunes 3-2 Tenerife (25-14, 25-22, 37-39, 20-25, 15-12)
Kalisz 3-0 Zagreb (29-27, 25-21, 25-15)
Baku 3-2 Perugia (14-25, 25-22, 21-25, 25-17, 15-13)

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第3節(11/2)

前節に引き続き、この週も大きな波乱が発生した。今回の主役はポーランドのKaliszである。アウェーにもかかわらず、セットカウント3-1でTenerifeに勝利。この試合ではKaliszのサーブが走りに走っており、チームのサービスエースは合計13本。Baranskaが一人でサービスエース7本、アタック・ブロックとあわせた得点も29という活躍だった。
Bakuは最下位のZagreb相手に、第2セットまで苦戦しながらセットカウント3-1で振り切った。Zagrebのブロックは15本、そのうちママドワを止めたのが10本で、絶対的エースがブロックにつかまったのがBakuの苦戦の要因だろう。それでもママドワは打たなければならない。この試合もアタック27・ブロック3・サーブ2の合計32点でチームの勝利の原動力になっている。
Perugia対Vakif-Gunesは、この時点での1位と2位の対戦だが、あっけなくPerugiaが完勝。シュヴェニヴィチとフランシアの両レフトが快調に得点を重ねる一方、ネスリハンを決定率33%(12/36)と押さえ込んだ。B組はわずか3試合で全勝チームがなくなり、4チームが2勝1敗でトップに並ぶという恐ろしい混戦となった。

Perugia 3-0 Vakif-Gunes (25-14, 25-21, 25-20)
Zagreb 1-3 Baku (25-20, 23-25, 18-25, 21-25)
Tenerife 1-3 Kalisz (26-24, 24-26, 18-25, 21-25)

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第4節(11/30)

3週間の中断のあと再開だが、大混戦のB組についてはここからリーグ戦開始という気分である。

B組の行方を決める重要な試合の一つ、Vakif-Gunes対Kaliszの対戦は、フルセットでKaliszが勝った。最終セットには、なにがしかVakif-Gunesに不利になる微妙な判定があったようである。ネスリハンがアタック決定率63%(27/43)29点と打ちまくったが、アタックミス8サーブミス6とミスも極端に多く、競り合いでこれが致命傷になったかもしれない。Kaliszでは、Wozniakowskaという選手がアタック51%(20/39)24得点と目立っている。また、この試合もKaliszの武器のサーブはエース13本とよく走った。
Baku対Tenerifeの対戦は、Bakuがセットカウント3-1で勝ち、3連勝としている。Tenerifeは、センターのゴルボビッチが第2セット途中で負傷退場するというアクシデントに見舞われた。この試合前から星勘定が苦しいところに泣きっ面に蜂である。それにもかかわらず第3セットは一方的に奪ったのだが、第4セットは簡単にBakuが奪い返した。この対戦はママドワ対de Carneのスーパーエース対決でもあるが、ママドワが32点12ブレーク有効得点+20、de Carneが24点9ブレーク有効得点+9で、個人成績としてもママドワの勝ち。
Perugiaは最下位のZagrebを3セットわずか43失点で倒した。Bakuに負けたときはどうなることかと思ったが、2試合続けての圧勝で、本来の強さに戻ったと見てよさそうだ。

完全に「ママドワしか打ってこない」Bakuが1敗をキープしているのも驚きだが、Kaliszがここまでトップグループ並走とは全く予想ができなかった。この組は、ZagrebとKaliszは早々と脱落だろうと思っていた。Perugia, Tenerife, Vakif-Gunes, Bakuの4チームの争いでどこか1チームがプレーオフ進出できずに落ちるという予想だった。(ただし、その4チームのいずれかがホーム開催権を獲得すれば、それ以外の3チームが全てプレーオフ進出となる)
一方、Tenerifeはプレーオフ進出が黄信号から赤信号に変わりつつある。スーパーエースのde Carneはともかくとして、レフト線が上位のチームに比べるとまともに機能していない。(ならBakuはどうなっているのか、というつっこみはなし)片方はカザフのパブロワで、もう一方はDoganjicという全く知らない選手である。
セリエA2またはイタリア以外の大陸カップ戦出場レベルチーム→セリエA1中堅〜下位またはイタリア以外のECL出場レベル→セリエのビッグチームまたはECL優勝争いレベル(= Cannes, Tenerife)
12/11にこの段落を訂正)アジアのアタッカー(もちろん中国は別として)が欧州に渡るとすると、これくらいの段階を踏まなければならないと思われるところ、パブロワは昨シーズン「3階級特進」でいきなり屈指の強豪Tenerife移籍だった。(高橋は2番目からスタート)昨シーズンのTenerifeは、今シーズンと比べてもむしろ絶対的なエースは不在で、パブロワはそのチームにあって攻守とも中心的な存在だった。欧州のレベルの高いカップ戦で力をつけたことが、アジア選手権2位というカザフ代表の躍進にもつながった。しかし、今シーズンはうまくいっていないようだ。

Vakif-Gunes 2-3 Kalisz (22-25, 23-25, 25-17, 25-18, 13-15)
Baku 3-1 Tenerife (25-23, 25-20, 10-25, 25-17)
Perugia 3-0 Zagreb (25- 9, 25-16, 25-18)

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第5節(12/8)

この週はKalisz対Bakuという対戦が行われた。記録的な興味ももちろんあるけれども、ここまで1敗のチームの対戦であり、今回欧州CL全体の行方という観点でも極めて重要な試合である。試合はセットカウント3-1でBakuが勝っている。ママドワはここまで最も少ない(!)30点、ブロックされるあるいはミスのアタックも多く、あまりよくなかったようだ。しかし、他の選手の決定率は60%を超えている。もう少しほかの選手に打たせればいいのに。
この試合、Kaliszのほうがとにかくミスを連発。サーブミス20、スパイクミス16、ミス失点が合計37で、Bakuにみすみす勝ちをくれてやってしまった。Kaliszは、サービスエースも10本奪いながら、この試合ではミスの多さがあだとなった。
なぜかBakuの試合は相手ミスによる得点が多い傾向がある。この試合は、相手ミスの得点が普通だったとしたら、8点くらいママドワの得点が増えただろう計算である。相手ミスを除く得点は、前節のTenerife戦が58、この試合が59で、3-1の勝ちとは思えない。ごく平均的なストレート勝ちの試合の数字である。
この試合には悪い形で敗れたKaliszだが、エースのBaranskaはかなり気になる存在である。プロフィールによると178cm、欧州ではこのレベルで170台のエースなどもはや極めて少ないけれども、この試合でも20得点、5試合でチーム最多の93得点をたたき出している。サービスエースは5試合で18本と、脅威の破壊力があるようだ。

Vakif-Gunesはここまで全敗のZagrebに順当にストレート勝ち、3勝2敗の3位で折り返した。ネスリハンは23得点、アタック決定率は15/35と今ひとつながら、サービスエース6発、23点中ブレークが14と破壊力を見せている。
PerugiaはTenerifeにストレートで勝った。Perugiaは首位をがっちりと守り、一方Tenerifeは4連敗でプレーオフ進出が絶望となりつつある。Perugiaではシュヴェニヴィチが絶好調で、ゼトバも復調の様子である。Tenerifeのde Carneは24得点うちサービスエース5発と相変わらず打っているが、結果にはつながらなかった。
現行ルールでは、最多得点の基準はおよそ1試合平均20点である。de Carneもネスリハンもそれを大幅に超えているけれども、ママドワより1試合あたり10点少ない。

相手のミス乱発にもかかわらず、ママドワは、前半5試合177得点で折り返している。先頭にも書いたとおり、シドニー五輪予選のバーバラは、第3戦から最終戦まで5試合合計187得点である。あのときのバーバラの記録と当たり前に並んでいるという時点で恐ろしすぎる。30点以上を5試合連続とは、公式記録ではおそらく世界のどこにも前例がないだろう。(シドニー五輪予選のバーバラは、第3戦まではいずれも30点には届かなかった。その3試合は全てストレート決着だから当然といえば当然だったのだが)ほかにまともに打てる選手がいないチーム、そしてPerugiaを別格としても力の接近したチームがそろうという極めてまれな条件がそろったために、このような記録が生まれている。(しかし、前半戦ではそのPerugiaにも勝ったのだ!)もちろん、欧州トップクラスのクラブがそろった激戦区で、一人でひたすら打ちまくって勝ち続けるのだから、ママドワの力は半端ではない。もはや欧州最強のエースの一人と見て間違いはなさそうだ。
Bakuはアゼル代表チームとほぼ一体であり、シーズン途中での選手増強もやりそうにない。つまり、大きなアクシデントがなければこの状況は後半戦も続く。ここまで5試合の記録を見ていると、30得点は最低ラインという感覚に陥るが、それをこの後の試合でも期待できるのだ。点数を稼げない試合があるとすれば、まずアウェーのPerugia戦、順当ならストレート負けの危険が高い。逆にホームゲームとなるZagreb戦も、点数を稼ぐ暇もなく勝ってしまう可能性はある。
これで勝てなければはっきり言ってどうしようもないというかチームの体をなしていないけれども、4連勝でPerugiaについている。'95ワールドカップあたりの絶頂時のクロアチアか第5回Vリーグのエアリービーズが帰ってきたようだ。

異常な高水準の最多得点レース(まるでバーバラ対アルの時代のVリーグのようだ)、Korotenkoのとんでもないサーブレシーブ受数に加え、記録の観点ではもう一つ異常事態が発生している。サービスエースの本数である。ここまで5試合のトップ3は、ネスリハン19, Baranska 18, de Carne 16本である。1選手のサーブ打数は、平均すれば1セットあたり4本程度、したがって、この3選手の数字は得点率で20%かそれ以上という高さである。一人が独走ならまだしも(かつてのアゲロとか最近ではゾイラバロス)、このレベルで3人が並ぶのは通常は考えられない。
ここから推測されるのは、どうやらサーブレシーブに問題のあるチームが多いらしいということである。そのためにエースに打数が集中せざるを得ず、副産物として得点も増えているようだ。

Zagreb 0-3 Vakif-Gunes (21-25, 23-25, 15-25)
Tenerife 0-3 Perugia (30-32, 14-25, 21-25)
Kalisz 1-3 Baku (18-25, 25-21, 22-25, 18-25)

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第6節(12/15)

今週からリーグ後半戦開始だが、欧州CLは不思議なことに、前半戦と後半戦では対戦順が全く逆順になる。前週とこの週、全て同じ対戦カードが2試合続くことになる。

当然ながらこの週もBaku対Kaliszが最も重要な対戦である。Bakuがフルセットの激戦の末Kaliszを振り切り、5連勝で依然Perugiaについて行っている。しかしながら、もつれたフルセットの試合にもかかわらず、ママドワの得点はここまでで最も少ない28点止まり。この試合のBakuは、これまでになくセンター線の打数が増え、決定率も50%以上と高くなっている。センター・ライトを使える場面では使ったほうが決定率が上がるのは当たり前のことで、ここまでの5試合があまりにも異常だったわけである。ましてこれまでひたすらママドワに打たせまくったのだから、相手はセンター・ライトをマークしていないだろう。Kaliszは、先週の試合ほどひどくなかったとはいえこの試合もミス失点は合計37、やはりミスの多さは致命的となっている。
これで、ママドワは6試合205得点である。数字の上では、まさかバーバラの伝説を超えてしまうのだろうか。ずっと比較対象にしているバーバラのシドニー五輪予選、大会通算では7試合225得点である。いや数字だけではないだろう。全く映像は見ていないから試合のレベルはどうなのかわからないけれども、欧州CLで、一人で打ちまくって勝ち続けているのだから、これも十分伝説になるだろう。

PerugiaはTenerifeに順当にストレートで勝っている。Tenerifeはこの試合、Melean Alvarezという選手からラマスにセッターを変更してけれども、結果は出ていない。de Carneも18得点アタック決定率37%と非常に苦しいけれども、パブロワが第2戦以降目を覆いたくなるような不振が続いている。それでもパブロワに代えて出せる選手などいない。
Vakif-GunesはZagrebをストレートで粉砕して3位をキープしている。ネスリハンの21/33をはじめとして、チーム全体でアタック決定率66%という猛攻だった。

Vakif-Gunes 3-0 Zagreb (25-19, 25-15, 25-15)
Perugia 3-0 Tenerife (25-18, 25-21, 25-22)
Baku 3-2 Kalisz (24-26, 25-15, 23-25, 25-19, 17-15)

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第7節(12/21)

この週の最も重要な試合は、Kalisz対Vakif-Gunesである。この試合、ネスリハンの猛打が爆発した。ミス7本、ブロックされたものが5本と相変わらず多いものの、56打数29決定。サービスエースとブロックも3本ずつで合計35得点に達した。試合はフルセットにもつれたものの、Vakif-Gunesが振り切った。KaliszではBaranskaが25得点、アタック22/42でFaultがわずか4本という活躍で応戦したものの、及ばなかった。Vakif-Gunesはプレーオフ進出をほぼ確定的にする勝利、一方Kaliszは大きく後退した。ここ3試合ほどは、ママドワ以上にネスリハンが目立っている。アタック決定率もこの2試合は高い数字を出している。

Tenerifeは、直前の国内リーグでもライバルのlas Palmasに負けるなど、極めて悪い状況に思われた。一方、Bakuは競り合いをしのぎにしのいで5連勝。対照的な状況の両チームの対戦だった。しかし、ふたを開けてみれば、3セットわずか48点でTenerifeがBakuに対してよもやの一方的なストレート勝ち。チーム全体のアタック決定率が58%と、Tenerife本来の攻撃力がようやく発揮された。サーブで狙われて崩れていたパブロワも、サーブレシーブのミス失点なしで持ちこたえた。一方、当然これではママドワの得点も増えているわけはなく、19得点である。しかし逆に言えば、こんな試合ですら19得点である。というわけで、同じ7試合では、シドニー五輪予選のバーバラが225点、今回ママドワは224点で、1点だけ少ない計算である。次の比較の対象は、バンブー時代のアルタモノワ(21試合611点)になりそうだ。
序盤4試合ほどに比べると、ママドワの勢いは明らかに落ちているように思われるため、ここで1週間クリスマス休暇となるのは、ちょうどよいかもしれない。ママドワは昨シーズンもこのチームの絶対的エースだったけれども、これほど極端ではなかった。バーバラの神懸かりの猛打に迫るなど考えられなかった。絶対的な打数という観点でも相手のマークの厳しさという観点でも、ママドワにかかる負担は昨シーズンとは比べものにならないだろう。この1週間はきっちりと休んで、次のZagreb戦から猛打復活としてほしい。

Perugiaは最下位のZagreb相手に問題なくストレートで勝っている。絶対的エースのフランシアを第1セットですぐに下げてしまい、di Iulioという選手(リベロでの出場が多い守備的選手)を代わりに出したけれども、それでも楽勝である。

Bakuは一方的に負けてしまったけれども、この週でこのグループはかなり先が見えてきた。Perugiaが1位通過、2位と3位がVakif-GunesとBakuになることはほぼ確定的と思われる。この先最大の焦点は、Vakif-GunesとBakuのどちらが2位で通過するかである。プレーオフにおいては、両グループの2位チームが対戦となっている。しかし、決勝トーナメントの開催地チームは自動的にベスト4進出となり、プレーオフは免除される。そのため、今大会のトップ3チーム、Bergamo, Perugia, Cannesのいずれかがホーム開催権を獲得した場合(この確率は極めて高いと考えている)、このグループを2位で通過すれば、プレーオフでは優勝候補との対戦はなく、las PalmasあるいはUralochkaあたりとの互角の対戦となる。3位通過の場合は、BergamoまたはCannesどちらかとの対戦となり、とうてい勝ち目はない。そのため、2位と3位通過では天と地の差となりうる。これは、どうやら最終週の直接対決で決まることになりそうである。

Kalisz 2-3 Vakif-Gunes (25-22, 22-25, 25-23, 14-25, 13-15)
Tenerife 3-0 Baku (25-19, 25-14, 25-15)
Zagreb 0-3 Perugia (19-25, 13-25, 23-25)

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