2005年10月

 
10月1日、ポードベローロードの骨董市を見る。道の左右に屋台がつらなり、祭りのような感じ。そこのひとつにつながっていたブルドッグに臭いをかがれる。

 その後、ブロンテ姉妹の住んでいたハワースへむかう。

 
 ハワースへむかう保存鉄道の機関車。柵の隙間から抜けてきた羊たちの妨害で、ときに通過待ちの停車をする。

  
 ハワースの町中。駅にむかって傾斜した坂道の左右に店や家が立ち並んでいる。
 日本人の観光客も多く、インフォメーションに日本人(たぶん)スタッフがいた。

 
 ハワースのお触りOKの猫さま。ハワースは猫が多かった。


 1日夜の食事。ハワースのフィッシュ&チップス。代表的なイギリス料理。イングリッシュブレックファーストと同じように味付けのない、ただ揚げただけの大きな白身魚とポテト、煮ただけの豆。これに自分で、それほど酸っぱくないモルトビネガーをダバダバとかけ、塩と胡椒で味つけして食う。ここでは、タルタルソースがついていた。
 芋や魚の素材がうまいので、なかなかいける。これで一人前だが、日本なら数人でシェアする居酒屋の大皿料理である。値段も大皿料理なみ。
 イギリスは一般的に夜が早い。ほとんどの店が5時で終わってしまう。夕飯はこのレストランなどと考えて行ってみると、5時で終わっていたりするので、なかなか油断できない。特に田舎町は食べるところも少なく、9時くらいまでやっているパプでの食事が多くなる。
 少し都会だと、マクドナルドとピザハットが必ずある。値段は日本と同じくらい。味はややちがう。チップスはうまいが、肉は臭みがある。どちらも素材の問題。


 いろいろとハプニングはあったが、極めつけはこのハワースの宿の夜だった。いつものように歩き疲れて九時に就寝したあとのことだった。布団に入って数分した時、突如、隣の部屋で、若い男女が夜の営みに突入したのであった。
 オーマイゴッド! 
 壁が薄く、まる聞こえである。いや、床も薄いので、おそらく建物全体に、この行為が知れ渡っているのではないかと思われる。「こんな宿でよくやる。認めたくないものだな、若さゆえの過ちを」と驚いた次に、外人なので喘ぎ声が「オゥ」であることに、なるほどと関心した。――のもつかの間、私はすぐに強い不安にさいなまれることになった。
 ベッドが、異常にきしむのである。通常ならばスプリングのきしむキシキシであるが、隣室から聞こえるそれは、ギシギシを通り越してギコギコに近い。どうやら、ベッドの足が左右にこすれながら強くきしんでいるのである。なおかつ、こちらのベッドまで、その振動がポルターガイスト現象のように伝って来ているではないか!
 ギコギコの次にバキッ! という足の折れる音が響くのではないかと、私はいてもたってもいられなくなった。
 ベッドが壊れれば、おそらくその勢いでこの安宿の薄い床が抜け下の二階へ、そして一気に一階へと落ちる可能性がある。ハワースの坂の斜面にある町である。とすれば、男女を乗せたベッドごと駅へむかって、坂を滑り落ちてゆく可能性もなきにしもあらずだ。
 やばい。やめろ! 即刻、行為を中止しろ。さもなければ、駅にむかって痴態を晒すことになるぞ、おまえら!
 しかし私は、彼らに注意をうながすとっさの英語が頭に浮かばなかった。えーと、この場合は「ドント、ムーブ」でいいのかなー? ああ、もっとちゃんと英会話を勉強しておくのだったと悔やんでも後の祭り。
   だがしかし、私の祈りが神に通じたのか、ほんの5分ほどで無事、唐突に終焉をむかえたのであった。(早やっ!)
 ちなみに同居人のRはすでに熟睡し、まったく気づいていなかった。


 2日。ハワースの朝飯。◇4。ツインで70ポンド。風呂付き。


 3日。ヨークの朝飯。◇3。ふたりで54ポンド。塩と胡椒ではなく、ブラウンソースをかけるという技を覚える。


 ヨークのカッスルミュージアムの庭で鴨(?)に餌。


 ヨークで、アフタヌーンティ。ひとりぶんだが、食い切るのはなかなかの量である。
これに紅茶ふたり分と、スコーンを頼んで19ポンド25ペンス。

10月4日。予定より一時間遅れの14時に出発した飛行機が、12時間後、5日の朝10時の日本につく。睡魔に負けて少し仮眠を取ったものの、シンデレラマン、バットマン・ビキンズ、コンスタンティン、ファンタスティック・フォー、を見る。コンスタンティンが僕好みで大変おもしろかった。主人公が中指を立てながらあがってゆくシーンが最高。
 こうして無事に帰国。あー、やれやれ。

 10月2日に、下記メールが届いていた。

『このごろ昔見た夢をよく思い出しますその夢は、自分は階段を降りて下の階に行く途中ふと玄関のほうを見ると青白い顔をした人間がドアにべったりと張り付いているという夢です。当の昔に忘れたはずに夢を今思い出すのも変だ、そう思って投稿してみました。いったいなんなのでしょうか教えてもらえると助かりますお願いします。なんだか厭な予感がするのでなるべく早くお願いします。それでは。名前=ゾラ』

 ゾラさんへ。
 現在、残念ながら妖怪情報は受け付けておりません。
 でも、そう悪いものではないように思います。最近、同じ夢を見たことを忘れている可能性があるかもしれません。夢は、目覚めると脳内物質によって消されてしまう性質がありますので。
 この夢、現在の生活になにか不安を感じていることが、夢となっているように思えます。すでに問題は解決しているかもしれませんが、まず自分に自信を持ちましょう。次に「実際に問題が発生してから悩めばいい」と開きなおりましょう。それが、邪鬼を近づけさせないコツです。
 
  9日(日)
 すずきあきらさんの家へ行って、前回と同じメーバーで「カタン」をやる。
 JURAの代表が四連勝のひとり勝ち。

19日
 仕事場の敷金と残金の分配のため、吉祥寺にメンバーで集まる。飲みに誘われたが、ぶぶかでラーメンを食べて帰る。

21日
 おばさんの見舞いで母の家へゆく。鍋を食う。

22日
 おばさんの家から帰る。

25日
 今まで書いた部分を捨てて、新しいのを書き出す。タイトル未定。

26日
 小部屋(もとトイレだった部屋)を仕事部屋にし、古いパソコンを起動させる。なかなか快適である。冬は温かくていいが、夏は暑そうな予感。