漫画版と原作との比較
この作品は、原作である「影武者徳川家康」(新潮文庫)の上・中・下の3作のうち、上巻の415Pまでを描いたものである。
ちなみに、上巻は544Pあるのでほぼ75%が描かれているという計算になる。
※ちなみに、花の慶次の原作『一夢庵風流記は全部で553P
作中の文章は、かなりの部分を原作からそのまま引用しているのも特徴的である。
そして、原作ではあまり量を割かれていないエピソードを重要視して書いているところがあります(伊奈事件が代表例)
大まかな原作とコミックが重なりあう部分の区分け。
原作 | コミック版 |
7〜36P | 序章を除く1巻全て |
37〜71P | 2巻 |
72〜101P | 3巻美しき危険!及び将器を持つ女! |
101P〜187P | 主に、二郎三郎の生立ちや弥八郎と共に行動した一揆時代のエピソードなど。 一部が「序説」・4巻の「伊賀越え涙の帰参!」に描かれている。 |
188P〜208P | 3巻「大津入城!」から三巻の残り全部 |
208P〜224P | 4巻の「伊賀越え涙の帰参!」以外。 |
224P〜243P | 5巻最初から「戦宣布告!」まで |
245P〜284P | 左近・三成主従のエピソード。6巻「無言の別れ!」「大阪城潜入!」はこれを大幅に削った内容 |
285P〜289P | 5巻「阿茶の局!」 |
289P〜299P | 6巻「天井の刺客!」 |
299P〜301P | 6巻「届かぬ手紙!」の序盤。 |
302P〜327P | ウィリアム=アダムスのエピソード。コミックには記述なし。 |
328P〜347P | 井伊直政が影武者を暗殺しようとするエピソード。こちらも記述なし。 |
348P〜375P | 6巻「眠れる獅子立つ!」二郎三郎と弥八郎とのやりとり。 |
376P〜392P | 6巻「眠れる獅子立つ!」飛助と六郎のやりとり、及び家康に仕える六郎。 |
393P〜415P | 6巻「お万の方懐妊!」「生涯の盟友!」 |
追加されたエピソード
コミック版の場所 | 内容 |
2巻「勝利の美酒!」の本多忠勝が 家康を埋葬した場面 |
一人、家康の亡骸を埋葬する忠勝。そこで、忠勝は自由になろうとしていた 二郎三郎を引きとめ、家康になりつづけるよう頼む。 |
3巻「危険な侵入者!」のおふうがらみの話 | おふうが、侵入しすり・門奈から風魔の秘術を用いて家康が女をみつけたか どうかを調査。 |
3巻「果たせなかった約束!」〜「大津城騒乱!」 のお梶の方の暴れっぷり全部。 |
見張りを眠らせ、馬屋の馬を暴れさせて騒動を起こし、家康に会うも 本人じゃないことに気がつき騒ぎまくった。 あと、太田家のエピソードも全て原先生が挿入されたもの。 |
3〜4巻の柳生宗矩の行動 及び、秀忠による福島正則への仲裁 |
家康の埋葬された場所を暴き、秀忠に首を献上したこと。 独断で、伊奈昭綱の部下5名の首を福島正則に差し出したこと。 |
6巻・秀頼が釣りをする場面 | 淀君が会おうとしないので、別の場所に目をやると秀頼が。 そこで、二郎三郎は秀頼に釣りをさせる。 |
6巻・「届かぬ手紙!」 | 故郷へ帰ろうとしたすりが、秀忠の手によって殺される。 |
原先生が追加されたエピソードの中では、特に柳生関連が多いです。原作では、この段階でほとんど名前が出てきていない
というのに、原先生の手にかかると、とにかく暴れまわっています。
(やはり、アクション要素が欲しかったのでしょうか?)