影武者徳川家康作品紹介

94〜95年の間に週刊少年ジャンプで連載されていた作品。
(単行本の奥付によると、一巻の初版が1994年の7月9日・最終巻の初版が1995年の7月9日となっています)

隆慶一郎氏の「影武者徳川家康(新潮文庫)」を少年漫画にアレンジした内容となっていますが、
全六巻では、さすがに「一夢庵風流記(花の慶次の原作)」三冊分のボリュームがある原作を書ききれるわけがなく、
文庫版の上巻ぐらいしか描かれていません。
なので、ストーリーが気になる方は原作を最期まで読む必要があります。

そもそも、この作品が書かれた理由は、隆慶一郎氏が関ヶ原の合戦について書かれた資料の中に、
明かに不自然な記述があり、「家康は暗殺されたのではないか?」と思ったことに端を発しています。
そして、徳川家康は死亡し、世良田二郎三郎が徳川家康として指揮をしたという説をベースに話は進んでいきます。
その中で、家康の三男で後継者とされていた秀忠が親孝行の仮面をはずし、影武者を始末しようと動き出したりします…。

話自体は、長島一向一揆(二郎三郎の紹介の意味合いが強い導入部分)→関ヶ原の合戦→大津入城→山科の関所における伊奈騒動
→石田三成首実検→大阪城入城→六条河原にて三成斬首→伏見入城→江戸の火事→島左近と盟友の約束をする。
という流れです。歴史上では短い年月しか経過してませんが、大きくうねりをあげた時期でもあります。


各巻解説(タイトルの横に書かれているのは、話の内容を端的に書いたものです)

第一巻「家康死す!?」
(1994年7月9日第1刷発行・定価:本体379円+税・ISBN4−08−871813−5)

序説・影との出会い:長島一向一揆における二郎三郎と本多弥八郎正信の奮闘・二郎三郎の大事な人おせきの死。
天下人の代償!:二郎三郎が影武者になったエピソード・長男信康を思う家康・家康の陣に潜り込む六郎。
家康死す!?:六郎が影武者と本物の家康を見分け斬りかかる
家康の遺命!:家康、二郎三郎に後を託す。
本陣動く:二郎三郎、家康として指揮をすることを決意し、陣を前に動かす。
忠勝の涙:六郎によって本多忠勝に家康が死んだことを伝えられる。二郎三郎と対面して忠勝は士気が下がらぬよう家康の骸を打つ。

第二巻「大博打!」
(1994年9月7日第1刷発行、定価:本体379円+税、ISBN4−08−871814−3)

強運をくれ!:忠勝の強運のエピソード・六郎と左近の出会いのエピソード
内府討ち死にの報!:六郎が味方から敵と間違われ鉄砲で撃たれるも、左近の元に辿りつき、「内府討ち死に」を伝える
破滅の美徳!:家康暗殺を三成に報告するも、三成は「余計なことを」の一言で片付ける。そこには三成の潔癖な性格が出ていた。
三成の誤算!:各武将に広がる動揺を抑えるために、二郎三郎はさらに前に進む。
矢・弾丸の中の決意!:黒田長政が、家康が生きているかどうか確認しに来るが、二郎三郎の叫びで迷いが吹っ切れる
関白への夢!:動かない小早川秀秋。その理由は三成から言われていた関白という地位の約束であった。
大博打!:家康&二郎三郎と小早川秀秋とのやりとり。
小早川動く!:ついに松尾山に鉄砲を放った二郎三郎。それで小早川も家康は生きていると判断し、大谷軍に突っ込む…。
勝利の美酒:左近の討死(?)、忠勝が家康の亡骸を埋める。

第三巻「美しき危険!」
(1994年11月9日第1刷発行、定価:本体379+税、ISBN4−08−871815−1)

美しき危険!:
将器を持つ女!:
危険な侵入者!:
大津入城!:
守れなかった約束!:
ふたつの夢!:
大津城騒乱!:
愛の衣を再び!:
費えかけた野望!:

第四巻 「暴かれた素性!」
(1995年2月8日第1刷発行、定価:本体379+税、ISBN4−08−87816−X)

草津会議!:
伊奈事件!:
味酒と忠臣!:
伊賀越…涙の帰参!:
意外なる真相!:
影の恩情…!:
五つの首!:
決死の嘆願!:
伊奈事件の幕切れ!:

第五巻「 敗残の将・三成!」
(1995年5月16日第1刷発行、定価:本体379+税、ISBN4−08−871817−8)

三成 その大いなる災い!:
許されざる者たち!:
宣戦布告!:
六人の側妾!:
阿茶の局!:
お梶の決断!:
生きていた猛将!:
冥府からの生還!:

第六巻「 無言の別れ!」
(1995年7月9日第1刷発行、定価本体388+税、ISBN4−08−871840−2)

大坂城潜入!:
天井の刺客!:
届かぬ手紙!:
眠れる獅子 立つ!:
暗殺者…!?:
お万の方懐妊!:
生涯の盟友!:

スペシャル対談
隆慶一郎の世界 (静岡大学教授、小和田哲男氏との対談。小和田氏は様々な歴史関係の著書を書いている方です)

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