「小春日和」 (2001年10月10日作成)





11月から12月上旬にかけて季節は晩秋から初冬へと移り変わっていきます。

日本海側ではしぐれ、太平洋側では木枯らしの季節です。

気温は下がり、雨や風も冷たく感じるようになります。




ところがこの時期にまるで春のようにポカポカと暖かく、風も穏やかな日が訪れることがあります。

このような日を「小春日和」 と呼んでいます。




小春とはどういう意味なのでしょうか?

実は、小春とは旧暦10月の別称で今の暦では11月から12月上旬にあたります。

そこでこの頃の暖かさの戻りを「小春日和」 と言うのです。




「小春日和」 は、しぐれや木枯らしの裏返しにあたります。

晩秋の頃、大陸には寒気がたまるようになり、一定の周期で日本付近に流れ込んできます。

この寒気の影響で低気圧は発達し、西高東低の冬型気圧配置を天気図上に作り出します。

日本海側ではしぐれ、太平洋側では木枯らしとなります。

しかし、この頃の西高東低は長続きしません。

西高東低が崩れ、移動性高気圧が大陸からやってきます。

日本付近が移動性高気圧におおわれると、暖かく穏やかな晴天、つまり「小春日和」 となるのです。

「小春日和」 の後は、また低気圧が発達し、西高東低の冬型に逆戻りします。

「小春日和」 自体は好ましい気象現象なのですが、その両隣には厳冬の象徴である西高東低の冬型気圧配置がひそんでいることをしっかり覚えておきましょう。




晩秋から初冬へ変わるこの頃の季節は、「小春日和」 と西高東低の冬型気圧配置が同居することが特徴であり、以下のような注意点があります。


@「小春日和」 の後には次の低気圧がやって来て、冷たいミゾレを降らせたり、西高東低を作り出します。 ミゾレは体温を奪いやすく、防寒対策が不足していたり、体の疲労がたまっていたりすると、最悪の場合、疲労凍死をまねきます。

A「小春日和」 と言えども「秋の日はつるべ落し」です。昼間の時間は極端に短くなります。 東京の場合ですと、夏至頃の昼間の時間は14時間35分ですが、11月下旬ではおよそ10時間となり、4時間以上も昼間の時間が短くなります。 行動時間が短くなっていることを意識しておきましょう。





晩秋から初冬にかけて現れるつかの間の穏やかな晴天が「小春日和」 です。

厳しい冬を目前に控え、季節からのささやかなプレゼントなのでしょうか。






(おしまい)






作成者; あら川しゅう一
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Last modified: 2001/11/16