相棒のひとりごと
農園の項で栽培歴などと気負いすぎたことを言ってしまい、今になってシマッタと後悔しております。 これらの栽培法は、店頭でこの道の専門家の著書も見かけるので、早々に前言を撤回することにします。 そこで、家族からもそんなバカなことをとソッポを向かれてはおりますが、 これら田舎ぐらしの好き勝手な行動のなかにも、意外な産物や成果に自己満足(なかには失敗談も) しているいくつかのことを、誰かに聞いて貰いたくなりました。 園主の相棒 子牛くん(ミニバックホー)が聞かされている? 『アイボーのひとりごと』と笑ってください。
番外、著作権について
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セシウム基準値:2012.04.01
 3月30日の新聞紙上、岩手県の川で採取した川魚から1kg当たり100ベクレルを越える セシュムが検出され県はイワナ、ヤマメ、ウグイについてこの川での遊魚券の販売を4月から自粛する よう各漁協に要請したという。これまで500ベクレルだった食品基準値が4月T日から100ベクレル に改定される。岩手よりは福島寄りの宮城県の当地、道の駅村田の物産産直センターでも 野菜類の出荷に当たっては、購入いただくお客様への安全安心のため、事前にこれら出荷野菜の放射線検査を 行うことを義務ずけることになった。  ただ、この検査に当たっては、検査に要する当該野菜の重量1kg、さらにこの検査結果が出るまでには少なく とも1週間(結果的には検査当日結果判明、ただし検査は週1回)は必要だという。山菜の旬はあっという間、検査に必要なサンプル採取調達から検査機関に持ち込み 結果を待つ間 山菜の旬は待っては呉れまい、これから収穫期を迎える「いなかるちゃー農園」沢ワサビ、行者ニンニク、 タラノ芽、シドケ、山ウド、ウルイ、オオナルコユリ等々も検査結果待ち このやるせない思いはどこにぶっつければ よいのだろうか。

トラクター横転:2010.5
 やっちゃいました。慣れは禁物ですねぇ〜改めて実感しました。春先から育てていた 胡瓜やトマト苗などの定植用にと、車庫の片隅に鎮座するトラクターを久し振りに引っ張り出し さして広くもない菜園用にと空けておいた畑の耕耘作業に取り掛かった。トラクターの図体の 割には耕すより回転に要する方が多い畑、少しでも未耕地を残すまいと無理をしたのが失敗だった。 注意はしてたものの 畑と竹林との境界側溝にづるづるとトラクターごと横転、弾みで左足を機械と 土手に挟まれてしまい、空いている右足で重たい機械本体を有りっ丈の力で踏ん張ったのがいけなかった。 何とか足は抜け出せたものの 腰に鈍痛が残り、この数週間咳をしたり不意の動作に激痛が走り やむなく 外科医院を数軒梯子する羽目になった。結果的には第3腰椎の損傷で圧迫骨折(?)という診断 回復には期間を要するとの医師の談 目下痛み止め薬 湿布剤とコルセットを装着 気長に回復をと思っては いるが、この時期やることが一杯あるんだよなぁ〜。
 
野生との化かし合い:2009.2
 フキノトウも顔を出し春間近と思っていた1月も末、霙交じりの冬に逆戻りしたような寒さ、さらに 追い打ちをかけるようにイノシシの大群(親子10数頭)が出没、わが農園を散々蹴散らして虎の子の 山野菜畑壊滅状態。かくして野生動物との化かし合いはついに完敗ということになり こんな片田舎にも不況の 風が吹き込んで来ました。
 失ったものは戻っては来ませんが、せめて何頭か仕留めて獅子鍋でうっぷんを晴らしたいと思ってます  −そのときになりましたら一声かけますのでー。
 猟友の仕掛けた罠に、意外な小動物タヌキが掛かりました。 これまでも食べ頃になるトウモロコシ等をくすねていたのは分かっていましたが今回の化かしあいは この対象外 ゜とんだ とばっちり゜と言わんばかりの恨めしそうな目を向けられました。 そんな訳で獅子鍋はも少し先になりそうです。
 可愛そうに、勝手な親の本能で産み落とされ 生きるための里山への獣道、仕掛けられた罠にうっかり瓜坊2頭引ッかかりました。ボタン鍋には いささか気がひけますが、いずれ分け前が・・・と。ー友人ブログへの投稿からー
みち草近状に反響:2008.04.02
大変ですね(^_^;)   農作業も順調に進んだのに、やり直しでは大変ですね(^_^;) 動物の宝庫のようですが、今まで何もなかったのに、突然では 面喰いますよね。  どこか近くで開発が進んでいるようなことは、ないんでしょうかね。 動物が見れるの楽しいですが、畑荒らしは困りものです。 でも、どこかで何かが変化しているんでしょうね。
Re: kagさんメール有難うございます。ほんとに大変なんですよ。 今度はイノシシの団体に攻撃されました。 蔵王との町境付近でハンターがイノシシを獲ったとの情報はあったのですが、 最近わが家のすぐ近くの林野に深さ30cmほどの穴が無数にあって、 まさか山芋掘り?と不思議に思っていましたら いよいよヤラレマシタ。 地下のミミズでも食してるのか(掘り残しの自然薯かも?)500uものアイコやウド畑の株を蹴散 らせて、片っ端からの穴を空けられてます。林地と隣接わが家は最初の被害 これから下界(里の方)へ被害が及ぶのではと案じております。 しばらくは これら野生動物たちとの化かし合いが続きそうです。
自然への同化:2007.7
 自家農園で山菜の栽培をといろいろ手を尽くして来たのだが、 大抵の山菜はこちらの意図に添ってそれなりに増殖しており  村田町物産交流センターの産直コーナーで旬の山菜として 認知されつつあるのだが、依然として私の手に負えない山のアスパラ「シオデ」 がある。自生している株を見つけ種の成熟を待って採種し 他の品目 同様大事に冷蔵処理して育苗箱に播種しその様子を見ているのだが、 「播かぬ種は生えぬ」とは言うが蒔いた種も芽が出ない現実もある。 (* は種後数年 一夏一冬経過しないと地上発芽しない、さらに雌雄異株の植物で一度乾かしたタネは発芽しない) バイオで短期育苗との情報もあるが、まだまだ未知なることの多い自然界だ。 そこで、農園での栽培はひとまずお預けとして、以前根株を掘り取り 採種用に移植してある樹陰地の一角で、自然に逆らわず増殖して見よう との発想に切り替え、その周辺地の刈り払いや有機質肥料を施した 生育環境に整備して、自然に落下する種の発芽や生育状況を長い 目で観察しながらその後を楽しむこととした。
幻との遭遇:2007.6
 種を蒔いてから、10年も経たないと食卓に登場しない幻の『山菜』オオナルコユリ、奥山でアイコや ボンナを採りに出かけ、偶然にその『幻』に遭遇することがあって、それらを採取してコツコツと株分け、 やっと今年は出荷するまでにこぎつけ逸に入っております。  ところで、この六月久しぶりに連れ合いと裏磐梯を訪れた。帰路道路沿いの杉林 とある茂みに分け 入り山野草のマイズルソウやフタリシズカを見つけ数株採取させてもらった。 ふと辺りを見回すと農園で撫育中で見覚えのある逸品 10数年は経たであろうオオナルコユリ、 それもあちこち目について思わず舞い上がっての歓声に 少し離れていた連れ合いを何ごとかと驚かせた。 いやーある所にはまだあるもんですねぇ〜。当然翌週も車を飛ばして・・・あとはご想像にお任せします。
無用の長物活用:2006.06
 かつての暖房として一世を風靡した火鉢も電気や灯油の暖房スト− ブに置き換わってから大分久しい 。当時は冬季の必需品で部屋のイ ンテリヤとしてもまた贈答や記念品の定番であり名のある製造元や 侘びさびの凝った装飾の大小さまざまな火鉢が行き場を失い物置の片 隅に肩身も狭く鎮座していて いろいろ使い道を思案していたのだが、 孫達が泥んこになっての体験田植えの様子を話しているのを聞き、 稲の成長過程を見せてやる器にどうかと思いをめぐらせた。 そこで登場したのが多少ひびの入った小さな火鉢。 これに土をいれ田植えの済んだ余った苗を分けてもらい水を張った土壌 に数本植えつけて生育状況を観察させることにした。なおついでに 少し大きめの火鉢の底にドリルで穴を開け植木鉢として活用 これには ツルウメモドキの挿し木苗を植えいつの日か庭先での鑑賞をと思っている。
○山菜の王様ナルコユリ:2005.06
   立ち寄った山形の道の駅で、幻の山菜オオナルコユリを見つけた。店頭にある鉢植株全て買い求めることにした。 意外なことに品名表示はアマドコロとなっていたが同じユリ科でもあり鑑賞用としての販売なので問題はないのだが、 山菜通の間では知る人ぞ知る逸品 おせっかいだとは思ったが表示の生産者に品名表示をナルコユリとしたほうが 良いのではと電話を入れ、ついでに生育自然環境を見せて貰いたい旨申し入れOKを取り付けた。 翌々日山形自動車道を飛ばし西川インターで降り112号線の西方 山あいのARAK夫妻を訪ねた。 初対面であったがそこは同好のよしみ山菜談義に花が咲き、自慢の自生地を案内してもらい写真に収めることができた。 数年前 新潟の山アスパラ“link 田舎の味“さんちから嫁入りした(分けて貰った)親株から採種し育苗中の植え付け 圃場を整えなくてはとの思惑もあっての訪問だったが、思わぬ歓待とご夫妻とも意気投合 またの再会を約して帰路に着いた。
○ゆず果汁の保存:2004.12
 わが家の庭に聳え立つ柚子の古木に今年もたくさんの実がついた。 結実後風にもまれたらしく表皮がまばらに褐色したものが多いので物産センターへの出荷は諦め収穫もしないでいたら、ここに来て日に日に黄金色の実が目立つようになって来た。やっと重い腰をあげ高枝バサミで実を取り込んで近所隣りに配ったりもしたが、そんなことでは捌ききれない量 そこでしまい込んでいた手製の絞り器を引っ張り出し表皮の部と絞り汁、タネとに分離して夫々用途に合わせ手を加え保存することにした。 表皮の部は砂糖漬にまたタネは化粧水(某JAゆず工場のローション製法に抵触?興味のある方メールにお答えします)に柚子果汁は醤油やめんつゆ等と混ぜ合わせ柚子ぽん酢として自家消費することにした。しかし毎年保存に失敗しその大半は捨てる役目を担っている妻から「製氷皿で凍らせて冷凍保存し使う量(個数)だけ取り出し料理にそえたらどうかなぁ・・・」とのひとことに「? ! ? 」早速今年は試めしてみることにした。
○今が旬 :2004.4.末
 いつもの年より暖かな日が続きこの地の桜前線も足早に過ぎ去った。山野菜類には一雨欲しいと思っていたら4月も半ばを過ぎたというのに、低気圧の影響とかで冷たいみぞれ交じりの雨、この影響でわが町のある地域では地すべりの恐れありと集落の一部に避難指示が出るという事態に、このところの気ままな天気 誰に当たるわけでもないがどうしたんでしょうかねぇ〜。
 この雨でやっと顔をのぞかせあたりを覗っていた木の芽や沢ワサビ、シドケ、アイコ、クレソン等の山菜が一斉に丈を伸ばして、しばらく開店休業だったわが山菜コーナー 物産センターへの出荷も大忙しだし、またこの時期恒例となった道の駅旬の山菜“マーケッテングリサーチ?”や新緑の“カメラウオッチング”も気になるし当分は体の休まる暇の無い日が続きそうだ。
○自然界の悪戯 :2003.11.22
 春先の暖かさから一転東北地方を襲った夏の低温と長雨、今年こそはと そろそろホビー感覚から一廉のプロ気取りの自然薯栽培、いつもの年なら乾燥防止やら灌水作業におおわらわの夏、 その手も省け地下で生育する薯にとってはさぞや育ちも良かろうとわくわくしながら収穫期を迎えたのだったが、意に反して掘れども掘れども細長くしかも湾曲したり渦巻いたりの自然薯、このまま放置しておくわけにも行かず連日むなしさだけ残る肉体労働で つくづく天を仰ぎ自然界の恵みに見離された悲哀を味わされている。  
○灯台下暗し :2002.7.10
 山のアスパラ シオデの情報を求めてこの道のベテランの方々に教えを乞うていたところ、やっとのことで近くの山野で 自生しているものを見つけたとの連絡を貰った。そこで今年の結実を待って採種したいことを告げ観察を続けてもらうことにした。 幸運は続くものでわが家周辺の雑草刈り払いをしていたら、目の前の藪の中に見覚えのあるアスパラに似た先端が 親指ほどもあるシオデらしき山草があるではないか。山菜図鑑シオデのページをさんざんめくっていたので 間違いはなさそうだ。こうなったら草刈どころではない 除草機のエンジンを止め辺りを見回したら 2メートル程に蔓を伸ばし雑草に絡みついたもう一本見つけることができた。周りの草を丁寧に刈り取り 目印の支柱を立てこれも秋の結実を待つことにした。これで目標としていた山菜の目録は全て揃ったことになる。 次の課題、もうそんなに若くもないし 如何に早く栽培に結びつけることが出来るかが問題だ。
○山菜レパートリーが広がった :2002.5.24
 このところ一度に釣りやらゴルフ 山菜採りとお誘いがかかり嬉しい悲鳴だ。どれにも参加したいところだが今回だけは雪解け間もない 奥山の山菜採りに惹かれ、他の誘いは断って蔵王山系の標高5〜600mはあるだろうか、落石のため通行止との看板から 約4Km程登った道沿い ブナやトチの木に覆われた湿地帯にネマガリ竹やボンナ(ヨブスマソウ)が、また岩場の風穴地にはアイコ(ミヤマイラクサ) が一面に群生している。低地ではとっくに旬を過ぎたこれら山菜が一斉に今を盛りと生い茂る様は圧巻だ。リュックに程良く採取し ての一服タイムに山菜図鑑を覗き込んでいたら、同行の達人が足元の植物を指差して、本には山クラゲと載ってないがこれもイワダラ という山菜だ と教えられ、改めて旅館等で出されるあの歯ごたえのある漬物が ヤマブキショウマまたはクサダラともいうことが分かった。  山菜を採る楽しみを十分味わったと同時にそれぞれの植生も観察することができたし、ボンナとヤマブキショマの根株を数株持ち帰えり、 周りの山野に植栽してみることにした。いつの日か遠い奥山に出かけなくてもこれら山菜が わが里山で採れるようになればとの想い、 山菜を作る楽しみにまたレパートリーが広がり心楽しくなってきた。
○自然薯を家庭菜園で :2002.3.末
 手抜きで自然薯の栽培 再び登場です。せっかくキャリング(切り薯種苗)した催芽種芋もグレーバーパイプ の本数に限度があって、残った種芋を自家用として利用いろいろ試しております。ホームページをご覧の方から 種苗の入手、栽培法の質問も頂戴しているので、家庭菜園にはこんな方法で楽しまれてはと紹介してみます。  ホームセンター等で市販されている長さ90cmの塩化ビニル波トタンを準備し、土盛りを波板が20〜 25°程度になるよう均して敷き、底辺から2/3程度には無肥料の山土等を盛りその上30〜40cmに 有機肥料や園芸用の肥料を施した用土をのせる。この位置に催芽させた種芋の発芽点が垂直に成長したとき に波板に当たるよう10cm位の間隔に伏せ込む。頂部波板外側には蔓をはわせる支柱、さらに敷きわらや枯れ 草等を覆う。蔓や茎葉の成長具合によって追肥や夏分乾燥するようなら灌水してやる。10月の末には塩化 ビニル1枚あたり5〜6本の自然薯が波板に添って育ち自家産のとろろ飯にありつけるはずです。
○雑草との戦い
 このところの梅雨空、数日かけ農園周辺の雑草の刈り払いを一通り終える頃には、始めの辺りは もう雑草が伸び出している。ちょっとした晴れ間を利用し農園内の雑草抜きも専らの日課。 大雑把な性格の園主には細かなことが大の苦手、この作業が延々と続くかと思うと気が遠くなりそうだ。 汗の滴るまぶたにはビール瓶の冷えた水滴が浮かびビール・ビールと呪文を唱えながらの手作業だ。  昨日も涼しいうちにと5時(と勘違い)起床、エンジン音も高らかに生産調整田の雑草刈り払いを行った。 が どうも様子がおかしい いつもの新聞少年の姿も、近所の家のカーテンも開く気配がない。 草刈機の燃料タンクも空になったので戻って時計を見たら、なんのことはない時間を間違え 1時間も早く爆音を轟かせたのだった。あとで会った近所の奥さんに安眠妨害を謝っておいたが、 何とも気恥ずかしいものだ。
01.6.28
○とっておきなひととき :00.12.31

 ひょんなことで精肉店のオーナーと意気投合した。そこで思い立って師走も押し迫った27日、 忙しい時間帯だったが無理を承知で、あれこれ注文を言ってスペアリブと三枚肉をまずゲットした。
スペアリブは参考書を見ながら調合した自家製のピックル液に、ペーコン用の三枚肉は塩をすり込み一晩 寝かせた翌日、庭先から集めたハーブや市販のスパイスを混ぜた前述の液に漬けて数日なじませることにした。 折角久しぶりに取り組むのだったらと欲を出し、さらに仙台の朝市まで出かけいろいろ物色、結局サーモン と生タコを加えて温薫スモークに挑戦することになった。 肝心のスモーカーはかっての勤務先でお古になったキャビネットを貰い受けたものに適当に手を加えた代物。  運よく巡り合わせる新しい Cenculy これまたかねてより準備していた酒草 からはな草で仕込んだうま酒を飲 みながら、 年の始めには芳醇で超 贅沢なひとときを過ごそうと思っている。

○からはな草 本草酒 : 00.10.11

 諸国ドブロク宝典に記載されていた、からはな草が目立つ季節となった。その気になって辺りを見回すと 周辺の山野のいたるところ藪や灌木にまとわりつくように、あの純白な松かさ状の実がたわわにぶら下がっている。 まさにビールの苦みホップを思い起こさせ、このまま放っておく手はないと採収することにした。採ってきたものを網袋 にいれ乾燥して保存することにしたのだが、一部はホワイトリカーにつけ草本酒として仕込むことにした。 どんなふうに仕上がるか熟成時の味が楽しみだ。
○麹なんばん :00.9.中旬
 とりあえず適当な名前が見あたらないので、こんな名前の嗜好品をご紹介。 ふらっと立ち寄る道の駅直売店や産直コーナーで小瓶に入った醤油なんばんと 称する液体に遭遇することがある。コーナーでの味見でもそこそこ気に入って店員 に尋ねるが、生産者が明かさない(企業秘密?)ので製法は不明だという言う。  そこで我が家でも春先2〜3本トウガラシ苗を購入畑の片隅に植えておき、 いろいろ試してみた。最初のうちはしょう油、トウガラシに砂糖や酒を加えたり していたが、最終的には次のやり方のものがこくもあり、近所へのお裾分けの評判 もよいので紹介したい。 醤油1リットルに米麹500g、それに青トウガラシ50本程を ミキサーで砕いてこれらが全量入る容器に入れかき混ぜながら仕上げる。 2〜3日もすれば香ばしい香りが漂いはじめ、このままでも漬け物に浸けたりして食することができるが、 さらに2〜3週すると発酵して来るので完全に熟成し終わったものを小瓶に小分け冷蔵保管すれば長期間保存 も可能で、野菜のお浸しにかけたりいろいろ利用法があって重宝している。
○市場調査 :2000.5.6
 いよいよGW、といっても毎日が日曜の身には、人混みのなかへ出かける気にもなれず、この時期は自然薯 植え付け、それに今秋目論んでいる体験山いも掘り用にと、勝手に用意した農園作業に精を出すことにしていたのだが、 樹園地や沢沿いには今が盛りと繁茂している旬の山菜が気になって、結局物産センターに出荷することにした。 センターに持ちこんだこれらは、夕刻覗いてみると全てきれいに売り尽くされている。タラの芽、クレソン、ウド、 秋田フキ、しどけ等それぞれ価格は自分で設定するのだが、受けはどうも新鮮さだけではなさそうだ。市況は 需要と供給のバランス、マーケッテング リサーチ(?)は必要なようだ。GWが明けたら市場調査にかこつけてぶらりと旅に出るとするか。
○旬の山菜 :2000.4
 桜前線も足早に当地を駆け抜け、辺りの樹々もようやく芽吹き始めた。 いよいよ山菜の季節わが農園?もタラの芽、サンショ、コシアブラ、あけびの木の芽等こちらの都合などおかまいなしに一斉に顔を出すし、 樹陰や沢沿いにはコゴミ、シドケやセリ、クレソンも食べ頃だ。一方沢ワサビがあたり一面白い花をつけてまるで絨毯を敷きつめた様。 そこで、わさびの葉と花をつけた花茎を鎌で刈り取って来て、水洗いしミキサーですりつぶし、醤油と砂糖みりんや化学調味料、それに海苔の佃煮を 混ぜ合わせてみたら、あのつんと来る特有の食味にすっかり病みつきになりそうだ。密閉容器に入れ冷蔵保管しておき、蕎麦やおかずの薬味に、特に酒のつまみには最高だ。
○幻の酒草 :99.年末
 ぶらりと立ち寄った山形のDIY店コーナでおもしろい 本を見つけた。 つくる・呑む・まわる諸国どぶろく宝典 農文協発行。とくに興味を引いたのは 花酒にふさわしい酒 幻のはなもとでつくってみるという頁だ。つる草の一種、からはな草の実を使って、 東北のある地方では昔からどぶろくが盛んにつくられていたという。別名ハナモト とも サケクサとも呼ばれて、 これからつくられるドブロクはまっこと花酒と呼ぶにふさわしい・・と記されていた。他の冊子雪国の本草酒 でもこの素材は絶品だと記されている。 以前から近くの山でホップ状のこの花を見かけていたので、思い立って行ってみたが一足遅く、殆どの花群は 風にとばされていた。わずかに蔓に残っていたものを手にとってみると、なるほど良い香りが漂ってくる。 花びらの底の方に少し実もついていたのでそれを持ち帰り、来シーズンは手の届くところで育ててみることにした。 蛇足だが、"さすたけの 君がすすむる うま酒に われ酔ひにけり そのうま酒に"・・と詠った良寛になったつもり、 この先が楽しみだ。(貝原浩他著から)。 99.年末
○やまいも奮戦記 : 99.11
 じねんじょをビニール袋で栽培、で述べたように山野に自生している山いもは、 地表から垂直に育つ特性を持ち途中の石や岩盤等の障害物を避けて伸長するため、形 は様々でこれまで山いも掘り名人といわれてきた達人達は、あの独特の形そのままの 姿で掘りとることを誇りとし自慢してきたものである。
葉の落ちた晩秋、地表にわずかに残っている葉柄の向きから、山いもの芽(当地で はゲンタという)を探り当てることは素人には難しく、まして薯そのものの先端まで 形を損なわずに掘りとるなどということは気の短い人には到底無理なことでまさに 至難の業だ。この「山いも」は山菜の王者ともいわれ、最近の自然食に対する関心の 高まりや、昔から精のつく食物としてその栄養価も評価されるなど、改めてその価値 が見直されてきている。
 そこで、定年を期に遊休畑地を復元させ、周辺山野から種いもを採取し育成、無菌 の山砂や有機肥料を中心にした肥培管理を行った結果、あの独特の風味を損なわず、 しかも形の整った自然薯「じねんじょ」を生産することに何とかたどり着くことがで き、物産交流センターの陳列棚で今年も来訪者にか細い肢体を恥ずかしげに晒らしております。
○ハイ、おかわり
 そろそろ木の芽もふくらむ頃となった。にぎやかだった統一地方選挙もやっと終了した 4月26日、前もって枝振りを整え摘みやすくしていた自生のサンショの木、素手で一芽づつ摘む作業はあの 特有の棘でひっかき傷だらけ、 数時間を費やしてなんとかザルいっぱい分摘み取った。
 これからが達人から直伝の本領発揮。まず醤油に日本酒をガボッと注ぎそこに例のサンショの若芽を入れて、あとは とろ火でじっくりと佃煮状に煮込む。ときどきかき混ぜながら好みにあわせて、砂糖や化学調味料を加えるが、とろみ の程度は醤油の量で調整して仕上げる。ビンに小分けして冷蔵庫に保管しておけばいつでも賞味できるし、また 調理中は部屋中あの独特の良い香りが立ちこめ、にわかに食欲をそそりだすから不思議だ。
ごはんも、これさえあれば、「ハイ、おかわり !」と食もすすむし、釣りや行楽時のおにぎりのぐには最高の一品だ。
サンショを庭の片すみに一本植えておき、この時期を逃すことなくお試しになってはいかがでしょうか。
○ひとりで祝杯
 いなか暮らしに舞い戻って、最初に手がけたパイプ栽培の山芋が、 1年7カ月目になってやっと、ふるさと の土産品物産交流センターの陳列棚に98.11.20日デピューした。体で感じる40数年ぶり の生産の喜びである。 相棒の子牛くんには「わかんねぇーだろうなぁー」とひとりで感慨にふけっている。 しかし、 こんなひねくれたじねんじょを果たして買ってくれる奇特な人がいるだろうか、とふと不安になってきた。
でも、山芋は環境に逆らわず置かれた条件の中で自然に育つもの、だから「自然薯」というんだと自分自身に 言い聞かせたら、 多少の曲がりやあちこちにあるアバタもエクボに見えてきて気にならなくなった。まずは一人 で乾杯といこう。
○あけびがあくび
 青森の七戸町、道の駅野菜コーナーで「つちあくび」と表示された山菜に出会った。始めてみる珍しい山菜 だったので、レジの女性に聞いてみたが要領が得ない。何に良いかは不明だがどうも漢方薬らしい。
一見して枝豆状にシシトウのような赤い実が枝にぶら下がっている。好奇心をそそりこれを機に栽培は出来ないだろうかと棚 にある分全部買い求めた。  後で調べてみたら、何のことはないラン科の「土アケビ」別名(ヤマトウガラシ) であり草本酒に向くことが分かった。
 ところで、東北地方にはその土地土地のひとの感じによって、独特の言い回しがまかり通る。たぶん形から して、 これはアクビではなくてアケビだろうことは察しがついたが、ひょっとしてあの口の開いたアケビも 人がアクビをした形からこの地方では こう呼ぶのかも知れない。でも天下の「道の駅」の土産店コーナーで アケビがアクビとはいかにもローカル色があって、 一人にやりと可笑しくなった。だから旅はやめられない。
○雑木の切り株にキノコを植菌
 周辺には、ナラや山ザクラ、またクルミ、 桑の木等雑然と繁茂していた。少しは家の周りだけでも風通しを 良くしようと、数年前からこれらを伐採しほだ木としてナラや クヌギにはシイタケ、その他ケヤキや桑の木には ヒラタケ、クルミ、山ザクラにはヒラタケやナメコを植菌して収穫の喜びを味わっている。
 ところで、この切り株を放っておく手はないと、コードが届く範囲にはドリルで種コマを植付けたが、 届かない箇所の切り株には 自分で培養した菌を使用した。
方法は、種コマの容器に付着しているキノコの菌糸のまわったオガ屑を集め、 それにほだ木の玉切りした際に 出る鋸くず(米糠も増量材に加えてもよい)とまぶして、手で握ってにじむ程度の水を加えたものを、 種コマ の容器に戻し倉庫などに置いておくと、1カ月位でキノコ菌が目で確認できるようになる。
さらに容器の中でキノコ菌が 白くまわって来たら、それを伐採した切り株の断面に1cm位の厚さに隙間なく 平らにのせ、さらに和紙等の覆いをかぶせ、 乾燥や風で飛ばないよう木の周りをひもで縛る。
切株の周囲は間引き伐採なので適当な樹陰にもあり、 翌年クルミの切株に写真のような見事にナメコが発生した。
地面に接触することもないので落ち葉などのゴミもつかず、 まさに天然のキノコの味が楽しめる。
○ナナカマドの実を果実酒に
 11月6日朝から蔵王の初冠雪と、 本日をもってエコーラインを閉鎖するというニュースが流れた。 朝ごはんもそこそこに、車には前もって用意していた高枝鋏と 当然カメラ、三脚の7つ道具を積み込んで 蔵王をめざした。
エコーラインの県営蔵王山小屋付近から左に折れ、 うっすらと雪で白くなった砂利道を通行止め箇所まで 登り切って車から降り、かねてより目をつけておいた真っ赤に色づいた ナナカマドの実を10数房ほど頂戴した。
ナナカマド草本酒は霜が2〜3度当った頃が最適だという、達人の話を聞いていたので 採取するのに 夢中だったが、ふと横をみると「この付近にはクマが出没」の看板が目に入り慌てて車に引き返した。
○草本酒のつくり方
 ナナカマドの果実酒はコハク色の苦みがかった、洒落た香りがする抜群の本草酒で、強壮?食欲増進等に 効果があるらしい。
 柄を取り除き、よく洗って水気をとり容器に果実を入れる。容量は容器容量10に対し果実4〜5、 それに35゜のホワイトリカーを容器の首部までそそぎ込む。砂糖(氷砂糖、蜂蜜等もよい)は大さじ2杯。 ほぼ2カ月位で飲用できるが、熟成には3カ月以上かかるようだ。
 なお、その他サルナシ、マタタビ、カリン、 ボケの実、*アケビ等いろいろ作ってみたが、 いずれもそれぞれに特徴ある香りと芳香で、ブランデー等の空き瓶に入れて 日替わりで楽しめる。
今年は初めて、裏山に自生していたウワミズザクラの実を採って現在熟成中である。 なおいずれも 容器容量10に対する果実の量は3〜5位、ホワイトリカーは35゜砂糖は好みにもよるが果実の糖分を考慮して、 甘ったるく仕上がるのを避けたい。
*(アケビの場合は容器の中で口を開かないように、タコ糸等で縛りさらに箸の先で アケビの皮の部分に 穴を開けて仕込む)
○シドケ(モミジガサ)の採種
 山菜は、その季節が到来したら自生地まで行って 採る楽しみ、帰って料理して旬の香りを味わう楽しみ、 それぞれ楽しみ方があるでしょうが、年によっては丁度よい適期に都合がつかず 悔しい思いをすることがあり ます。そこで山から種を採種して、自生地と同じような条件をつくり播種しておけばと数年前から 試めしてみた。 杉林の下草を刈り払ってそこに種を蒔く。シドケの種は微小で軽くそのままでは飛び散ってしまうので、 山土に まぶして林間に畝状に播種しておいたら、3年目の春には立派なシドケが採れるようになり、適期を逸すること もなく 春先の周辺の散策も楽しくなった。
この辺り採種の適期は、11月のはじめ頃で管状の花房ごと刈り取り空気穴を開けたビニル袋などに入れ乾燥 させる。種が茎から離れ落ちる年内に、前述のやり方で樹陰等に蒔いてやる。 冬を越すことで休眠の打破等あとは 自然にまかせる。 ただし自生地から採種する際くれぐれも根こそぎ採るのではなく、 ある程度自然に残してやるのがマナー。
○山菜を手の届くところに
 山菜が食べたいときに、すぐ近くにあるというのもオツなもの。
その代表的なものにクレソンやワサビがある。プランターに数株植えておき
井戸水のあまり水を常時プラン ターに流れ込むようにしておくと、
いつでもみずみずしいクレソンを千切ってきて食べられ重宝だ。
同様に小砂利を敷いた鉢などにワサビも植え、流れにおくと春は花ワサビ、
若芽が伸びてきたらいつでも葉ワ サビが摘んで食べられる。
○ワサビの増やし方
 ワサビは水辺に自生しているもの。数年前に10株ほど水の流れ近くに植えておいたら、やがて春先には 花をつけたランナーが四方に伸びてナタネ鞘状に種を実らせる。それが落ちて辺り一面どんどんワサビが広がった。 そこで、さらに上流の湧き口近くまで苗株を移植しておいたので、やがて流れに沿って辺り一面がと胸算用している。
○じねんじょのビニール袋栽培
 山芋は真直ぐに下に土中深く生育する性質を持っている。真っ直ぐに伸びた山芋は、見た目もよいし 当然消費者 (家族も含め)受けもよい。最近では、パイプを利用する栽培法も一般的になっているが、山で 手掘りする難儀を思えば 自家用としてはどんな形でも支障はないはず。   そこでこの性質を利用し、使い古した肥料袋等に山土を入れ、山から掘りとってき来た山いもの芽に首部位 を 少し多めに残し、表面に近い部分には腐葉土等を1/3程度いれ、種芋として植え込んでやる。(本格的な栽培では 切り 薯を萌芽させたもの)秋の収穫時には袋の底部にへび状に薯が生育していた。味には全く支障がないし 、 掘りとりのあの重労働もいらず楽なものだ。 自然薯は、すがたじゃないね、味だねー。  水抜き用 に袋底部の両隅を少し切ってやることと、土の表面に乾燥を防ぐ枯れ草などをかぶせるのがミソ。