Agri 只今休耕中
現社会規制への本音と建て前、誰に対しての発言でもないし思いつくまま、
多少の辛口は晩酌片手の戯言と笑い飛ばしていただきたい。



絆って何:2011.08.09.

 福島原発から数十キロ、岩手にはこれまた100キロ以上も離れた地に住む田舎住人、 今日の新聞報道に驚かされた。この度の3.11大震災の被災地岩手県高田市の人達が 少しでも前向きに歩もうと、瓦礫の中からかつて防風林だった高田松原の松に手を加えた焚き木、 今月16日の『京都五山送り火』で灯す計画が持ち上がり、犠牲となった物故(もっこ)者への想いや復興の願いを 書き込んだ薪を準備したというのに、放射線汚染が心配だと言う声を受けて中止になったという。  つい先日も、東海テレビが岩手産のブレンド米当選者を『怪しいお米セシュウムさん』云々が 明るみとなり、不謹慎な内容でした とテレビ局が謝罪したばかりだと言うのに・・・。まさに東北地方 全てが放射線に汚染されているかのような風評対応、福島原発からは遠く離れ震災の爪跡から 自らを奮い起こし立ち上がろうとしている津波被災者の心情を踏みにじる心無い処置、 日本中が一つになろうとする『頑張ろう東北』とか『人と人との絆』とか言うスローガンがこの一件で 空しく感じたのは私だけだろうか。
 翌10日 中止(津波に遭った松を燃やす)に批判が相次ぎ 一転 京都市は陸前高田市から別の薪を持ち込み送り火で燃やすことになったとはいうが・・・。 

国民健康保険高齢受給者:2009.08.03.

 一部負担金3割 交付年月日8月1日と印字された高齢受給者証と一緒に 〜基準収入適用申請について〜  という文書が届いた。これには70以上の方の国民保険の負担割合については、世帯内の70歳以上の 被保険者に判定基準所得(住民課税所得145万円)以上の方がいる場合、3割負担となること ただし、下記 の@〜Bのいずれかの要件に当てはまる場合、別紙の申請書を提出し該当していると認められたときには 1割負担となること。@70歳以上の加入者が2人以上の世帯⇒収入の合計が520万円未満であること(以下略) さっそく確定申告書の写しを見比べ課税所得では明らかに数値未満であることを確かめて申請書を提出したの だったが、数日して昨年の収入額合計が軽減要件を超えており今年度は自己負担割合軽減に該当しないという 通知が届いた。これにはシルバーライフの農園から僅かばかり産直販売収入(所得ではない)も合算され限度額 を僅かにオーバー。 つい先日麻生総理が高齢者は働くことしか能がないというくだり なるほど理に合って いて?これでは何もせずに遊んでいる方がマシなようだ。 早速担当部署に不認可の理由を尋ねて見たが、住民税 課税対象金額と国民健康保険負担割合の判定基準所得は別解釈だという納得できない説明だった。 厚生労働省の発行するパンフにも、手元にある冊子にもこのことは全く触れられていない。当局には 誰もが分かる解説書の配布と、また裁定に期待を持たせるような通知をしておいて、専門担当者だけが判る 理由での却下は到底承服できない 次回はこんな申請通知は不要だとの申し入れを行なった。本日以降仮に3,000円で済む 診療も9,000円も窓口で支払わねばと思うとおちおち医者にもかかれない 何んともやるせない世相 後期高齢間近なこの頃だ。

また やっちゃいました:2009.06.02.

 数年前に偶然見つけていた幻の山菜の自生地、連れ合いとドライブを兼ね出かけてみた。 天気も快晴、時期もよし長靴、虫除けスプレー、山菜グッツ万端整えて見覚えのある例の 場所に分け入った。しかしどうも様子が違う あれほど目に付くほどあった目的の山菜が 全くない、根こそぎの採取はマナー違反 楽しみはこの次にもと残していた筈だったが それにしても、幼い根株さえ1本も見当たらない。いつまでもそのままではあるまい いずれ 誰かに採取されるだろうとは思っていたがそれが現実となった。  大ナルコは諦めて山ウド、ボンナを少し摘みとり早々に帰ることにして母成ラインを経 磐梯温海 インターから磐越自動車道に乗った。平日でもあるし高速道はガラカラ、「すいてるネェ〜」との 連れ合いと会話しながら快調に走らせていた。五百川SAを過ぎた辺りから追い上げてきた 1台の白いセダン、追い越し際に何やら声が聞こえ手招きで左側に寄れとの合図、その頃になって やっと赤い警光燈が目に付いた。東北道に合流して間もなく前もって予定していたらしい とある側道に 停められ2人連れセダンの後部座席に、あとは否応なしに104キロと印字された用紙に 左ひとさし指の押印でチョン 24kオーバーの15,000円也。  高速道の流れ100キロ位と気にもせず走行していたのだが磐越道は時速80キロ制限だった。 どこから現れたのか みるみる近づいて来た覆面パト、証拠だという記録紙を見せられ あとは言い訳無用の一方的処理。お陰で以降のドライブは気まずい会話のない車中となった。

需要と供給:2007.11.22.

 1995年の食料管理制度の撤廃以降 下がり続けている米価、このところ連日 暴落の秋  田園漂流というタイトルで特集が組まれ、将来に希望を失い再び 現金収入をもとめて 揺れ動く水田農家の実情が報道されている。一方国の政策は大規模農家の育成、集落営農組織に よって農地の集積や認定担い手農家の育成をという構想を打ち出し、いよいよその推進に 拍車をとの矢先、ここに来てこの暴落で不安観が漂い先行きが懸念されはしないだろうか。 価格の安定は需要と供給のバランス、自由競争が原則の経済社会だが現実のコメ販売に至っては農家各々 の自由裁量 無秩序極まりない農政不在の様相だ。
 話し変わるが、10月末から9日間中国雲南省の北西部シャングリラと麗江 チベット自治区梅里雪山 方面の旅に出る機会があったが、この旅での食事は四川料理が主で数々の皿盛りが食卓に並ぶが  どうしても米飯が主食の文化に慣らされた私には 出されるご飯がパサパサだったり、お粥やおもゆ?も 何とも口に合わずへき易したものだ。現地のガイドさんによれば『日本の米だったら3倍出しても 欲しい』というのもあながち噂だけではなさそうだ。  欲しい人たちに欲しい物をいつでも提供できることが『需要と供給のバランス』こんな現実に出会うと 何故こんな米余りの国家が欲しいという国もあるのに、その対策を政治で解決できないのだろうと不思議な気がしてきた。 政府にコメの価格安定を求める農民総決起大会で、鉢巻姿でコブシを突き上げることが 私たちに出来る唯一解決への手段なのだろうか。

良識ある議論を:2007.07.31.

 4月の県議 首長等統一地方選挙に続いて、わが町はこの7月に参院選挙と同時 投開票の町議選挙が行なわれた。今回から4人減の定員14人に 17人もの立候補者がひしめき 合っていつも小鳥の声で始まる一日も、早朝から声をからしたウグイス嬢の夜まで続くさえずり 合戦 それも29日にはパタリと止んでやっと元の静けさを取り戻した。 “内輪もめしていては世の中から取り残される”との識者のアドバイス、 『○○派 反○○派と分かれてしのぎを削るなら、町民はもっと別のエネルギー の使い方をした方が良いのでは』とのご尤もな提言。こんな片田舎に居る住人でも 世の中の動きは客観的にマスコミが伝えてくれ 居ながらにして町政も時代に適応 しているか否か位は判断できる。新しく選ばれた議員さん達には向後4年間、 是非良識ある議論を戦わしていただきたいと願う今日この頃だ。

幻と消えた新市:2006.04.01.

 合併特例法の最終期限を迎えた3月31日、新たに大崎市と 気仙沼市を最後に宮城県の平成大合併もノーサイドの笛を告げた。 いち早くさくら市構想を打ち出したさくら青年会議所いわゆるJCが活発 に下地を醸成していたので県下第一号の新市の誕生が期待されていたし、 この神輿に乗り遅れまいと先の住民投票ではわが町は圧倒的賛成の意思を 投じながら三町の足並みが揃わず破談の涙を呑んだ幻の新市誕生。その後 単独での町行財政改革プログラムと銘打った概要版が各家に配られたが、 具体的な手法(PDCA)のない検討・実施の羅列小冊子に将来展望を期待 する町民がどれだけいるのだろうか。 先行き不透明な世相どうなるかは誰もが予測はできないとは言え、町民の大 半がこぞって新市誕生を機にこれまでの既成観念を打ち破った大胆な変革を望んだと いうのに・・またしばらくは晩酌の量が増えそうだ。

カイゼン効果:2005.04.15.

 4月15日、YAHOOのトピックスをクリックしたら「県がカイゼンで経費削減」という タイトルが目に飛び込んできた。『 I 』県が8カ月で2,400万円分の経費削減を 挙げたとの速報、これは凄いと思って読み進んだ。内容は業務の見直しをした結果、 残業などの仕事を10,200時間削減に成功、これは職員6人分の仕事量に匹敵 すると言うものだった。中身は「会議、検討、協議」の見直し、中継業務の見直し、 データベース化による作業効率化など2,200時間のムリ・ムダ・ムラを排除した 結果だという なぜ今頃これがニュースなのだろうか? 民間企業ならもう20年 も前から取り組んでいるのに。
かつて在籍した企業で経費削減のプロジェクトメンバーに任命されて数ヶ月、 その意識にたって職場を見直してみたら、ムダな帳票転記や口頭で済む報告書、 重複業務等々、その解決策の大半は、管理職自身またはその上位役職者間の連絡不良 により発生するムダ、また自己満足のための過剰サービス等々業務の指示そのものに 問題があることが顕在化、その対策として問題認識を持たないこれら上位者の意識を 変えさせることが最も有効な改善策だった。そのことに気づいた『 I 』県はまだしも  まだそんな改善意欲すら見えない地方自治体が身近に存在するのかと思うと どうにも やり切れない。 

ふるさとの将来:2005.01.26.

 今わが村田町は隣接の大河原、柴田町とによる18年1月 新『柴田市』の誕生に向けた 合併に関する住民説明会が開催されている。 この2年間の『合併協議会』の論議を経て作成された新市建設計画≠ウらにこれとは別に わが町独自の合併しない場合の自立計画≠ネる相反する二つの冊子によって町内各地で住民への説明がなされ近く住民投票、つまり将来のために合併に賛成するのかしないのか、その判断を町民にさせるというものだ。不思議に思うのは合併協議会の構成員でもあった当町の首長さんはこのどちらの意志をも示さずに町民の判断に結論を委ねるという一見民主的な手法ともいえなくない姿勢だが、この間 各首長さんや代表の議員さん、また各学識経験者といわれる方々で喧々諤々協議されたこれら三町合併の意義や必要性、新市の将来像を実現していくための各分野の施策の展開など、2年にも及ぶ論議はいったい何だったのだろう?。一般町民には到底納得できないと思うのは私だけだろうか。

仕組みが変わる:2003.05.10.

 4月27日に投開票が行われた○○選挙、結果には関係ない最後の仕事 選挙運動費用収支報告書なるものを町の選挙管理委員会事務局の審査を経て、5月9日提出することができ今回の選挙応援の幕を引くことができた。
さて、この選挙を通じての裏話ネタシリーズ、今回は選挙公報の掲載について取り上げてみようと思う。 立候補予定者説明会での一事例、選挙公報の掲載についての注意事項の説明によれば
1.掲載文は活字またはペン字を用い黒色の色素により縦書きで記載して下さい。 但し、氏名欄内の氏名およびこれに付するふりがなに限り毛筆を用いて記載することができます。
2.掲載文は活字とペン字を混同して記載してはなりません。
(公職選挙法第172条の2)とある。 選挙も情報合戦といわれて久しい昨今時代錯誤も甚だしい。これで見る限り横書きは一切できないとの解釈に立ち対立陣容との違いを際立たせるための苦肉の策 白抜き、網かけ文字を用いた公報で予備審査を終えたのだったが、告示後各戸に配布された公報を見て驚いた。相手陣容のそれはタブーとされている横書きタイトルを堂々と用いているではないか。 早速町の選挙管理委員会にアンフェアな扱いではとの異議を申し入れたが、俄かに召集した委員会協議の結果はキャッチフレーズについては縦書きの条文制限には当たらないし、対する陣容のそれも白抜文字や網かけ文も制限に抵触するので、双方痛み分けだとの言い訳的説明に終始し問題棚上げのままの結論となった。  後日このことに対して選挙管理委員会は、この反省に立って以降の選挙公報に関しては掲載枠サイズだけを制限し枠内の記載内容に関してはイラスト、横書き等各自の自由裁量に任せることにするとの談話もあり、やっと当局も仕組み見直し意識の必要性に気づき始めたのかなと勝手に解釈自己満足のグラスを傾けております。
今日も森の中 :2002.7月末
 この7月からいよいよ、いや やっとと言うべきか国土地積調査が当地区を対象に始まった。  宅地や現耕作地また植林した山林はまだしも、用途の見通しの無い雑木林や山あいのかつての畑は 時代の趨勢で永年耕作を放置されて藪に覆われ見るも無残だ。町職員の一筆調査立会いに先立ってのここ当分は 境界の刈り払いに出ずっぱり、午前の涼しい時間帯とは言え長袖シャツに防塵眼鏡、腰には鉈やそれに ペットボトルまで巻きつけて刈払い機を背負うという出で立ち、どうにも他人には見せられない格好だ。  厄介なことに作業に入る前に隣接者と境界を確認する難題がある。世帯交代が進む中 隣接者の働き手の殆ど はサラリーマン、リストラの影に脅かされている昨今 勤めを休んでまで境界の確認や刈払いを一緒にしてくれる 人はまずいない。もともと山林の境界は地形に沿って尾根づたいとか僅かの窪み 沢沿いとか極めて曖昧なもの、 最近までは地域の古老に聞けば事足りたのだが、今はそんな人たちを引っ張り出すには申し訳ないお年だし、 公図をもとにこの辺だろうと(けもの道に迷い込んだり)刈り払ってはいるのだが、もうこんな二束三文の土地1〜2m動いたからといって どうってことも・・・と。こんなことが年内延々と続くかと思うと気が遠くなりそうだ。
豊作が喜べない暑い夏 :01.7.13
 今年4月、合併JAの持ち回り地区農家組合委員という役目を担うことになった。 これまで農協が配布するパンフ類を職員に替わって各農家に届ける程度の 業務と思っていたが、就く早々国策にのっとり水田農業確立対策と称する各農家に割り 付けた転作(休耕)面積が、ここに来て町全体で18haも足りないという。そこで 不足面積を町が案分割り付け、それを役目柄各農家に協力要請をするということになった。 都会に住む消費者感覚では到底理解頂けないとは思いますが、せっかく春先に 苗を育て、これまで永年培って来た自分の水田に丹誠込めて植え付けた水稲、 それが成熟寸前になったこの時期、不本意なこんな青刈り要請に誰もが快く受け入れるはずがない。    このような水田経営農家が全国にどれたけ存在するのだろうか。  今週の総理メールマガジン川口環境相が述べている「お客様が望む商品やサービス の提供を徹底して努力している民間企業」のような取り組み・・。少し違うかも知れないが国民 の主食を担って踏ん張っている全国の農家、これを脅かしている現実の姿を行政はどう理解しているのだろうか。 たかがJAの使い走り、されどこんな矛盾を思い描きながら説得しなければならない 切ない思いの農家組合委員、今年も豊作を約束するような暑い夏がやって来た。遠くで 皆さんのために頑張ります の参議院議員候補者街頭アナウンスが聞こえる昨今、 本当のお客様志向「政府と国民」の政治がいつやって来るのだろうか。
農園貸します2001.3月
 全国的な米あまり現象、今年も水田農業経営確立対策と称する転作 等目標、わが家にも所有水田の34%強3100平方メートルもの転作面積が割り付けられた。これまでも 青刈り水稲や形式的な作目で茶をにごしていた休耕地、そこに長年小作契約して米を作っていた人までも、 借地してまで休耕するのも無意味と見放された棚田状水田、約1000平米も休耕することになった。 このまま放置すれば雑草に覆われるのもあっという間。そこでまた、新食料法なる規制には反することなの だろうが、この分だけでも知人や多くの方に呼びかけ家庭菜園として利用して貰い、遊休地の有効活用をと 思い描いている。休日には忘れかけた森や林に囲まれた里山で、子供達にも鮒釣りで遊べる沼も隣接した ドライブがてらのアウトドア農園、自然を満喫できる自分流の菜園でハーブや新鮮野菜を栽培してみませんか。
興味のある方メールお待ちしてます。
ザ・農協 : 00.6.28
 7つの農協が合併し、組合員数24,153名、準組合員数を併せると34,246名のJ Aみやぎ仙南の 第2回総会が2市7町から458名の総代を集め開催された。どういう訳かその議長団の一人に祭り上げら れ、各総代さん達の意見や当局との質疑を中立の立場で拝聴する機会を頂いた。
 総代会の開始が1時30分、18の議案を審議し、全ての議事を終了したのが、周囲も薄暗くなりかけた 午後7時、実に5時間余りそれぞれの意見も的を射ていて、合併以前の「俺達のノーキョウ」が大きな組織 に生まれ変わり「駆け込み寺」的存在だった過去への郷愁、執行部の避けて通ることのできない改革への提 案に対しての疑念等々、双方の理にかなった言い分を客観的に聞けたのだったが、しかしなんと多くの複雑 な手続き(農協組合法)が必要なことだろう、もっと基本的な経営執行の裁量手段はないものだろうか、 問題にすべきは組織が大きいかどうかではなく、今後農協を利用するかどうかを決めるのは、組合員であり 一般の消費者だという基本的な当事者意識の変革だと思うのだが・・・。
 そんな考えをもちながらホームページやメール通販で馴染みとなった、四国高知のある産直で生き生きと している村のことを思い浮かべた。山に囲まれた馬路村、ゆずの加工品を産地直送、直販に挑戦して成功し ているこの農協は、平成10年の地域傘下13の農協が合併する中で唯一不参加を決め、今まで通り独自の 路を進むことに踏み切ったという。 人口1,269人の村がインターネットやその他で通販顧客を全国に 25万人をもっていて、この数は実に村の人口の197倍になる計算だ。
 人一倍想いを柚子に賭けるこの農協の一課長さんはここでの生き残りは村の人と村にある 資源を活用しそれに付加価値をつけて消費者に提供する。国や県の補助金をもらっている事業でも 、その多くは民間企業に負けているではないか。探せば地元に新鮮な素材や豊かな資源 (田舎の自然も含めて)がいっぱいあるのに・・・という。これからも課題が多いが、この天然記念物村民 村宝みたいな男が路を切り開いて行くことだろう、とちっちゃな村の大きな感動物語 を著した大歳 昌彦氏は結んでいる。 00.6.28
新「有機農産物マーク」
 久しぶりに日本農林規格(JAS)改正法6月10日施行 云々の新聞記事に関心をもった。 平成5年の農水省が発表した「有機」「無農薬栽培」「減農薬栽培」など6ランクに区分した そのガイドラインは、強制力がなく、インチキ有機農産物が絶えなかったともいう。 そこで新しい表示制度は稲や野菜は2年(果樹は3年)以上化学肥料も農薬も使わない水田や畑 で生産したものに限り有機農産物と表示できる改正法を施行し定着を図るというもの。  日本の気候は高温多湿、病害虫が発生しやすく有機農業にはかなりの努力が伴う、とも河北 新報 社説でも述べているが、特に当地方では水田の用排水も畑作物の灌漑も天候しだい、2年も3年も 農薬や化学肥料も使わない農産物など考えもつかない。多分害虫被害で穴があいたり、病害で形が不 揃いのこれら野菜など、たとえ「有機マーク」を得たとしても、はたして消費者の目が店頭で食指を 動かすだろうか、来年4月から新しい掟で出回るという農産物に、またもやヤジ馬根性が 頭をもたげる。
手抜きの負け惜しみ :99.7
今年の東北の梅雨はなかなか明けない。これまでの降雨量もことのほか多く、お陰でわが家はあたり一面雑草に覆われ手の施しようがない。 このところ雑用にかまけて少し手を抜いたら、わが農園はもうお手上げ状態。せっかく植え付けた作物は雑草と害虫、加えて病害に冒され 見る影もない。ひとさまに見られて、いまさら無農薬・有機栽培ともいえないので、雨の合間に草刈り機で根こそぎなぎ倒し、「しょうがない、 今度は早めに手入れを・・」などと負け惜しみをいいながら、1年越しの来年に期待をかけている。
 農業は天候に左右される生業、これは農政がどうの ○○政治がどうのなどという以前の問題。今も田舎暮らしに憧れ、都会から農村での生活に賭けようとする人々が多いと聞くが、 これをどんな風に乗り切っているのだろうか大変なことだと思う。でも自然に生き、やりたいことが出来るということだけは間違いない。素晴らしいことだ。
とんだ憲法記念日
 人並みにゴールデンウイークを楽しもうと、5月3日 蕎麦の名所福島の山都町宮古を目指した。磐越自動車道 を会津坂下インターで降り一般国道を南下、しばらく走ったがこのままでは郡山に戻ってしまう。そろそろ案内板があってもと目をこらした。
やっと頭上に山都の案内標識を見つけてそれを左折、やれやれと思いつつマイカーのエンジン音も高らかに登坂線を登っていたら、後方からサイレンの音が近づ いてきた。前方には車もないし事故でもあったかと左側に寄って道を譲ったつもりが、白バイのお巡りさんが私の車と併走してなにやら合図している。車を止めて「何か ありましたか」と疑問符を投げかけたら「さっきの場所で一時停止しませんでしたね」という。前もって予定されていたらしい傍らの空き地に誘導され、いろいろと説明を 受けたが結論は、指定場所一時不停止の道交法違反だという。
  たぶん路面に停止線でも書いてあったのか、とにかく案内標識を探すのに気をとられた結果の青キップ。連休の行楽客で混み合う道路をそれ、もの陰にひそみ 獲物を待っているさながら釣り人の様。事故防止のための交通指導だという若いお巡りさん。 「良い仕事をしてますねー」の皮肉の一つもつい口を出る。
とんだ憲法記念日 7,000円の道路交通法反則金。連休明けの臨時出費は痛いなぁー。
何かが変だ
現在、日本農業の米あまり対策として、全国的に生産調整即ち減反政策がとられているが、一方では国、県、地方自治体それぞれが補助金を出して水田の基盤整備と称 する農地の大型化が進められている。趣旨は農業に見切りをつけて、流出著しい農業後継者に歯止めをかけ、担い手といわれる少数の耕作者に農地を集積(委託を含め) して将来の農業の健全化をはかるというものだ。たしかに現農業の実状を考えれば頷けないこともない。しかしそのやりかた手段に問題がありそうな気がしてきた。
 始めに補助金ありき、今これに乗り遅れたらもうこの恩恵にはありつけない。だからどうしても当該区域(山間、離れ地を除く)の土地保有者全員がこの事業に同意し なければならない。しかもその説得は受益者である対象耕作者だという。実際にはこの同意取り付けが難問だった。いつの時代だって必ず1人や2人は横並びを嫌う人は いるものだ。このための対策会議と称する会合が、どう工事を進めるべきかの肝心の論議もなしに、この2年間に何回もたれたことだろうか。
何のことはない結論はこうだった。同意を頑として受け入れない人達へは、希望通りの耕地を集めて、整備事業のカゥントだけを行い、残る対象の土地を一律に1haか 0.5haの単位に当制度の取り決めに従って着工に踏み切るというものだった。なんと無駄な時間と無意味な労力を費やしたことだろうか。
 そればかりではない。もともと強湿田だったある一角は、以前より良くなるという前提で旧来地を割り当てられることになったが、この一帯は難工事でもあり施工 が遅れに遅れ、結局初年度は作付不可。従って国策に従い転作作物の景観用のコスモスの種を蒔くということになった。
さて畦畔を取り除き平らにした整備後の初年度の作況は、低温や長雨の影響にもよるが作柄も芳しくなく、管理作業に至ってはさんざん手こずるものだったらしい。 結局は今年も引き続いて客土や暗渠を施す事業のやり直しが始まったが、例の湿田一帯の工事はやはり後回しのままである。
 これまで実施した分の実体調査と称する現地確認を行うというので、対象外だったが現場に出かけ、『常識として前年度遅れた分から着手するのが筋ではないか』と県 の担当職員に少しゴネて見た。以来どんな話し合いになったかは定かでないが、どうやら工事の優先順位が入れ替わったようだ。率先協力するだけではいつまで待っても ことは進まず、ゴネるほど得をするとはいかにも現代流?なのか何とも納得できない。本当に当事者にとって公平で先行き希望のもてる事業だったのだろうか。