読書メモ

・「金融緩和の罠
(萱野稔人:編、集英社新書 \760) : 2013.06.22

○印象的な言葉
・インフレ予想が成り立つのは潜在的な需要がある場合
・マクロ経済学がおちいりがきな抽象性
・高齢者福祉を現物給付に
・リフレ論はマクロ経済学的な思考実験の産物の典型。貨幣供給量の調整だけで複雑な経済を制御できるという美しい理論。 複雑な現実から帰納する習慣がなく、一度信じ込んでしまった理論の中に閉じこもる
・ユーロショックを無事乗り切った日銀の手腕は海外では高く評価されていた
・日本ではこの先、一年に1%ずつ生産年齢人口の減少が見込まれる。勤労所得のある人が減れば消費に影響する。
・統計学の初歩:分布を見ずに平均値だけでものを語ってはいけない
・付加価値額の相当部分は人件費
・株主資本主義のあり方を見直すほうが本質的な解決に近づく
・円安になっても輸出が伸びて、経常収支が黒字になればすぐに円高になる
・高齢富裕層、銀行、政府の中でお金がぐるぐる回っているだけ
・貴重な人材に低賃金・長時間労働を強いることが経済力の損失になる
・困窮する高齢者いは生活保護などのセーフティネットを手厚くすればいい
・高齢富裕層には金融資産税や相続税をかけ、贈与税や固定資産税は削減し、お金を使わせるようにする
・人口動態に合わせた構造改革や社会制度の構築が行われていないのが問題
・経済成長を生む要素:労働、資本、生産性
・人口ボーナスがピークに達したときに不動産バブルがおきる
・財政政策や金融政策は新たな所得や付加価値を生み出さない。高い付加価値を生み出せる生産者が活躍できる自由な経済環境を作る必要がある
・円高ドル安で日本が困るのはドルとリンクして下落する中国人民元や韓国ウォン。これらが実力以上に安くなると日本企業には不利
・金融危機時の大量の流動性供給は金融システムの安定化が目的。景気刺激が目的ではない
・負担の分配が苦手な民主主義。代議制民主主義は利益分配のためのシステム
・財政・金融政策はマクロ安定化政策。急激な変動幅を抑えるための政策
・国の借金が将来の税収では返済できないことが分かれば金利が上がり始め、日本経済は突然死を迎える
・2001年から2006年までの金融緩和政策は効果がなかった
・長期不況をもたらす原因は「人はお金そのものが欲しい」ということ。今お金があるから、あれもこれもできると実感できる。 お金が究極の欲望の対象。「お金がもったいないから買わない」は、お金への欲求がモノへの欲求を上回っていることを表す
・企業の競争相手は同業他社ではなく、お金
・人が貯蓄するのは好きな時に購買力を行使できる自由(流動性)を確保したいから。安心を得られる
・民間がモノを買わないなら、政府がモノやサービスを買えばいい。介護は多くの人手が必要で大きな雇用効果が期待できる。 ビジネスとしては成り立ちにくい。公共工事だと継続した雇用が生まれない。
・雇用を通じた再配分
・国債の信用も通貨の信用も、国家の徴税能力を担保にしている。それは政府に対する信認、国内の経済力で成り立つ
・円の価値が怪しいと思ったら、他のものに乗り換えるだけで、お金なるものへの欲望は変わらない
・ベーシックインカム:平等にお金を配る政策。失業者が減らなければ全体の賃金水準は上がらない。
・お金にしがみついている人生は、底のない不安に支配された人生。不安を解消し、お金への執着を小さくすることが正しい経済政策