読書メモ

・「リフレはヤバい
(小幡 績:著、ディスカバー携書 \1,000) : 2013.06.01

○印象的な言葉
・リフレ:インフレをわざと起こすこと。誤った政策。国債を暴落させる。円安と名目金利上昇となる。  国債を大量に保有している銀行は経営破たんする。貸し渋り、貸しはがしが起きる。  政府が銀行に資本注入しようとしても、資金調達に必要な国債を買う人がいない。  それを日銀に引き受けさせようとすれば、更なる国債暴落を招く。 ・インフレは「起こせない」。無理に起こそうとすれば歪みが蓄積する。
 インフレになるためには景気がよくならなければならない。景気をよくするためにインフレを起こすこととは真逆。
・日本はバブル期に膨らみ過ぎた人件費を削減し続けてきた。2003年以降は所得は停滞が続く。
・インフレターゲット:インフレ率が上昇し続けることが重要
・「期待に働きかける」というのは机上の空論。期待を持つかどうかは持つ方次第。
・インフレではお金を持っていても損。モノを買うより資産を買う。家の値段は上がり、金利も上がる。将来に備える。
・良いインフレ:デマンドプル型インフレ
・悪いインフレ:コストプッシュ型インフレ。スタグフレーションになる
・原油や食糧などの必需品は輸入量の1/2を占める。輸入額は日本のGDPの15%。1ドル80円から1.5倍の120円まで円安が進むと、 日本経済の15%分が1.5倍に値上がりすることになる。物価は5%程度の上昇となる。
・海外市場に依存している企業は円高で見かけ上の利益は減るが実質的には何も変化はない。  世界の投資家から見れば円建ての利益や株価は無意味。ドル建てで考える。円高のほうが企業価値を高める。
・輸出企業は円高により価格競争力上、不利になる
・輸出はドル建てより円建てもののほうが多い。円安で直ちに得をする企業は少数派
・日本は輸出よりも輸入のほうがはるかに多い
・経済における金融市場の圧倒的な影響力が世界的に拡大。財政政策の効果は低下した
・国債のような何百兆円も発行されている証券は他にはない。長期保有の場合のリスクはほとんどなく、先が読めることに価値がある。
・日本が財政破綻しなくても国債投資にはリスクがある。値下がりリスクがある。
・日本国債の95%を国内投資家が保有。ヘッジファンドなどにより国債が単に売り仕掛けで下がっても、逆に買いのチャンスとなる
・日本の銀行は200兆円分の国債を保有
・金融資産バブルは崩壊時の実体経済へのダメージが大きい。意図的に政策でバブルを起こすべきでない
・日本経済の将来は依然として不安:公的年金の支給額の減少、消費税増税など
・駆け込み需要の刺激を狙うインフレも景気にマイナス
・デフレスパイラルは起きない。デフレ下では価格を下げても誰も買わない
・日銀総裁、審議委員は国会が決める。完全に独立し、政府のいうことを聞かないというのはありえない
・凧紐理論:風がないのに凧紐を引っ張っても凧は上がらない。できるのは凧を持って走り続けながら風が吹くのを待つこと
・円安になると技術力のある企業を狙って海外企業が買収を仕掛けてくる。人材も流出する
・経営者の感覚が日本に縛られている場合、円安を喜ぶ。決算の数字がよくなるから。しかし自社の株式時価総額はドルベースでは下がる
・深尾光洋教授「リフレは問題外」。伊藤隆敏教授はリフレ派とは一線を画す。彼らは金融政策を企画・実行する組織で働き、 中心的な役割を果たした経験がある。
・アングロサクソンの文化:効果がわからなくても出来ることはやってみる。英雄的な考え方、自分が動いてすべてを解決すると考える
・英国では資産価値の維持が重要視される。金利と為替が生命線。だからユーロを使わない
・自国の資産は自国通貨に連動する。国富の増大とは通貨価値の上昇にほかならない。
・フローからストックの時代:所得の伸びに限度があるなら、蓄積した国富を有効活用すべき。ストックの時代は自国通貨は高いほうがよい
・日本では所得格差よりも資産格差が大きくなった
・日本はノウハウの蓄積がある。日本文化やライフスタイルが世界的に貴重で価値がある
・グローバル企業とはドルで経営戦略を考える企業
・労働コストは製造業でも全体のコストの1割にすぎない
・Appleという会社の雰囲気、何かを生み出す「場」の力は地元でしか作れない。それは経営者、従業員の醸し出す雰囲気。 地域のコミュニティ、環境、社会的背景などが有機的に結合した結果。
・困難な問題は地道に解決するしかない。リフレ派は一挙解決願望がある
・日本に必要なのは雇用。人間こそが経済を動かす

<感想>
・日銀理事会メンバーの資産公開も必要。私利私欲で政策決定していないかチェック。権力欲、売名欲

-目次-
第〇章 リフレ政策とは何か?
第一章 そのとき、日本経済に何が起こるか?
第二章 円安はどのようにして起きるのか?
第三章 円安で日本は滅ぶ ─ 円安で金融市場と日本経済は?
第四章 リフレ派の二つの誤り その 1 インフレは望ましくない
第五章 リフレ派の二つの誤り その 2 やはりインフレは起きない
第六章 それでもリフレを主張するリフレ派の謎 ─ なぜ、かれらはインフレが好きなのか?
第七章 リフレ派の理論的な誤り
第八章 円安戦略はもう古い