読書メモ

・「成長戦略のまやかし
(小幡 績:著、PHP新書 \760) : 2013.07.01

○印象的な言葉
・経済成長は人的資本に依存。学校のプログラムの強化を。
・日本企業が利益を上げるために日本の若者、雇用者が犠牲になるのはおかしい。
・しがらみこそ信頼の基礎。しがらみは社会に必須。
・「失われた20年」で失われたのは実力
・我々は成長戦略で毎回失望させられてきた。期待するほうが悪い。各省庁の官僚が持ち寄った雑多な集合に過ぎず斬新なものにはならない。 成長戦略がつまらないのは首相の責任。
・官僚は優秀で、難しいパズルを解くのは得意だが、パズルを考え付いたりはできない。それだけ。 彼らはプロフェッショナルとしての任務を遂行することに遣り甲斐を見出す。制約条件の中でベストを尽くすのが官僚の習性・本分。
・戦後、多数の自動車メーカーが互いに激しく競争したことが業界発展の主要因
・規制緩和では規制は残る。撤廃するわけではない。政府は規制を残しコントロールすることで権力を行使する。
・アベノミクスの本質:既得権益層を守り、刺激することで効率よく短期的に景気をよくする政策。第一の矢「大胆な金融緩和」は 円安による輸出効果があるが、日本の経済構造を固定するもの。第二の矢「財政出動」が景気を短期的に過熱させれば、 その反動減が怖い。継続する保証がない。一時的な土木作業員が増えるだけ。下手な雇用ならないほうがマシ。
・生産の質の向上。効率化ではなく、誰にも作れないものを作れるようになるための投資が必要。
・いまだにバブル経済に囚われている日本。
・世界経済がどうなろうとも生き残っていける個人を創り出すことが重要。人を育て、それが経済全体に実を結ぶまでには20年以上かかる。
・破綻する企業の救済を政府がすべきではない。同じ産業なら危機に陥らなかった企業へ投資したほうがいい。
・7イレブンは顧客の行動に囚われない製品開発をする
・開発者の信念が込められたものでなければ真によい製品は作れない★
・中身の人材が悪くないのに、箱(企業)から出てくる結果が冴えないなら、箱に問題がある。労働者の飼い殺しになる。
・失業は労働者を腐らせる。自信を喪失させる
・家族と支え合わなければ、よい研究も仕事もできない。家族が幸せであることは重要
・日本は環境がよく、文化が魅力的で、社会が安定し、快適に暮らせる国★文化の豊かさ、奥深さ。
・その組織(社会)を愛さない構成員が増えたら、その組織は発展しないし、安定もしない。同じものを愛しているということを通じて、 互いを愛し合っているという錯覚に陥る。共同体として一体化する。
・信頼こそすべて。契約など表面的な一部分にすぎない
・自然は厳然と、ただ存在している。それを動かそう、変えようというのは冒涜であり、意味がない。
・日本人にはリーダーシップがない、というのは絶対的な権力に対する本能的な拒否の表れ。★
・何が起きても動じない、それを愉しむ。柔軟で自由で基礎がしっかりして、軸がぶれない自分を作り上げる。
・江戸時代以降の藩ごとの、400年の歴史を背負った地域の多様性。
・素晴らしい城が残されている地域は町も素晴らしい。城の維持に金も人手もかけている。
・地方が多様性を維持し、魅力・活力を保ち、東京へ人材を供給し続けることが日本の活力の源
・現在の景気は以前よりはマシ、今後は平均的には今より悪くなる★
・減税のほうが無駄な財政支出よりマシ
・相続税対策として、借金して賃貸住宅を建設。借金が資産と相殺される
・日銀の異次元の金融緩和で国債市場にリスクが増えた。価格変動が高まった。市場から撤退するのが合理的
・グローバル経済が進展し、コストと質を勘案し、その製品にベストの生産地を世界中から選ぶ
・競争だけでは新しいものは生まれない
・水・草木が人、育つ森は企業・学校、土が社会、カネは肥料にすぎない。
・人を育てる場:上司・同僚が尊敬でき、彼らから学べること。仕事の中でお客さんと直接接する場があること。
・工学系以外の高専の充実。既存施設を利用し、教員スタッフの人件費にカネをつぎ込む。 質の高い教員を自治体が確保するのは大変なので、国が一括採用する。別の分野で働き直すときに学ぶ場にする。若い世代と場を共有する。
・日本には基礎力や教養など知的基盤に対する軽視がある。それが学校教育軽視につながる。実践的なものを重視する。
・英会話を勉強しても英語の読み書きはできない

<その他>
・会社を「デザイン」する。ヴィジョン、めざすゴールを確立。多様な人々を抱え、彼らの行動が会社を動かす。 全体像を設定しながら、細部も設計する。会社は生きている。一人の意向、感情、気分、気まぐれにより、周りの人間の行動が影響を受ける。