読書メモ

・「2012年大恐慌に沈む世界 甦る日本
(三橋貴明 :著、徳間書店 \1,600) : 2012.10.14

○印象的な言葉
・自国通貨を発行できる中央政府が、自国通貨建ての国債のデフォルトなど起こすはずがない
・「政府のデフォルト」と「インフレ率上昇」は別の現象で、解決策も異なる
・米国債は格下げされると、長期金利は逆に下がった。人気が集まり買われた
・格付けシステムはソブリン債にまともに機能していない。日米の国債は格付けが機能しない
・GDPは付加価値の合計であり、需要の合計であり、所得の合計である
・2011年5月時点の米政府の負債残高は14兆ドルに達し、日本を上回る
・米国は政府が債務上限を引き上げようとするたびに、議会が紛糾する歴史を繰り返してきた
・1970年代以降、先進国の多くでは、国内の労働生産性が低下した。グローバリズムや資本移動の自由が拡大したことで、 国内で技術に投資して生産性を高めるより、海外の安い労働力を用いたほうが手っ取り早かった。
・中国人民はナショナリズムの基本になる「選挙権」、「主権」をもっていない。自分の国の行く末を、自分の意思で決定できない
・2011年時点でアイルランドの対外負債はGDPの11.7倍。ユーロにとどまる限り、これを返済できる可能性は低い
・通貨高で破綻した国はない
・2002年以降、ドイツの雇用環境悪化を助けるためにECBは低金利政策をとり、多くのユーロ加盟国で経済がバブル化した
・独自通貨をもつトルコやクロアチアは、2007年まではユーロ高の恩恵で、観光サービスでギリシャよりも競争力を得た
・独仏の政治家は、国内の政治リスクが大きい共同債導入や財政統合には二の足を踏む。EU財務省にも国民の支持を得ることは困難
・ギリシャがプラス成長に回帰するには、ユーロ離脱して、デフォルトしかない。
・2010年後半には上海や深センの物価は香港をも越えた
・天安門事件は民主化運動にインフレに不満をもつ市民が合流したことで拡大した
・中国のGDPの46%を投資が占める。民間住宅投資+民間企業設備投資+公的固定資産(2010年)。個人消費は4割を切る。 個人消費が高まらないのは、人件費が安いこと、社会保障制度の未整備、輸入物価高、不動産バブル。
・日本の対外純資産は2010年末で248兆円で世界最大
・自国通貨建ての国債は将来世代の負担にはならない。日本国債は日本国民が貸し手であり、借り手ではない
・安全という地球人類が共通して抱く願望に関する需要が急速に拡大した
・日米独、スイスは国債デフォルトが起きない。これらの超低金利4カ国が世界のGDPの38%を占める。
・日本の公共投資では用地費が15〜20%に達する。投資の全額がGDP上の有効需要にならない。政府から地主への所得移転になる
・韓国:大手輸出企業を中心に経済は成長。国内の格差は拡大。国民の実質賃金は減り、非正規雇用が増え、労働人口の過半数を超える
・欧州は多文化共生主義を許容した結果、移民が押し寄せ、人口の数%を占めるようになった。不景気になり、真っ先に移民が職を失った。 自国民との軋轢も高まった。移民を受け入れるなら、自国民になることを強制すべき。自国に同化せずに、同じ権利を主張することは認められない。

-目次-
第1章 世界で起きている「財政破綻危機」の正体
第2章 米国発の恐慌がついに始まる
第3章 崩壊に向かうユーロの未来
第4章 中国経済を破滅に導く「国際金融のトリレンマ」
第5章 日本は世界経済の「最後の希望」
第6章 2012年に起こる経済大動乱