読書メモ

・「世界同時不況がすでに始っている! (2時間で未来がわかる!)
(榊原 英資:著、アスコム \952) : 2012.01.06

○印象的な言葉
・いまの大不況はバランスシートを調整する構造的なもの。3-4年、悪くて10年続く。循環的なものではない。じわじわと緩やかに、何年も続いていく。
・2-3年のうちに1ドル60円台もありうる。80円台に戻ることは当面ない。円高というより「ドル安」
・米国では地方銀行が大量倒産。潜在的失業率は20%(就職を諦めた人がいる)。州政府の財政悪化でインフラが劣化。オバマ政権からは経済閣僚が逃げ出している
・EUの二重構造。域内の経済大国と小国、貸し手国と借り手国、工業国と農業国。格差と対立
・電気自動車では部品点数は大幅に減り、自動車産業は単純な組み立て産業になる。産業を引っ張る時代は終わりつつある
・デフレの古典的な定義は「通貨量の縮小と、それに伴う物価の下落」。日本にはお金は市中にあふれている。物価の下落システムが確固としてできあがっている。 デフレはグローバル化の帰結。東アジアとの市場統合が進んだ結果。
・米国入国の際に3時間かかる。指紋を取られ、写真を撮られ、手荷物をチェックされる。国全体からおおらかさや開放感が失われ、過剰な警戒心や閉塞感が広がる
・大国の資金が小国に大量に注ぎ込まれる(⇒一種の帝国主義では?)
・ギリシャでは年金がドイツより手厚い
・いまさらEUやユーロはやめられない。ドイツは弱小国は切り離したい
・中国の懸念材料は輸出依存度が高いこと。輸出額の対GDP比は36.6%。大卒の就職率は4割前後。
・中国の都市と農村の分断政策
・日本にとって中国は輸出先、輸入先として最大。日中関係は大きく逆戻りできない
・中国とインドでは、大転換の時期に10年以上のタイムラグがある
・インドの貧困問題は中国より深刻。偏西風の吹き具合で毎年の農業生産高が左右され、GDPの2%分が変動する
・中国やインドの高度成長により欧米や日本を引っ張り上げることにはならない。中国がようやく日本のGDPに達した段階。インドはさらに小さい。ロシア、ブラジルもまだ小さい。
・全世界の人口の4割が中国とインドに住む。そこに世界経済の重心が移ることはノーマル。アジアの時代が本格的に始まる。日本はアジアの中で生きるべき
・1929年の世界大恐慌以降の通貨安競争で、世界は経済的な対立を深め、大戦争へ至った
・日本で金融緩和をしても、各国が事実上のゼロ金利のため、海外にお金が流れない。そのため円安にはならない
・日本の経済政策の司令塔ははっきりしない。民主党政権には基本的な国家戦略が見えない(⇒著者はそんな民主党への政権交代を煽っていたはず)
・政治家は素人でよい。もっと玄人の意見を聞くべき
・市民感覚ほど危険なものはない。知識を持たない一般市民はメディア報道に影響される
・戦後スタートした様々な制度や組織が金属疲労を起こしている。そこで専門家任せではダメだと市民感覚を導入した。その結果、組織のガバナンスが効かなくなってきた。 それがベストなやり方か検証し、修正していくべき。裁判員制度も疑問。
・日本の国民の負担率はスウェーデンの6割。フランスの2/3。スウェーデンは小国だから政策の撤回や修正するのも早い
・格差の拡大を黙認すれば社会はギスギスし、荒廃していく
・日本の家計の金融資産の正味の残高は1,080兆円(2010年6月末)。国債残高との差は200兆円。今後、毎年50兆円ずつ国債を発行して4年分。
・懐石料理。侘(わび)・寂(さび)という風趣の根底にあるのは季節感
・語学の鉄則は、たくさん聞き、たくさん話す。いちいち翻訳しない。ものにするには最低2,600時間必要。1年留学すれば、1日7時間として365日で2,600時間をクリアする
・大局観:過去から現在に至る大きな流れをしっかりつかむ。大河の川筋は今後、20、30年は大きく変わらない
・ノートを取ろうとすると理解がおろそかになる。授業が終わってから頭に残ったことを書く
・株式はインフレに強いがデフレに弱い
・金(きん)はドル建てで取引されるため、為替の影響を受ける

-目次-
第1章 世界同時不況がすでに始っている!
第2章 アメリカ、ヨーロッパは「失われた10年」に突入した!
第3章 中国・インド経済が世界の中心で“繁栄”を叫ぶ!?
第4章 「1ドル70円」時代で、どうなる? 日本経済