読書メモ

・「日本の成長戦略 〜こうすれば必ず甦る!
(堀 紘一:著、PHPビジネス新書 \952) : 2012.01.22

「地方の高校を出た人たちが、地元できちんと就職できる職場があること」が日本の重要な課題だという。 著者のいう日本の「新成長戦略」とは以下の3つ。@コストでなく付加価値で勝負、A単品でなくセットで勝負、B大ロットでなく小ロットで勝負。

○印象的な言葉
・都会にしか働き口がない社会は異常
・福祉でなく「老人産業」で成長せよ
・量産化では韓国、台湾、中国に勝てない
・「世界で一番清潔好き」が大きな強み
・「深く考えようとしないマスコミ」(⇒脊髄反射ばかり)
・所得税ゼロ、相続税100%にせよ。世界から才能が集まる。財産は自分の代で使い切る。使い遺した分は国がいただき、有効に使う。消費が伸びる
・モラルなき国家
・インド陸軍との連携(⇒対中国戦略)
・日本に必要なのは研究所と工場の中間のようなタイプ。産業用の工作機械など。少しくらい人件費が高くても、それに見合った複雑なものをつくる。 真面目で器用な日本人の特性を生かした小ロット・高品質の生産。
・サービス業に頼るのは無理。人間をロボット代わりに時給いくらで使おうという気持ちが強すぎる。製造業には労働者の経験や創意工夫を大切にし、人間として扱う伝統がある。
・新幹線は高付加価値商品。車両そのものの優秀さ、運行マニュアルのソフト面まで加えた総合力に優れる
・航空システムは時間が不正確で乗り降りが不便。その大雑把さはアメリカ文化
・「ふじ」は香港では甘くておいしい林檎の代名詞。「ふじ」でなくても「ふじ」といって売っている
・日本では保険医でいたいなら保険外診療をしてはいけない。高度医療の多くは保険外。
・指を失った人の指に豚の膀胱を乾燥させた粉末を振りかけたら、指が再生(アメリカ)
・医療観光:国債医療機能評価の認証を取得する。医療通訳。医療滞在ビザの発給
・寝つきがよくなる商品はヒットするはず
・日本の相対的貧困率は、OECD加盟30カ国中、4位(2005年)。4番目に貧乏人が多い国
・今の日本はヒトラーが登場したときの状況に酷似。国民の不安、不満、イライラがピークに達する頃、ヒトラーは登場。当時のドイツは政策の安定性に欠け、大衆行動に訴える政治家の台頭を許した。
・日本の教育は記憶力重視。自ら「考える」習慣が育っていない。政治家もマスコミもあまり時間をかけて考えようとしない。ママの言いなりでなく自分の頭で考える。親子の会話
・江戸時代の人口3千万人。当時、国内で取れるエネルギー源ではそれを養うのが限度だった。明治維新後、医療の発達により死亡率が低下すると人口が増えだした。 昭和初頭には6千万を突破し、それを国内だけで養い切れないため、旧満州へ人を送るようになった。
・日本は総合力で勝負すれば何倍も力を発揮する。いろいろな産業を組み合わせる。
・日本は国土が狭く、そこにひしめき合って暮らしているから、環境問題には敏感
・仏壇をアジアに輸出せよ。アジアには仏教国が多い。(⇒狭小住宅、賃貸派向けのポータブル仏壇)
・韓国政府は自国の映画、TVドラマを無料でアジア各国に提供。韓国の著作権法では、出演者や製作者には権利が存在せず、放映許諾を取ることが容易
・韓国はベトナム戦争で米軍と一緒に戦った
・大新聞やNHKの戦争責任は三井・三菱以上にあった。なぜ財閥解体のときに解体されなかったのか?
・企業間競争の時代は終わった。21世紀は再び国家間競争の時代になる。米中ががっぷり対決。
・今の東大は30年前の6割の学力で合格できる
・日本の英語教育は、力を入れる方向を間違えている。日本には英語が話せない経営者が多い。英語を話せない英語教師に価値はない。外国人や塾講師を雇え。
・明治政府はクラーク博士を総理大臣の3倍の高給で招聘した
・学歴も資格も単なる「許可証」にすぎない。免許皆伝の証ではない。ペーパー試験に受かる才能とビジネスの能力とは全く別物。公認会計士も増えて、簡単には雇ってもらえない。
・大学の2年間の教養課程は廃止。高校教育の繰り返しは意味がない。すべて専門課程にする。それもすべて理科系にする。文科系の授業は不要。法律や経済は大学院で学べばいい。 文系大学の講義は意味も価値もない。ビジネスの世界では役に立たない。
・アジア文化圏は中国で九分9厘OK.
・財産を遺された子供、遺されなかった子供は生まれたときから平等でない。お金は1,400兆円も溜め込むものでない。使ってこそ価値がある
・民主党のマニフェストなど国民の誰も信じていなかった。それを最大限実行することが責任だと民主党は勘違いをした
・日本を守っている米軍に「出て行け」という態度は、誰もが腹が立つ
・相続税100%なら、政治家の世襲もなくなる。書画骨董の類も相続させない。国の財産になる。必要なら貸し出す。
・授業料、教科書代、食事つき寮費もタダでいい。後で働いて返してもらえばいい
・韓国は郷土意識が強く、子弟養育システムが成り立っている。子供の授業料を村で工面したり、住まいや生活費を村の出身者が援助したり。
・韓国は財閥に富が偏っている。中小企業が育たず産業の裾野が狭く、貧富の差が拡大
・「村八分」は助け合いの精神。火事や葬式(これが二分)があったときは皆で助けよう。情誼、厳しさがあった。
・ベトナム戦争を契機にアメリカ人の心が荒れて、モラルが低下、犯罪も増えた
・日本の「和」のチームスピリット、モラルで世界で戦っていける
・日本は脇役で生きていく。金融主義への対抗手段は、彼らに関わらないこと
・米国はアングロサクソンの国でなくなった。ユダヤに押さえられている。
・対イスラエル問題は話し合って解決するような問題でない。ユダヤ人はこの世が「食うか食われるか」の食物連鎖の論理で出来ていることを世界で一番理解している。 水の支配、分配を変えない限り、パレスチナ問題は解決しない。
・ウラジオストック:「東を支配せよ」の意
・中国は台湾を、香港やマカオと同じ一国二制度で構わないと言い出すはず。その次は日本の番
・米大統領の警護に当たるのも海兵隊
・巨大市場の高成長期待を背景とした中国企業の資金調達力に日本の大企業も太刀打ちできない。技術力はあっても経営力がない会社は中国企業に買われていく
・教育は10年、20年で意味をもつ。特効薬はない

<その他>
・欧州の高級ブランドのような高付加価値戦略で勝負という。それが一体、どれくらいのボリュームが見込めるのか?全日本人を養えるだけの市場があるか?
・寿命がきているのに、更に長生きさせることにコストをかけるべきか、子供を増やすことに注力すべきか

-目次-
第1章 高卒者が地元で働ける社会にせよ
第2章 日本凋落の現実を直視せよ
第3章 新たな輸出品を創造せよ
第4章 大胆な教育改革を断行せよ
第5章 これから必要な人・邪魔な人
終章 日本が絶対にやってはならないこと