読書メモ

・「この国を出よ
(大前研一、柳井正:著、小学館 \1,400) : 2012.01.02

○印象的な言葉
・サラリーマン根性の蔓延とともに日本経済は衰退した。ビジネスマンは自ら考えて行動するが、サラリーマンは指示された仕事をこなすだけ
・日本は「彷徨う難破船」。それは(世界第2位のGDPという)過剰な自信(勘違いだが)からきている
・1960年代の学生運動。アジ演説は内容がなかった。本気で何かを変えようという気迫も行動もなかった
・自己否定:自分は間違っているのではないか。もっと他に良いやり方があるのではないか。成功している時こそ、自己否定
・国内で作られる工業製品が国際競争力を失った
・バブル崩壊後、繰り返された「緊急経済対策」などのバラまきで、国民の税金300兆円が使われた
・企業や国民は一方的な被害者ではなく「共犯」
・アジアでは日本を馬鹿にする風潮が生まれつつある。日本人はアジアの国々を見下すような態度を取ってきた。韓国勢は「日本は敵じゃない」と自信をもった
・21世紀の新しい「雁行モデル」:中国と台湾を先頭に、BRICsやVISTAなどが追いかける。IT革命により新興国が容易に先進国にキャッチアップできるようになった
・日本人は情緒的な民族でロジカルが苦手。繊細な美意識など感性は優れている。洗練されたものや本当に良いものを見分ける目をもつ
・日本が国債デフォルトに直面したら、約65兆円もの米国債を売り払わざるをえない。日本は米国を道連れにクラッシュすれば、世界経済は崩壊する
・財政再建のためには日本の実力に見合った生活レベルまで引き下げる協力を国民に求めるしかない。予算規模は今の半分にする。税収40兆円と国債10兆円で生計を立てる。 それにより警察官や教師は半分になる。
・借金はなるべく早く現役世代が返すべき
・高校は義務教育でもないのに、なぜ授業料を無償にするのか?
・日本が経済大国になったのを官僚たちは自分の手柄のように錯覚している
・SPA:製造小売業
・日本の業界の自主規制の歴史:自動車の対米輸出、カラーテレビ、工作機械なども
・日本企業では「失敗」という最も貴重な経験が共有されていない
・米ベクテル社では一つのプロジェクトが終わると時間をかけてデータを集めて蓄積する。学んだこと、取引してはいけない企業、資材購入してはいけない企業、使ってはいけない人々など。
・市場よりも早く動く。これが政治家の役割(英国キャメロン首相)
・日本病:かつてのイギリス病と同じ
・世の中にまったく新しいことなどない。企業に求められる使命は今も昔も同じ。ビジネスマンに求められるスキルが昔と大きく変わることはない。
・ネット検索すればすぐ調べられる。知識自体の価値は相対的に低下している。深い洞察から答えを導き出すスキルの価値は上昇。問題の本質を見抜いて解決する力。
・世界には日本の50倍の人間がいる。チャンスも50倍に広がっている
・上司やリーダーに求められるのは、不調のときや落ち込んでいるときにこそ、自分と同僚たちに期待して、みんなを元気づける能力
・知的労働者の時代(ドラッカー):専門性と知識を生かして自ら考え行動し、企業経営を支える労働者
・トヨタ失速の最大の原因は「目標の喪失」
・最大公約数のファッション:どの国、どの民族にも共通するインナーや定番アイテム。高品質と機能性が付加価値。高品質と価格のバランス
・企業の将来はリーダーが何人育つかにかかっている。GEは売上の1%を教育費用に充てている
・ユニクロは、現場社員や中堅幹部が役職にかかわらず機能的・有機的に協力する社風
・ン本に好意を寄せる国(や人材)を増やすことが、日本が発言力と安全保障を高めることに繋がる
・同じ社会貢献ならビジネスでその国に貢献したほうがいい
・英語は日本語より表現や語彙が限られる分、ニュアンスが極めて広い。ビジネス英語では間接話法を多用する
・消費税の増税は所得税や法人税が高いままでは難しい
・資産に課税せよ。1%で十分。個人金融資産と不動産資産を会わせれば、2500兆円。1%なら25兆円の税収。法人部門を加えれば更に10兆円。 消費税は欧州型のVATにする。付加価値の総体であるGDPに課税する。10%としても50兆円の税収。これで所得税と法人税を全廃できる
・参議院ではほとんど議員立法は行なわれていない。そんな参院議員に年間170億円かかっている
・デンマークの学校では先生という呼称をやめ、「ファシリテーター」(促進させる役割の人)に変えた

-目次-
プロローグ もう黙っていられない ─柳井正
第1章 絶望的状況なのに能天気な日本人
第2章 誰がこの国をダメにしたのか?
第3章 変化を嫌う若者だらけの国を「日本病」と呼ぶ
第4章 「理想の仕事」探しより「自力で食える」人間になれ
第5章 21世紀のビジネスに「ホーム」も「アウェー」もない
第6章 日本再生のための"経営改革案"を提示する
エピローグ 日本を出よ! そして日本へ戻れ --大前研一