耶馬溪へ行ったのは何年前だったのだろう、自動車道の九州横断道もなくて阿蘇を越える一般道を通らなければならず、水俣を早朝出発して夜遅く帰る強行軍だった。便利になったとは言え、今回はもうそのような無理もできない年齢になっていたので、耶馬渓に近い温泉で一泊するスケジュールにした。
 車にはカーナビが装着されているので、楽に目的地まで運転できた。ただ紅葉の時期判断が難しく、見頃に日程を組めずちょっと心配したが、まあ満足できる景色を眺めることができた。豊後森から深耶馬渓への道で、トンネルを出ると素晴らしい紅葉が見られたので、以前来た時のことに思いを巡らせクルマを走らせた。深耶馬渓の展望台で美しい眺めを堪能し、美しい紅葉を眺められる店で昼食をとった。

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 深耶馬渓を後にして、青の洞門を見物に行った。でも、観光地化は進んだが洞門は荒れ、見るに忍びなかった。無理に切り開いて作られた国道が貴重な遺産の破壊に拍車をかけているようだ。
 以前は羅漢寺へ登るの大変だったので諦めていたのだが、今回はリフトが設置されていたので羅漢寺まで登り、さらに山頂まで登り、展望台から遠くに阿蘇の山々を眺めることができた。しかし羅漢寺を開いた人たちはどのようにして資材を運び上げたのだろうか、急斜面の窪地にある羅漢寺から見下ろすとそんな思いに駆られる。昔の人は凄かったな、と感心するばかりだった。
 同日は日田市に宿をとり、美しい夕日を眺め、温泉に浸って夕食をとった。こんな贅沢な時間を持てたことに感謝するばかりだった。
 翌日は阿蘇を通り帰ってきたが、カーナビに頼りっきりの運転で、これでは道を覚えないな、と反省したところだった。
 一泊二日、好天に恵まれ深まりゆく秋を感じながらの楽しい小さな旅だった。