ドイツを訪ねるのだったらどうしても行ってみたかった街のひとつがドレスデンだった。 先の大戦で原爆によるのではない空襲によって、徹底的に破壊された街がどうなっているのか、歴史ある街のたたずまいがどうなっているのか、とても興味を引かれるものだったからである。
 ドレスデンは先の大戦で”無防備宣言都市”を宣言していたのだが、戦争の狂気で狂った戦略家がたてた作戦で、多くの人命が一瞬にして奪はれる大爆撃を受けたのでした。 第二次世界大戦終戦の年、1945年2月13日の夜、イギリス空軍のランカスター爆撃機約240機が大量の焼夷弾を投下、同14日の夜半、ランカスター爆撃機約500機が大量の爆弾を投下、 同日昼過ぎアメリカ軍機が機銃掃射及び大量の爆弾を投下した。イギリス軍が投下した爆弾、焼夷弾は2,978トン、アメリカ軍のそれは783トンだったと言う。数派にわたる爆撃を行ったのは、 爆撃の後で市民が片付けのため地上に出てきたところを狙ったものだった。この非人間的な爆撃の犠牲者は15万人にも及んだといわれている。ヒトラーの狂気は非難されるが、このような作戦を立案した者も同罪である。
 現実は予想していた以上に再建が進み、60年の歳月はあの悲しい出来事の跡を残すことなく、ドレスデンには美しい歴史的景観が戻っているのに心打たれるものがありました。再建なった聖母教会の祭壇の前で人間の愚かさを悔い、主の救いのみ業を祈り求めたのでした。

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