F2PRO Ver3.0取扱説明書

特長

F2PROはF3E送信機のマイクラインに変調用可聴周波数(約800Hz)をミキシングし、F2A電波を送信できるようにするためのアダプターです。

内部にはセミブレークイン回路を内蔵し、PTTを操作せずに電鍵操作のみで送受の切換えが可能で快適な運用ができます。サイドトーンにより符号をモニターすることができます。またA1A送信機、J3E送信機との接続も考慮されており、オールモードトランシーバーと接続することによりその機能をフルに発揮出来ます。

回路と動作のあらまし(抜粋)

F2PROはマイクアンプを内蔵しています。ツインT型発振回路にて作られた800Hzのトーン信号は、バッファμPC358HAを介して適性レベルに設定され、マイクラインとミキシングし送信機のマイク端子に送信信号として加えられます。

トーン信号のレベルは2kΩの半固定抵抗で可変できるので、接続するF3E送信機の入力レベルに合わせて調整してください。(モードスイッチF2Aの時)

電鍵信号はフロントパネルのMANUAL/SEMI BK−IN切換えのトグルスイッチを上側に倒すとディレイ回路4069が働きセミブレークイン運用ができます。遅延回路の時定数は1MΩの半固定抵抗で0.2−2sまで可変できます。電鍵操作中はハンドマイクから外部雑音を拾わない様に、ディレイ時間分マイクラインをミュートします。マイクのPTTスイッチを押すと遅延回路に割り込みがかかり、TXはPTT優先になります。このとき電鍵操作をしつずけるとトーン信号と、音声はミキシングされる様に考慮されていますので、相手局にモールス信号のレッスンもすることができます。

電鍵信号はまた、バッファ4069の13ピンをアースにおとして、RN1202を介し外部出力端子にキーイング出力として取り出しています。この端子をトランシーバーのKEYジャックと接続することにより、A1A電波が送信できます。この場合はスイッチをMANUAL側にすることにより内蔵遅延回路は働かず、送信機側のセミブレークイン回路で送受の切換えが行えます。

TR−1300のようにCWモードのないJ3E送信機の場合には、トーン信号をマイクラインに伝送することにより、電信による運用ができます。この場合、電波型式はA1Aになります。モードスイッチをSSBにすることにより、トーン信号レベルの高い変調出力が得られますので、A1A送信機と較べても遜色ない電波が送出できます。但し、送信キャリアはツインT型発振回路の歪に左右されますので、送信スプリアス特性はA1A送信機には及びません。

電波型式の表示について

従来               改正電波法(平成16年1月13日以降)

A3J              J3E

A1               A1A

F3               F3E

30F2(モールス符号によるもの)  30K0F2A

※F2A電波はは占有周波数帯幅が無線設備規則第6条(別表第二号
第1 占有周波数帯幅許容値の表)に定める3kHzより広い。
第4 第1に定める電波の型式を使用する無線設備であつて次の1に掲げるものは
第1の表に規定する値にかかわらず、別に指定する。この指定をする場合には
電波の型式に冠して表示する。
1無線設備の区別
(3) 200MHzを超える周波数の電波を使用するもの。(第1の表に定めるものを除
く。)
表1に定める占有周波数帯幅以内であれば、200MHzを超える周波数で
特に冠して表示しないが、これを超える場合には、個別に冠して指定すると
いうことになってます。
ゆえにF2Aの前に占有周波数帯幅を表す記号を冠して指定される。

145MHzまでは3kHzを超えるF2Aはは指定しない。435MHz以上の
3kHzを超えるF2Aは個別に指定する。
F3E送信機にF2Aアダプターを接続すると800HzのOSCであっても、
波形が歪んでおり、2倍の1600Hzも出ているため、3kHzの幅には
おさまらない。 したがって、30kHzまでは広がらないかもしれないが
法を遵守するならば、30K0F2Aの指定をもらわないと運用できない。

尚、F2Dパケットも3kHzを超えているが、正しい電波形式で指定されている
局は少ない。メーカー製のトランシーバーで、9600ボー高速パケットの
電波形式はF1Dとしているが、F1Dの占有周波数帯幅の許容値は2kHzであり
本来であれば、30KOF1Dの型式になるはずであるが、カタログや取説では
F1Dとなっているにもかかわらず、法第三章の技術基準に適合している
ことの保証を受けている。