第一章:下準備

1.1:オリジナルカードの作成に必要となる機材

 NEC PC9821Nw150(ノートパソコン、MMXPentium150MHz、Memory128M、HDD6GB)、Graio mouse(ELECOM製マウス、現在は製造中止)、CanoScanFB620S(スキャナ)、Adobe Photoshop、Adobe Streamline、大学ノート、使い慣れた筆記用具、ミリペン、白のボールペン、雲形定規、そして何より大事な制作意欲。

 これだけ揃えば、オリカの作成は可能である。
 なぜならば上記のものは全て、実際に私がオリカ作成の際に使用している機材だからだ。
 この講座を見ることができる人ならば、この程度の機材は既に手元に揃っているものと思う。
 揃えづらいものとしては、スキャナやAdobe製のツール類など値段が張るものが挙げられるが、これらのものは何らかの方法で代用が利く(*1)ので、所持していない人は各自工夫して何とかするように(*2)。

*1:
 ツールの方はフリーのツールを探すとか、ウルトラキッドなどの安いツールを購入するという手が使えるし、スキャナの方はいざとなればラップスキャンという手もある。
*2:
 敢えて注意する点があるとしたらパソコンのメモリ容量に関する事くらいである。
オリカのデータは一般にかなり大きな容量となるので、メモリは十分に用意しておきたい。 実際、128M程度だとしばしば苦労する事がある。

1.2:キャラクターの選定

 機材を揃えさせておいてなんではあるが、オリカ作成の下準備の段階では用意した機材は全く使用されない(オ

 まず最初にするのは作成するキャラクターカードのモチーフとなるキャラクターの選定である。
 基本的には自分の好きなキャラクターを選べば良いのだが、個人的な意見としては、作成するキャラクターがあまりにも強すぎたり(*)突拍子もなかったりすると原作のイメージと完成したカードのイメージに差が出過ぎるので避けた方が賢明である。

 今回の講座では某所から依頼のあったKanonの水瀬名雪(猫どてらバージョン)を題材とする事にする。

*:
 例えば、ドラゴンボールのベジータとか吸血鬼ハンターDのDとかだと元のキャラが強すぎるので、原作そのままに作るとゲームで使えない(使わせてもらえない)し、その逆にバランスを取ると原作のイメージとかけ離れてしまう。

1.3:資料集め

 作成するキャラクターが決定したならば次にするのは資料集めである。
 この場合の「資料」は絵の資料ばかりを指すのではなく、能力値、特殊能力の設定に用いる文章資料なども含む。
 ゲームを題材にするのならば、そのゲームを完全にクリアするのは当然の事。
 私がKanonのオリジナルカードを作った時には、ゲーム中の文章をすべてテキスト化してそれを読破してから能力値などの決定を行ったものである。

 今回のカードに関しては、その時の資料が残っていたため改めて資料収集をする必要はなかった。

1.4:ポーズ決定

 この作業は作画に直接的につながる部分となる。
 まずは頭の中でキャラクターに合ったポーズを決める事から始める。
 作成するキャラの性格や、物語の中でのそのキャラのエピソードを思い返し、最もそのキャラの性質を表していると思えるポーズを想起していくのだ。
 このポーズ決めによってカードの印象のかなりの部分が決まってしまう(*1)ので、このプロセスはあだやおろそかにしてはいけない(*2)。

 今回の名雪に関しては、作中の「ねこ〜ねこ〜」のイメージがあったので、猫系キャラを抱きしめて頬擦りをしているイメージでまとめてみようと考える。

*1:
 製品版準拠でない、フレームオーバーなどを活かした「華のある」オリカを作りたいのであればこの段階で意志を決めておく事。製品版準拠の場合、フレームは絶対的な意味を持つので、フレーム内に収まりつつ見目が良くなるようなポーズを考えなくてはならないからだ。
*2:
 稀に発売されてもいないゲームのオリカを作っている人を見かけるが、個人的な意見としては、プレイもしていないゲームのキャラのポーズを憶測で描いても本当に良いものはできないので避けた方が良いと思う。
 ましてや能力値や特殊能力に至っては……。

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