勝つと思えばあっさり負ける。ダメかと思えば強く勝つ。その日の走りは、気分まかせ、風まかせ。 人を裏切るほどにジョージの人気は高まった。昭和51年春、天皇賞。天才福永洋一の手綱に応える雨中の大逃げ。 あれよ、あれよという間に3,200メートルを逃げ切った。狂気の沙汰の勝ちっぷり。走りたいから走ったまでよ、そんな風情のエリモのジョージ。憎くて、愛しいヤツだった。