1000形


1000形は、1972年の伊勢佐木長者町〜上大岡間開業時に投入された車両で、14編成(84両)が在籍していました。

登場当初は冷房を搭載していませんでしたが、1989年から1993年までに全車両が、冷房化改造を含む大掛かりな車両更新を受けました。更新車両では、各車両に英語表示付きのLED式次駅案内装置を1基、電灯式の次駅案内装置を2基設置しました。また、先頭車両の運転席寄りにはボックス座席と車椅子スペースが設置されました。

作者は長らく戸塚に住んでいましたので、非冷房車を見る機会がありました。写真は持っていないので文章による説明となりますが、更新車両と未更新車両との間で、運転席側の仕切りが白ではなく緑色になっていたこと、行先脇の運用番号表示がデジタル式ではなく、方向幕式になっていた等の相違点がありました。

ちなみに、地下鉄が上永谷止まりだった頃は3両編成で運転していたそうで、先頭車両が制御電動車になっているのはその名残かと思われます。そのころは、戸塚駅と上永谷駅との間を連絡する市営バス(昔の53系統)が多数あったそうです。

市営地下鉄開業以来30年以上活躍した1000形ですが、2004年より3000R形への置換えが進められ、2006年12月をもって全ての車両が引退しました。


 

1000形・第10編成

湘南台延伸前の1000形の写真です。「戸塚」の行先表示も、今となっては懐かしいです。

登場当初は非冷房車でシンプルな屋根構造でしたが、更新後車端部に冷房装置が設置されたため、少々複雑な構造となりました。

 

次駅案内装置(電灯式)

次駅案内装置(LED式)

ドア上部の次駅案内装置は、電灯式とLED式の2種類が千鳥状に配置されていました。電灯式は車端寄りに2箇所、LED式は中央ドアに1箇所の配置でした。

 

座席(人数割りがあります)

1000形の一般座席です。

更新直後は背ずりに人数割りを示す模様がありましたが、しばらくしてこの模様はなくなりました。

 

(2004.02.29)
ボックス座席

車両更新時に新設された1000形のボックス座席です。この脇には車椅子スペースがあり、車椅子スペースの確保のためにボックス席へ改造されたと読み取ることもできます。

元々このボックス席は優先席として他の座席と区別されていましたが、現在は全席優先席となったため、区別する意味合いが薄れつつあります。

 

(2007.01.21)
1000形・第14編成

1000形各編成の淘汰はランダムに進められましたが、結果的に第14編成が一番最後まで残りました。

第14編成は2006年12月に開催されたイベントでラストランを披露し、新羽車両基地での展示をもって引退となりました。ラストランでは「臨時」の表示を出していましたが、営業用の方向幕には含まれていなかったため、特別に貼り付けたもののようです。

 


性能概要

形式

1000形

編成数

14編成・84両

電動機制御方式

電空併用発電ブレーキ及び応荷重装置付多段式カム電動機無接点制御[市電保存館の資料に書かれていましたが、ちょっと厄介な表現です。](8M1C)

その他

1989〜1992年度にかけて、冷房化、次駅案内表示、LED案内装置、車椅子スペース、先頭車両における優先席のボックス座席を追加するなどの車体更新工事を施行済み。
2006年12月までに全車引退済み。

 

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