ORZELは当時の潜水艦としては重武装で、魚雷発射管を12門装備していた。艦首に4門、艦尾に4門、また司令塔前後の上構部にフランス式の外装旋回式発射管を設けている。このほか、左右のバラストタンク内にはノルマン・フェノー垂直敷設管の装備が可能で、計20発の機雷を携行できた。砲熕兵装としては司令塔前部に40口径105mm砲1門、ほかにボフォース40mm機関砲2門を装備していた。
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マイナーアイテムだけに手を出しにくいが、買ってソンはないキットといえる。
なお僚艦であるセップも同時に発売されており、基本的には同型艦だがこちらは前部砲搭のカバーがなく、セイル形状が異なっている。価格はそれぞれ900円(東神奈川ラッキーにて)
なお時間の関係もあり、今回は単に左右の違和感の解消のみに止めたが、キットでは艦首方向に向かってなだらかにラウンドしているのに対し、実艦の写真を見ると頭頂部はほぼ水平であるので、本来はこのように直すべき。
もうひとつの問題点は上部の空気抜き孔であって、左右でまったく位置が違ってしまう。一旦パテで埋めた後、再びモールドを起こすのがもっともいいが、スケールから考えると単に適当なデカールを貼ったり黒色塗料で描き込むだけでも十分な気もする。作例ではお手軽にスミ入れ用ガンダムマーカーを使ってフリーハンドで描いている。
機銃などが収まる開口部の床部分は、そのまま取り付けると隙間があいてしまう。また上構とのつながりもよくわからない表現になっており、修正したいのだがこのアングルを撮った写真がみつからず、基本的な工作をするだけに止めた。
解決するには推進軸を切断し、真鍮線などで自作するとともに基部を延長してやればいいだろう。前部の潜舵ガードはキットのものをそのまま使用したが、やはりどうにも太すぎて実感を損ねている。目立つ部分でもあり、ここは真鍮線などでの自作を強くお勧めしたい。
これではほとんどイギリス機の迷彩である。
H107WW1パープルは近似色が見つからなかったので、カラーチップに一番近い色としてタカラ・ダグラムカラーの22ダークブラウンを使用してみた。
最後に喫水の黒いラインを書き入れ、全体にエナメルで軽く汚しをかけて完成。次は僚艦であるSEPも作ってみたいものだ。
項 目 名 | |
ジャンル | WW2 潜水艦 |
名 称 | ポーランド海軍潜水艦ORZEL(オルツェル) |
メーカー | INNEX |
スケール | 1/400 |
マーキング | 艦番号、旗、喫水線など |
モールド | シンプルだが必要にして充分 |
スタイル | 個性的なスタイリングをよく再現している |
難 易 度 | 組むだけならあっという間 |
おすすめ度 | いいキット。小国潜水艦マニアなら必作! |
コメント | 99、00と静岡ホビーショー・クラブ合同展「多国籍モデリングの会」ブースで展示。 |