たほいや用語集


第 1.2.1 版


 
あいてむ【アイテム】
 親が写した広辞苑の説明と、子がでっちあげた擬答の総称。

 
あて【当て】
 子が、アイテムのなかから広辞苑を選択して正解すること。または、広辞苑を選出しようとする行動。ローカル・ルールでは、子は当てを一斉に表明することにしている。

 
いってんとっぱぜんめんてんかい【一点突破全面展開】
 当ての戦法の一。自分が最も苦手とするプレイヤーの擬答をまず推測し、残りのアイテムから当てにゆくこと。小学館ビッグコミック・オリジナル「ラストニュース」(原作猪瀬直樹/作画弘兼憲史,単行本全 10 巻)の主人公・日野湧介の常套手段から転じた。

 
うく【浮く】
 そのアイテムが、他のものとカテゴリーまたは表現方法が違っている状態を表す。主に、それが正解ではないと判断される場合に用いる。

 
おきなわ【沖縄】
 たほいやんに一番人気のある地方。日本語らしくない語が出題された場合には、つい外国語を書きたくなるが、そうそう亡命ばかりしてはいられない。そこで広辞苑にも豊富に掲載されている沖縄にちなむ言葉に頼ることになる。特に八重山地方が好まれる。

 
おやまん【親満】
 子がみんな当てをはずし、親の一人勝ちとなること。親完勝または(親)完封ともいう。麻雀用語そのもの。

 
おやまんそっけつかみひとえ【親満即決紙一重】
 親満を狙って余りにも語感の強い語を出題すると浮い擬答ばかりが集まり、逆に即決におちいってしまうことを戒めることわざ。

 
かき【書き】
 子が擬答をでっち上げること。

 
かきあじ【書き味】
 1つ1つのアイテムに漂う文章の風格。一番味のないのが広辞苑だったりすることもある。

 
かんじ【漢字】
 たほいやを複雑にし、または魅力あるものにするものの一。アイテムについて、聞いただけでは意味が分からず、誤解があるままに当てなければならないことが多い。このためローカル・ルールでは、漢字についての質問に対しては親が権限を持つことにしている。
 
ぎとう【擬答】
 出題語に対して、子がもっともらしく書いた辞書もどきの説明。

 
くーる【クール】
 ローカル・ルールでは、親は順番に務めることになっている。親が1回りすることを1クールと呼ぶ。

 
しずむ【沈む】
 そのアイテムが、正解とは思われないような、魅力のない説明であることを表す。正解を沈ませることが、親勝ちへの道である。

 
そっけつ【即決】
 親が出した問題が、子の全員から正解を当てられること。正解発表を待つまでもなく、勝敗が決することから言う。

 
たほいやん【TAHOIYAN】
 たほいやをする人、または経験したことのある人の意。

 
とがき【ト書き】
 難読文字の読み方,あるいは他の子からの質問にどう答えるかなどを親に指示する目的で、子が回答用紙のなかに書いた注意事項のこと。

 
ながれ【流れ】
 ゲーム進行中のプレイヤーの意思の総体。親の基本は広辞苑のなかから流れに逆らった語を引くことであり、子の基本は流れに沿った擬答を書くことである。

 
のー・げーむ【ノー・ゲーム】
 ゲームが成立しないこと。ローカル・ルールでは、既出語が出題された場合と、全く同じ音からなるアイテムがあった場合の2つがある。この場合、親はもう1度引き直す。
 後者も実際に起こったことがある。小梅谷の出題した「ももんじい」に対して、忍太郎が「モモンガの異称。」,宿酔が「ももんがの異称。」と擬答した。

 
はっぱ
 子が擬答のなかで、口からでまかせの単語を混ぜること。昔、パイロット万年筆のCMで大橋巨泉が、「みじかびの きゃぷりてとれば すぎちょびれ すぎかきすらの はっぱふみふみ」とやって大評判を取った。私はこういうのが好きで何度か試みたが、あまり当てにならなかった。よい戦法ではない。(参考図書 深川英雄著「キャッチ・フレーズの戦後史」岩波新書)

 
はばはばだいおう【ハバハバ大王】
 われわれのたほいやのイメージ・キャラクター。このホーム・ページで唯一登場する絵(どこでしょう?)は、実は彼を描いている。ファンタジーの奇才、忍太郎が問題22で創出した。
  いかりの−   【怒りのハバハバ大王】  即決のこと。
  −のたかいびき 【ハバハバ大王の高鼾】  ふうがん崩れのこと。   
  −のたかわらい 【ハバハバ大王の高笑い】 ふうがんのこと。

 
ばらき【バラキ】
 子が表明した当てが、ばらけていること。昔こういうタイトルの映画があった。

 
ばらけおやまん【ばらけ親満】
 バラキかつ親満であること。子のみんながみんなに騙されることであり、引きが良く、全ての子の想像力を引き立てなければできない。

 
ばらける
 子が表明した当てが、それぞれみんなちがう状態を表す。引きが良くなければ、ばらけない。

 
ぱれんばん
 「ふうがん」に同じ。小梅谷による。「ふうがん」では語呂が悪いときに用いる。「嗚乎(ああ)憧れのぱれんばん。」

 
ばんづけ【番付け】
 親がアイテムを読み上げるために、番号をつけること。流れに逆らおうと苦悶する人、自分でも分からないようにかきまぜる人、1番を正解にするのが好きな人、様々である。

 
ひかる【光る】
 発想・表現が卓絶していて魅力あるアイテムの状態を表す。通常、子は光っているアイテムを当てにする。そこで子は擬答を光らせようと、括弧をつけたり堅い言葉を用いたりといろいろ知恵を絞るわけだが、その結果は浮いてしまうことが多い。

 
ひき【引き】
 親が広辞苑のなかから言葉を抽出し、問題として出すこと。出題。語源には、辞書を引くことから来たという説と、麻雀用語の流用との二説がある。運に頼らずセンスがものを言うことから、強い/弱いではなく、良い/悪いという。

 
ひとつ【一】
 書きに詰まったときに便利な、広辞苑頻出語の一。はじめの頃「〜の一。」をどう読むのか話題になったが、「〜のひとつ。」で統一見解が得られた。似た言葉に「〜の一種。」がある。

 
ひんしぶんるい【品詞分類】
 当ての武器の一。例えば、動詞と解釈して擬答しているのに、「〜すること。」と書くのはまずい。「〜する。」が辞書的であろう。もっと微妙なミスだが、私は問題33で、明らかに他動詞である「ほだてる」に対し「干上がる。」と自動詞で擬答してしまった。なお、この用語集ではそこまで気をつかっていない。

 
ぴんぽいんとこうげき【ピンポイント攻撃】
 書きの戦法の一。子が、他の子の傾向・性格を読んで、その子だけを対象に擬答を書くこと。1991 年湾岸戦争での米軍の攻撃方法に由来する。

 
ふうがん
 子が一人正解を当て、しかも他の子はすべてその子の擬答を当てにすること。子完勝。宿酔が出題した「ふうがん」に対し、忍太郎が「和菓子の一種。」と擬答して、初めて達成したことに由来する。残念ながら記録が残っていないので、このホーム・ページでは紹介できなかった。5人以上で実施したわれわれのたほいやでは、他に1例しかない。→ぱれんばん

 
ふうがんくずれ【ふうがん崩れ】
 ある子の擬答に他の子の当てが全て集中したが、その子は正解を当てられないこと。私にも経験があるが、こんなに悔しいことはない。

 
べっしょう【別称】
 書きに詰まったときに便利な、広辞苑頻出語の一。似た言葉に「異称」「美称」「〜に同じ。」および「略称」「総称」がある。

 
ぼうめい【亡命】
 書きの戦法の一。外国語,外国の都市名・人名を擬答に書くこと。

 
まるいち【まる1(表記不能)】
 広辞苑の説明として意味が2つ以上ある語を出題する場合には、ローカル・ルールでは、1番目(まる1)の意味を正解にしなければならない。このルールは予想外の効果をもたらした。まる1には言葉の元々の意味が説明されていることが多く、それはしばしば我々現代人がよく知っている意味と異なるのである。

 
まるに【まる2(表記不能)】
 ローカル・ルールで禁止されている、2番目(まる2)以降の意味を正解にすること。→まるいち

 
みたにる【三谷る】
 親が、勝負を度外視して言葉の意味・内容・使い方などを他のプレイヤーに知らせたいがために、出題すること。テレビのたほいやで、脚本家の三谷幸喜氏が多用したことに由来する。

 
われる【割れる】
 アイテムの一つ一つが、それぞれ全く異なるカテゴリーに分類される状態を表す。


監修 有梨格也




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