”The Introduction Of Global Education For JHS Program”

(IGEprogram by M.Matsumoto)

Education for Development

UNICEF’S Guide For Global Learning ---1992


Updated: 97/04/28

 教育における地球的問題への国際意識が高まっている。
1974年にユネスコはすでに、国際教育政策の中に、子どもたちが地球的視野ですべての
人々とその文化を尊重し、世界的な相互依存を認識し、意思伝達の能力を高め、権利と義
務の意識を持ち、連帯・協力の必要性を認め、参加意識を持つことができることを考慮し
ていくようにと提言している(6)。


 最近では、1990年3月にタイのジョムティエンで開催きれた「万人のための教育世界会
議」で採択きれた「万人のための教育世界宣言」には、基礎的な学習のニーズを満たすこ
とによって、個人は、

「・・集団としての文化的、言語的、精神的遺産を尊重し、それに基づいて行動し、他の
人々の教育を推進し、社会正義の大義を推進し、環境保護を実現し、共通に認められてい
る人間的価値や人権が守られることを保証して、自らのものとは異なる社会、政治、宗教
制度に対して寛容になり、相互依存の世界において国際平和と連帯のために働く」

能力と責任を身につけることができるとし、きらに次のように述べている。


「・・教育の発展におけるもう一つの基本的な目的は、共通の文化的道徳的価値観を伝達
し、強化することにある。個人や社会は、それらの価値観の中に自らの主体性や価値を見
いだすことになる。」            一      (第1条2−3節)


155カ国の代表団が集まった歴史的な会議において採択きれたこのように力強い声明の
重要性は、いくら強調しても強調しすぎるということはない。21世紀における学校教育が
「価値感」とかけ離れて実施きれることはむずかしい。今後の教育は、学習者の心に地球
とその上に住む人々を大切にする気持ち、他の人を思いやる態度、基本的権利と人間とし
ての尊厳を守り、往々にして社会的、精神的な危機に陥りがちな世界に道徳倫理観を浸透
きせていくための心の準備をきせる方向に進んでいかなくてはならない。1990年後半に開
かれた「子どものための世界サミット」でも同じような教育未来像が描かれた。


 今日ではこのタイプの教育が望ましい姿と考えられるようになっただけでなく、世界の
子どもの基本的権利とまで考えられるようになっている。「児童の権利条約」の第29条は、
将来の教育の方向について次のようにうたっている。


「・・人権ならびに基本自由を尊重する気持ちを育む・・・」
・・自分の社会のものとは異なる文明を尊重する気持ちを育む・・・」
・・あらゆる民族・国民の間の理解、平和、寛容、男女平等、友情の精神のもとに、
  自由な社会において責任を果たす準備をきせる・・
・・自然環境に対する尊重する気持ちを育む・・・」



 子どもがこれらの問題について教育の一部として取り組む「権利」をもつことが条約に
明言されているということは、子どもたちの究極的な生存、また地球の存続が人道的価値
観と態度の育成にかかっているという理解が広まっていることの反映である。このような
価値観ならびに能力を獲得するという自覚があって初めて、子どもたちは実の意味で地球
市民として育っていくのである。
B、開発のための教育ー定義と目標
ユニセフでは「開発のための教育」をつぎのように定義している。


「・・子どもや若い人々が、地球規模の連帯、平和、寛容、社会正義、環境意識などの
価値観と行動姿勢を確立し、かつ、このような価値観を実践し、地域および地球レベルで
自分たちの生活や社会に変革をもたらすことのできる知識と能力を身につけることを促進
するプロセス」である。(7)



この定義に含まれる開発のための教育の究極目的は、「地球市民意識」(グローバル・シ
チズンシップ)を育てることである。この点に関してはきらに詳しく検討していく必要が
ある。
「グローパル」(地球規模の)
 地球規模の展望をもった教育を受ける若い人たちは下記のような共通した特徴をもつこ
とになる。
*世界のいろいろな部分が相互に深くかかわり合っており、継続的に相互に影響しあ
  っていることをよく把握している。
*社会の出来事に時間的な因果関係のあることを理解する。現在ある状況は過去に起
 こったことないし潮流の結果であり、今日の行動が将来にわたって影響を及ばすこ
  とが分かるようになる。
*状況を大局的に認識する力ができ、真相を究めるためには、ある問題に関するいろ
 いろな側面を知る必要があることを認識する。ある間遠が地域的なもの、国内的な
 ものまたは地球規模のものであっても、政治、社会、文化、環境、環境,宗教、地
 理的条件などの帽広い要因が相互に絡みあっていることを理解する必要があることを
  知っている。
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 「シチズンシップ」(市民意識・市民性)、
 市民意識を重視する教育は、若い人々が自分たちの地域社会、国家、そして地球に対し
て権利と青任を有することを認識するのを助ける。各年齢層の子どもたちに、変革を求め
るプロセスに積極的に参加することが価値あることだという意識を広めていく。より広い
世界で子どもたちが積極的な行動をとるようになるためには、学習過程で、問題意識をもっ
た思考法、協力、決断力といった能力を身につけることが不可欠である。



 開発のための教育とは、つまり、学習者が複雑に絡まる世界で生きるための準備をする
過程ということになる。文化的多様性、急激な変化、不正義、不平等、基本的な生存など
の問題を抱える世界の中では、開発のための教育は、単に開発問題に関する知識を得るだ
けでは済まきれないのである。知識は確かに重要であるが、それに加えて、広義の開発を
推進することに献身する態度ならびに、そのための思考方法と行動を起こすための技能も
身につける必要がある。

 地球市民の目橡を達成するため、またその前提としての知識、技能、態度を高めていく
ようにするためには、開発のための教育は第2章にあげる五つのグローパル・コンセプト
に注目していく必要がある。
 とはいっても、開発のための教育とは単なる概念の枠組みではない。双方向・共同作業
的な学習のための方法論を活用したものである。学習の過程そのものも内容と同様に重要
で、これに関しては第3章で詳しく述べる。
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