東ティモール情勢に係る安保理公開会合における本村国連大使演説



東ティモール情勢に係る安保理公開会合における本村国連大使演説

平成16年2月20日

議長、 本日の公開会合は、東ティモールの今後と国連の役割につき意見交換を行うための絶を多とします。包括的な説明を行って頂いたジャン・マリー・ゲエノ国連PKO局長にも感謝致します。

議長、 日本は、東ティモールにおいて、東ティモール政府・国民の努力とUNMISET及び国際社会の支援により、UNMISETの活動全期間を通じ、行政、重大犯罪の対処、国内治安及び国境管理を中心とする対外的な安全の分野で多くの進展があり、また、東ティモールとインドネシアとの関係が一層強化されたことを歓迎します。

議長、 本年の5月にUNMISETの現在のマンデートが終了しますが、事務総長の報告にあるように、東ティモールの行政と司法制度の支援及び治安・安全の分野において引き続き国際社会の支援が必要だと考えられます。日本は、平和の定着・国造り支援を国際社会が真剣に取り組むべき重要な課題と位置付けておりますが、今東ティモールに定着し始めている平和、法の支配、人権の尊重、開発の試みなどを今後も持続可能なものにしていくことは国連及び国際社会にとり極めて重要です。思えば、東ティモールにおいて国連が暫定行政を行って以来、国際社会の東ティモールにおける取り組みは輝かしいサクセスストーリーであると考えられます。我が国は、東ティモールにおける国際社会の取り組みの成功を確固たるものとするとの観点から、事務総長報告における、「定着フェイズ」として、規模を大きく削減したUNMISETのマンデートを後1年間延長するという提案を歓迎いたします。

議長、 ここでUNMISETの延長に関し、我が国として二つ言及したいことがございます。 まず一つは、東ティモールのような「若い国家」においては、国家建設の分野における文民による支援が極めて重要であると考えられるということです。事務総長報告は、財政をはじめとする政府各部門と司法の分野において助言・指導を行うために58名の文民専門家を提言していますが、日本はこれを極めて適切な提言であると考えます。 そして二つ目は、東ティモールの治安及び安全の観点です。日本は、事務総長報告が「東ティモールの国民は治安及び安全の確保に完全には自信が持てていない」と指摘している点は真剣に考慮すべきと考えます。事務総長報告においては、UNMISETが行うべき任務を具体的に掲げた上、国境地帯における小規模の軍事連絡調整要員の配置、国連要員の安全確保等を目的とした最低限のPKFの展開、及び東ティモールの警察能力の開発を支援するための文民警察の存続が提案されています。右提案は、現地状況の調査の結果を踏まえ、かつ、東ティモール政府・国民の意見を考慮した結果であると受けとめます。我が国は、国連による平和維持活動は、受入国の政府・国民の意思と合致した形で、かつ、国際社会としてのコンセンサスに基づき実施される場合 に、最もその効果を発揮すると信じております。安保理が延長後のUNMISETの具体的な任務をどうすべきかという観点から事務総長報告を真剣に検討することを期待します。

議長、 我が国は、東ティモールの自立的な国造りへの支援の提供においても主要な役割を果たしてきております。 平和構築並びに農業、インフラ整備及び人材開発という主要三分野における復興支援に焦点を宛、独立後三年間で六千万ドルを上限とする支援表明を着実に履行してきています。また、現地に派遣されている自衛隊施設部隊が、UNMISETの活動のために建設、補修を行った道路、橋が、東ティモールの人々にも裨益していることを嬉しく思います。このような支援は、東ティモール政府及び人々のニーズにまさしく適合するものであると考えております。

議長、 我が国は、引き続き国際社会の協力を得つつ、東ティモールの指導層が団結して国を導くこと、東ティモールの国民全てが国造りに参加することの重要性を再度強調したいと思います。

有り難うございました。