「東チモール難民と自衛隊派遣に対する声明」

要請文
報道各位 
                                              1999年11月22日(月)
東ティモールに自由を!全国協議会

西ティモール(インドネシア)の東ティモール難民について 
自衛隊機による物資輸送ではなく、民間機による難民帰還支援を!


 日本政府は、西ティモールの東ティモール難民「救援」のため、自衛隊機の
派遣を本日実施する予定です。自衛隊機による西ティモールへの救援物資輸送
の報道だけでなく、以下のように、西ティモール(インドネシア)の東ティモー
ル難民の実態、軍用機より民間機の方がより安全であるということ、更に、国
際緊急援助隊に関しても是非報道戴きますようお願いします。
 
1. 西ティモール(インドネシア)の東ティモール難民の実態
 しかし、25万人とも30万人とも言われる東ティモール難民は、半ば強制的に
西ティモールヘ連れて行かれ、さらに、人質同様の状態に置かれています。独
立派の男性は、どこかに連れて行かれ、行方不明になっているとの情報もあり
ます。女性の暴力に対する国連報告者のクマラスワミ女史によると、現在でも
女性に対する組織的なレイプが行なわれています。「インドネシア子ども擁護
委員会」によると、西ティモールの東ティモール難民の6割が、14歳以下の子
どもであり、彼らは両親を失ったり虐殺を目撃してトラウマを被っています。
 インドネシア政府は「これら東ティモール難民はインドネシアに残りたい」
と言っていますが、これはまったく根拠のないでたらめです。

2. 民間機による難民帰還支援を!
 帰還に関して、インドネシア当局は、UNHCRとの交渉の中で帰還に際して政
治的発言をさせないように強制しようとしたのです。しかし、西ティモールに
おける東ティモール難民の早急なる帰還が必要であり、そのために日本政府が
すべきことは民間機による東ティモール難民の帰還を支援することが先決で
す。ICAO(国際民間航空機関)によると軍用機の派遣は相手国に緊張をもたらす
など、軍用機の派遣はより危険であると考えられます。したがって、民間機の
方がより安全に難民の帰還を行なうことができます。

3. 民間機による救援物資の輸送を!
 確かに、西ティモールにおける東ティモール難民の少なくとも312人の東
ティモール人乳幼児が難民キャンプで死亡、11892人が病気や栄養失調状態に
あります。もしその救援を日本政府が本気で行なおうとするなら、民間機に
よって食料や医薬品を送る方がより安全でより効果的に実施できます。PKO協
力法でも必ずしも自衛隊が出動する必要はないわけで、この間の日本政府の東
ティモールに対する対応を見ると、まず自衛隊派遣ありきと言う印象を受けざ
るを得ません。

4. 東ティモールに「国際緊急援助隊」を!
 わが国には国際緊急援助隊というものがあります。その前身である国際救急
医療チームは、1982年に設立され、現在は1987年に成立された国際緊急援助隊
の一部として、今まで世界各国の自然災害や難民救援のために活躍してきまし
た。救命救急の医師、看護婦、消防官などが登録され、48時間以内に出動でき
るようになっています。最近では、トルコ、そして、台湾の大地震救援のため
に派遣されました。まさに「顔の見える援助」なのです。ところが、1992年6
月15日に成立したPKO協力法と「改正」国際緊急援助隊法で、その役割が大幅
に制限されてしまいました。PKO協力法審議の過程の中で、政府答弁によっ
て、国際緊急援助隊は自然災害、自衛隊は難民救援に分けられてしまったので
す。したがって、この事は法案のどこにも記載されていません。更に、国際緊
急援助隊法「改正」で、自衛隊は、自然災害にも出動できるようになってので
す。
 1993年から今まで、自衛隊は、カンボジア、モザンビーク、ルワンダ難民
(ザイール)、ゴラン高原(現在も)と派遣されてきましたが、カンボジア、モ
ザンビーク、ゴラン高原は国連PKOの一貫として派遣され、また、されていま
すが、ルワンダの難民のザイールは、難民救援で、自衛隊が派遣されてので
す。
 今必要なのは、民間機による救援物資の輸送に加え、国際緊急援助隊を再び
難民救援にも働けるように(これは、国際緊急援助隊医療チーム(JMTD
R)自身が自ら求めていることです)することが必要ではないでしょうか。