情報サービス演習１(4年生対象)/情報サービス論(3年生対象) 共通講義ノート、
全部で5pあります。
期末試験は英語の辞書（電子辞書は不可）のみ持ち込み可
講義の目標
•図書館が行う情報サービスの理解
–情報サービスの中核であるレファレンス・ワークス(業務)の技法の一端を知る。
•レファレンス業務とは。
•レファレンス業務に必要な資質とは。
•利用者・質問者・パトロンとの接客・付合い
–インターネットを利用したより進んだ情報提供サービスを展望する。
情報サービス業務： Public service 利用者と直接かかわる。 貸し出し、受け付けとは異なる。
専門職業務で、利用者と情報資源（RESOURCES）の間の仲介者
情報資源 ＝ 図書館資料 + インターネット
•図書館における3つの主な情報サービス業務
(1)レファレンスサービス
伝統的なサービス、利用者からのアクションを受けることによっ て始めるサービス、受動的サービス
(2)情報提供サービス
積極的なサービス
(3)利用指導
利用者教育情報提供サービス
SDI(Selective Dissemination of Information)サービス： 選択的情報配信サービス 、関連情報を選んで報知
Current Awareness サービス： 最新情報提供サービス、近着図書、近着雑誌記事の報知
(1)電子メールによる配布、(2) RSSによる自動配信
旧来の手段 : FAX、印刷物・コピーの配布 例：近着資料報
情報提供サービスで利用するコンテンツ
文献データベース （商用データベース、 公的学術データベース 、大学リポジトリ）、 OPAC（蔵書目録）、 検索エンジン
主題別探索ガイドの作成
path finder、LibGuide、Virtual Reference Desk等と呼ばれる。
有用な調べるトゥールを前もってリスト化しておく。
あることを調べるにはこのようなものがありますとか、これらを利用すると便利です、といった意味合い。
利用指導
講習会の開催（短期、長期） 、大学での講義、 出前サービス、 個人指導、 ラーニング・コモンズなどさまざまな形態が考えられる。
主目的は学習支援
– 教養、基礎学力
– ある特定の専門主題
– 図書館学
他の図書館、図書館員を知る
– 語学力（英語等の読解力）
– 利用者を知る
– インターネット 特にWeb2.0への対応
•海外からの問い合わせ
–海外に出向いての利用
•信頼性： 玉手箱（あらゆる情報源）から情報を引き出す能力
•利用者は、自宅で調べ、図書館で読む
•利用者は、自宅で調べ、自宅で資料を入手
•mobile 移動通信
•情報サービスの新しい動き
–質問・回答 － 電子メー
ル、チャット、掲示板
–事例データベース ー 協力レファレンス
–競合相手： 知識データベース － Yahoo! 知恵袋等
–レファレンストゥールの電子化 － 冊子体の廃止
–利用者指導
–RSSによる情報配信
–検索対象のWeb化
レファレンス・サービス業務の特徴
レファレンス関連業務
諜報活動：政治、外国、公安、経済など
人物、団体などの基礎情報の収集、分析
レファレンス・ライブラリー
レファレンス・サービスに特化した図書館
例：アメリカンセンター・レファレンス資料室
アメリカについて調べるための情報資源、アクセスのみを用意
一般書を所蔵しないので書架スペースが少なくて済む
レファレンス業務担当者の禁句
・ありません
・わかりません
質問者に何らかの次への手がかりを与えること
Ｒｅｆｅｒｅｎｃｅ ｌｉｂｒａｒｉａｎの仕事 、業務のベストプラクティス
調べるためのトゥールを使った情報提供・回答業務の最適化
・迅速・正確
・的を得た回答
・より経済的 economical
・業務経験・年季 勘を磨く
・IT駆使力
•探す範囲
•探すツールの組織化
リンク集、ブックマーク、ディレクトリー
•専門職間でのネットワーク化
•従来のレファレンス業務の内容
–質問・相談に対する参考図書などを使った回答
•文献調査
–館内所蔵調査
–書誌的事項調査
•館外所蔵調査、他館案内 referral
–参考図書・資料の選択・購入
–協力レファレンス
・代行検索
•Ｉｎｔｅｒｎｅｔ Web検索、Online 検索 •CD-ROM・DVD検索
・書誌作成、抄録作成
・業務マニュアル作成
・回答記録の分析 FARQ
・利用者調査
・原報取り寄せサービス
・翻訳サービス
・研修
・研究、学会、研究大会への出席、専門誌の購読
何で探すのか
参考図書
人に聞く
インターネット (Web検索エンジン、Webデータベースなど)
館外を探す 他の図書館、情報検索専門家・会社、人（専門家）に尋ねる
RSS Mixer (Feed .informer等)による情報配信
•自動的に更新可能
•複数のRSSをまとめて表示
•キーワードによるフィルタリング
–必要な情報のみを配信
•関連のある新着・新刊図書、新刊雑誌記事、新着ニュース、新着イベント、新着求人情報、最新ホームページ
•ブログを中心としたホームページ、新着記事、イベント情報
•ホームページ上にある主題別新着図書 例：岐阜県図書館、野田市立図書館
・国立国会図書館作成雑誌記事索引
・大学等の機関リポジトリ（研究成果データベース）
・検索結果をRSS化
次世代OPAC, WSD(Web Scale Discovery)：国立国会図書館サーチ、ハーバード大学図書館、慶應義塾大学メディアセンター、東邦大学メディアセンターなど
異種資料統合検索：図書、雑誌、雑誌記事、ホームページ、レファレンス事例などを一括検索
検索エンジン: Bing 検索結urlの最後尾に&format=RSS をつける
Google Alert で配信方法をRSSに設定
•RSSによる最新情報提供のメリット
1.必要な関連情報のみを配信できる
2.受信側は、一旦システムを作るとあとは手間がかからす最新情報を自動入手
3.複数のFeedを混成・混在可能
4.メールによるAlert配信サービスのメールアドレスの管理問題が回避できる。個人情報の管理など
5.RSSフィードやキーワードの選定等により利用者個々人のニーズに対応可能
6.生成したフィードを他でも利用可能、
Outline Processor Markup Language(OPML)
•LibGuidesという主題別ガイドソフトの利用
–アメリカのCMS (Springshare社)を利用
・シラバス、リンク集を超えるもの
・図書館の学習支援への積極的関わりが可能
・今後国内でも増加する可能性大
–国内の大学図書館での利用例
•九州大学 •香川大学 •慶應義塾大学 ・関西大学等
図書館司書のみならず、教員、学生もコンテンツ作成、情報提供に参画できる。
–国内の大学図書館での利用例
•Virtual Reference Desk
–インターネット上のレファレンス関係のサイトを集めたサイト。日本ではこの用語があまり使われいない。
–特にReady Reference、Quick Reference Tool
辞書、百科事典、事典、人名録、団体名録、電話帳、電子メールアドレス、地図、郵便番号、統計
–調べるのに便利な情報源の組織化
–リストのリストのリスト
–リンク集のリスト
–その図書館、利用者のニーズに合った形でcustomizeする必要もある。
–重要、優れているsiteを選択する要あり。
–主題別リンク集(パス・ファインダー)、
日本ではこれらの用語がよく使われている。上記VRDと同様の機能
図書館が用意・準備
教員が参画する場合もある、シラバスとのリンク、 個人用も作成可能
業務の低減、同じないし類似のよくある質問に対応
図書館利用指導の内容
•蔵書数、蔵書の種類・特徴
•開館時間、日時
•館内図、平面図、立面図
•配架法（順序、閉架か開架か）、分類法
•目録、目録と蔵書との関係
•館外貸出サービス手順
•各種サービス（複写、読書、リクエスト）
•イベント
•文献検索法、
•大学での図書館利用指導 Library Instruction
•文献利用指導 Bibliographic Instruction
–図書館利用指導より高度
期間：短期か継続的か
短期：主として図書館利用指導 、1日ワークショック など
新入生、新任教員対象
新導入データベースの紹介など
継続的：主として文献利用指導
講義：「文献検索法」、「資料検索法」などの科目名で行われている。 例：慶大湘南藤沢
教材、課題、クイズなどを用意
•文献検索法の指導
–主として２次資料の検索法
–２次資料とは、目録、書誌、記事索引、抄録など
•冊子体
•CD/ROM、DVD
•Web
–有料（商用） 図書館外部の情報資源、サイトライセンス（法人契約）
–無料
–講習会、個別指導、出張指導、講義
•文献検索法の指導 司書がICT教師になる時代
–実施場所
•館内 図書館セミナー・研修室
•館内 ラーニング・コモンズ
•館内 図書館ツアー
•館外 教室 出張授業
•Web
– eラーニング、出来合いの教材、YouTube登録ビデオ等で自習
–Interactive、同時双方向のﾋﾞﾃﾞｵ会議・講義 など
・MOOCs、JMOOCsなどの利用も考えられる
–講師陣：司書•教員•学生、大学院生•外部専門家
•OPAC検索の最新動向
・WSD(ウエブ・スケール・ディスカバリー）サービスの登場
•「検索」から「発見」、「見つけ出す」へ
•検索技法中心から、検索対象の理解中心へ
•検索エンジンの影響、検索はシンプルに
•ディスカバリー・サービスの例
–Serial Solutions社の Summon(サモン) 導入例：佛教大学
–Ex Libris社のPrimo(プリモ) 導入例：慶應義塾大学
•文献利用指導で使われる主なデータベース（赤は無料）
•新聞記事: 聞蔵（朝日新聞）
•百科事典: JapanKnowledge
•雑誌記事索引：雑誌記事索引（国立国会図書館）
•医学関係: 医学中央雑誌、PubMed
•電子ジャーナル：ScienceDirect
•引用索引: Web of Science
•抄録誌: JDream Ⅲ
•ビジネス情報:日経テレコン21
・文献管理ツール：RefWorks、EndNote