図書館情報学概論講義ノート(1/3) 2018

期末試験についての注意
試験時間90分
英文辞書(電子辞書は不可)のみ持ち込み可
試験範囲
 講義で言及した内容
 主として以下の講義ノート
 教科書 第1-3章、第5-12章、第14章、巻末の図書館法条文(p98-100)

  (教科書は主として講義ノートと重複するところ)


図書館情報学とは

 図書館および文献情報センターなど情報提供サービスシステムに関する学問

 ここでいう情報学はコンピュータサイエンスではない。

 文献情報管理(documentation)は

   雑誌記事・論文などの内容分析・索引作成

 図書館・情報センターなどの役割

   人間がより賢く生きるために役立つ情報・知識を提供・サポートとする制度・仕組み

    識字 Literacy 非識字 illiteracy   

    Unesco 国際識字日 9月8日 公共図書館は市民がwell-informed citizens (より知的に長(た)けた存在)になることを支援

情報センターの例     

   雑誌記事に関するもの、自然科学系に関するものが多い

   公的機関と民間機関によるものがある

   サービスが有料のものと無料のものがある

   情報コンテンツ作成会社は、索引、抄録などを作成する

   情報コンテンツ販売会社は、検索システムを提供する

       情報コンテンツ作成会社と両方兼ねる会社もある

情報センターの具体例 

   <公的情報コンテンツ作成機関>  

              科学技術振興機構    文献情報事業本部 自然科学中心  有料  

              国立情報学研究所    学術情報中心 無料と有料の2本立て

   <民間情報コンテンツ販売会社>   

              ジー・サーチ(G-Search)

                アメリカのデータベース販売会社Dialog社の代理店   

              ユサコ(USACO)

図書館学とは

 図書館情報学と呼ばれるようになっている

 図書館の管理学、応用科学

 図書館司書(専門職)になるための学問

 文学部、社会学部、教育学部などに所属

 蔵書構築、レファレンスサービス、目録作成技術が中心となっている

図書館の基本文献 日本図書館協会刊行

 「図書館ハンドブック」

 「図書館年鑑」

 「日本十進分類法」(NDC)

 「日本目録規則」 (NCR)

 「日本の参考図書 第4版」

図書館関連の雑誌

 「図書館雑誌」(日本図書館協会刊)

 「現代の図書館」(日本図書館協会刊)

図書館の関連団体

  日本図書館協会

  全国学校図書館協議会

  国立大学図書館協会

  私立大学図書館協会

  専門図書館協議会

図書館とは

        施設・場所・スペースである

  立ち寄り施設

         図書のある館(施設)

  英語ではLibrary  フランス語ではbibliotheque

     スペイン語ではbiblioteca フィンランド語ではkirjasto

図書館の語源 図書の館

        英語 library の語源はラテン語 liber(木の皮) に由来,

    ドイツ語 Bibliothek,スペイン語、フランス語などはギリシア語 biblion(本)+置場に由来。

    biblion の語は,パピルス紙の貿易都市Byblos(現在レバノンのジュベイルJubayl)に由来。

    Bible(聖書)の語源でもある。

        日本では明治時代に図書館という言葉が定着   

     以前は、 文庫(ふみくら)、書籍館(しょじゃくかん)、 集書院などが相当していた。     

     東京図書館 明治13年 (1880)   帝国図書館 明治39年(1906、今の国際子どもと図書館、国立国会図書館の源流)  

     大阪図書館 明治37年(1904、今の大阪府立中之島図書館)  

     日比谷図書館 明治41年(1908、今の千代田区立日比谷図書文化館)

図書館の構成要素

 施設・設備(facilities, equipment)

 図書館資料(materials)

 司書(librarians) 

 利用者(patrons)

図書館施設

 利用者: 入口ー>受付ー>用事ー>用事終了ー>出口 

  利用者の用事とは:活字を読む、視聴覚資料を見る・聞く、本を借りる、コピーをする、
      行事に出る、司書に尋ねる、インターネットを使う、何となくぶらぶら、ついでに食事やトイレ。

館内にあるもの

  書架・本棚

  図書資料(図書・雑誌・視聴覚資料など)

  閲覧机椅子

  職員の事務室、車庫

  研修・セミナー室、ホール、集会室

  廊下・階段・トイレ・休憩所ー>ユティリティーズ

図書館施設

  書庫(stack)の利用方式

   閉架式

    利用者が書庫に入れない

    図書館職員がもってくる

   開架式

    利用者が書架にいって直接見ることができる

   閉架式と開架式の併用

     閉架式には貴重書、古くなった図書などを収める

配架・排架

  同じ棚上では左から右へ、棚の上から下へ

   図書はどのように並べられているか?

   請求番号の若い順

     (1、分類順  2、著者記号順 3、巻冊記号)

   雑誌はどのように並べられているか?

     タイトル名順

     (五十音順とかアルファベット順)

図書館資料の種類

  図書 雑誌 視聴覚資料 地図 楽譜

  文書 小冊子 マイクロ資料 電子メディア

  点字資料 三次元資料 絵画など

利用者別の図書館資料

     大人・社会人 → 実用書・教養書研究者、 教育者 → 専門書

     学生(大学) → 学習参考書、  生徒(小中高) → 学習参考書

     児童、幼児 ー> 絵本、紙芝居

      老人 ー> 大活字本、拡大読書機、  

   身体障害者 → 点字図書、録音図書

      患者、囚人、僻地住民 → アウトリーチサービス

利用者が図書館に何があるかを探すには?

  直接書架・書庫に行く

  新刊・新着コーナー

  目録を調べる

   Catalog(アメリカ)、catalogue(イギリス)

  目録の形態

    冊子体(本)、カード、Web OPAC(Online Public Access Catalog、コンピュータ)

  司書に尋ねる

図書館の使命・役割:何のために存在するのか?

  人間の文化活動を支援

    知を身につける(賢くなる)

    知恵・教養・品位

    知的安らぎ・楽しみ・リクリエーション

    文化の継承(後世に伝える)

  情報を得る(お金、健康、安全、趣味、受験、就職、出世などの世俗的理由)

制度としての図書館

  社会教育機関

   生涯教育

  情報提供・公開機関

  研究・教育・学習支援機関

  情報保存機関

  集会・リクリエーション機関

図書館のサービス(奉仕業務)

  利用者の入館・退館管理

  図書資料の館内閲覧・館外貸出、複写

  情報(レファレンス等)サービス

  代読サービス

  行事・イベントの開催

  館外(アウトリーチ)サービス(図書館に来れない人へのサービス)

    移動図書館(BM Book Mobile)     

  非来館型サービス(図書館に来れない・来なくてもすむサービス)

    インターネットを利用した遠隔サービス

図書館の種類 館種

 色々な分け方があり、重複することもある。

  主な館種

   国立図書館 National Library 国立国会図書館 ⇒ 保存中心

   公共図書館  Public Library  地方公共団体 ⇒ 利用中心

   学術図書館 Academic Library 大学、高専 ⇒ 研究・教育・学習中心、学術書、洋書

   学校図書館 School Library  小中高 ⇒ 児童書、学術書、ヤングアダルト

   専門図書館 Special Library 企業、政府機関 ⇒ 専門書中心

図書館の種類 館種

 国立図書館 

  日本 国立国会図書館

  アメリカ Library of Congress ワシントンD.C.

  イギリス British Library ロンドンなど

  フランス Bibliotheque nationale de France パリ

  保存中心、全国書誌編纂、総合図書館的役割、国際協力、

  その国で最大の蔵書数を誇る場合が多い

  利用者の制限、たとえば年齢、利用者属性など

  日本の国立国会図書館 東京都千代田区永田町

    国立国会図書館法(1948)に法的根拠

    国立図書館と国会図書館の2重機能

      国会図書館機能は国会運営、立法(法律作成)支援

    東京本館、関西館、国立国際子ども図書館の3館体制

    入館制限:原則として18才以上

    職員数約900名、蔵書数約900万冊

    個人への館外貸出はしないが、公共図書館を経由するとできる場合がある。

  アメリカの議会図書館(Library of Congress、LCと略称) 1800年設立、ワシントンD.C.

    世界最大の蔵書数を誇る図書館、図書だけで約3400万冊以上

    海外にも事務所

    日本語の図書も116万冊以上

    入館条件:16才以上、利用者登録(カード発行)の必要性

    機械可読目録(LCMARC->USMARC)の作成

    医学・農学は別図書館、ワシントンD.C.郊外

  イギリス British Library ロンドンなど     

    大英図書館 1400万冊以上の図書  1972年設立 それ以前は大英博物館の1部門     

     1997年新館(ロンドン)オープン

     資料利用には登録が必要     

     12才以上、但し18才までは条件付き   

   フランス Bibliothèque nationale de France パリ      

     1996年新館(Bibliothèque François-Mitterrand)オープン   

     ミッテラン大統領の名前を冠している。     

     セーヌ川の南沿い   

     資料利用は有料 1日3.5ユーロ 、年間38ユーロ  

     入館条件:16才以上


 公共図書館 (Public Libraries)

  公共図書館 = 公立図書館 + 私立(一部の専門図書館)

  地方公共団体 ー 都道府県、市区町村

          全国に3280館(2016年現在、日本図書館協会統計)

  図書館法

            入館料を徴収してはならない 17条

      だれでもが利用できる

  館内閲覧、館外貸出中心

  生涯教育、社会教育

  児童図書館も含む

  分館を設置

  図書館のない地方公共団体もある。 特に町村

    市は98.4%でほぼあるが

    町村は53.1%で約半分強

     ない町村では公民館図書室として存在

  郷土史、地域資料で特徴を出す。

  日本の場合、図書館資料を使わない受験勉強専用の部屋を設けているところもある。

  都道府県立図書館

    ・主として県庁所在地にある

    ・市区町村立図書館をサポート(支援)

    ・総合目録の作成

    ・調査・研究機能を有する

      行政資料、郷土史

      公文書館が隣接するケースが多い

  公共図書館の休館日

     月曜日休館が圧倒的に多い

  公共図書館の特長の一つ

     児童サービスが充実

     読み聞かせ(音読)、ブックトーク(紹介)、ストリーテリング、紙芝居、読書ゲームなどの催しが多数

     理由:平日特に午前、大人、学生、生徒はあまり図書館に行けない

  公共図書館の2つレベル

    ・調査・研究中心

      都道府県立図書館、市立中央図書館

    ・館外貸出中心

      市区町村立図書館

      例外:課題解決支援図書館 葛飾区立中央図書館

  公共図書館の問題点

     ・正職員司書を採用しない自治体の存在、安易な外部業務委託

     ・調査・研究機能が不十分、公営貸本屋と揶揄されたケース

     ・素人館長・管理職の存在、天下り

     ・開館日が少ない、開館時間も短い、特に書店との比較において

     ・利用者に対する接遇の問題、官僚主義

     ・問題利用者の存在

     ・図書館に対する認識の地域差、町村レベルでは存在しないところがある

   近代公共図書館の5原則(Unesco「ユネスコ公共図書館宣言)

     ・公開、無料(入館)、公費支弁(公的財源)、法的根拠(法律)、民主的運営(方針の策定、効果的な組織、専門的基準、偏向のない資料選択)

続く


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