学校図書館メディアの構成

期末試験用講義ノート

試験会場C308

英和辞書(電子辞書不可)およびNDC9版,小・中高標目表,NCRのみ持ち込み可

教科書の範囲:第1-5章(教室で触れた箇所)、及び巻末の「学校図書館基準」(p182-186)


学校図書館メディアの構成

科目の内容を簡単に表現すると:

学校図書館=小中高の図書館

メディア=図書館資料

構成=収集、整理、閲覧、廃棄

 

学校図書館のスタッフ 

  ・司書教諭

    学校図書館を運営し、図書館活動をもって、児童生徒

    および教員の教育と学習活動を支援する。教職。

  ・学校図書館の司書

    学校図書館の運営。事務職

    公共図書館の司書資格者=学校司書?

  ・司書と司書教諭の役割の境界線があいまい 

 

学校図書館の特徴 

  ・学習をサポート

    読書活動

    総合的学習、調べ学習のサポート

  ・単なる図書がおかれている図書室となっているケースが多い

  ・司書や司書教諭がいないケース 

  ・整理されてない、蔵書が少ない、 

   OPACがほとんど公開されていないなど図書館としての

    レベルが他の館種に比べ一般に低い。

 

文部省 「学校図書館基準」(1959)学校図書館の機能

 

     ・学校図書館は奉仕機関である

    児童・生徒および教諭の必要に応じて資料を提供し、教育課程の展開に寄与し、教養・趣味の

    助成にも役だたせなければならない。

 

  ・学校図書館はまた指導機関である

    問題解決のために図書館を有効に利用する方法を会得させ、読書指導によって読書の習慣づ

    け・生活化を教え、図書館利用を通して社会的、民主的生活態度を経験させる。

 

学校図書館と公共図書館・児童図書館

  学校図書館

     奉仕対象:小中高の生徒 + 教職員

  公共図書館

     児童室:0才から小学校生徒

     YA(ヤングアダルト):中学・高校生生徒

 

学校図書館の構成要素

施設・設備

    図書館資料(materials)

     ↑

    司書・司書教諭(Intermediary)

     ↑

    生徒・学生(pupils, students) + 教員(teachers)

 

構成とは:資料(メディア)の

   ・収集+廃棄(蔵書構築 collection development

   ・整理(目録作成 cataloging)

   ・閲覧(reading + 館外貸出 lending)

             相互貸借(inter library loan ILL)

   を行なうこと

 

図書館にある資料とは何か

   形態別

    冊子体、マイクロ、視聴覚資料、電子資料 、博物館資料(絵画、地球儀、掛軸など)

   ネットワーク情報 :図書館ないし他の場所からでもアクセスできる情報

 

メディア≒図書館資料(materials)

   ・紙メディア:図書、雑誌、新聞など

   ・視聴覚メディア:ビデオ、映画フィルム、写真、DVDCD

      視覚:静止画、動画、テレビ

      聴覚:CD、ラジオ

   ・パッケージ系電子メディア:DVDCD-ROM、電子図書

   ・ネットワーク系電子メディア:インターネット

     マルチメディア化の進行

 

・利用機器(リーダー)

  ・視聴覚資料:テレビ、ビデオデッキ、CDプレーヤー、映写機

  ・マイクロ資料リーダー

  ・電子資料 +インターネット接続(LAN, WiFi)

      パソコン+周辺機器(DVDなど)

      タブレット端末

     ・文字拡大機器

 

図書館施設

 学校図書館では単独館はまれで、ほとんど室レベル

 300-1000平米が、学校図書館施設基準の範囲

 

館(室)内にあるもの

  ・収納設備:書架・本棚、陳列、書庫

  ・図書資料(図書・雑誌・視聴覚資料など)

  ・閲覧机椅子

  ・職員の事務室

  ・研修・セミナー室、ホール・集会室

  ・廊下・階段・トイレ・休憩所->ユティリティーズ

 

学校図書館における書架・書庫施設

  ・蔵書数が少ないので書庫(stack)部分の面積はあまり多くない

  ・書架は安全面を考え、低書架が望ましい。

    地震等による転倒のリスクがある。

  ・集密書架、積層書架も安全面からできるだけ避ける。

     特に開架式の場合。

    集密書架:誤動作等により挟まれる可能性

    積層書架:児童・生徒の上層部より落下の可能性

 

図書の配架・排架法

  同じ棚上では左から右へ、棚の上から下へ

   図書はどのように並べられているか?

   請求番号の若い順(昇順、アルファベット順)

     (1、分類順 2、著者記号順)

   雑誌はどのように並べられているか?

     書名順

     (五十音順とかアルファベット順)

 

図書館資料の検索

図書館に何があるかを探すには?

  直接書架・書庫に行く

  新刊・新着、ブラウジングコーナー

  目録を調べる

   catalog(アメリカ)catalogue(イギリス)

  目録の形態

    冊子体()、カード、OPAC(online public access catalog、コンピュータ)

  司書に尋ねる

 

学校図書館向けOPAC

 ・蔵書数が少ない

 ・かな入力も用意

 ・画面構成の使い勝手のよさ、わかりやすさ

   usability 検索画面、検索結果画面、ヘルプ画面

 ・貸出管理システムが重要。

 ・目録における外部書誌情報の利用

  コピー、ダウンロード

 ・ネット非公開が大部分

 ・私立大学付属の学校図書館が進んでいる

 

学校図書館の総合目録OPAC

 メリット:一館で対処できない場合(予算、人員、技術)

 ・複数の学校図書館OPAC検索

・公共図書館システムにデータを搭載し、検索可能とする方法

 


図書館所蔵資料の種類
 紙メディアの資料 
  図書(books) 、小冊子(pamphlet)
  逐次刊行物(serials) 
    ・雑誌(magazines) 
    ・新聞(newspapers)、切り抜き (clipping)
  文書類(archives)

    地図(maps)

    楽譜 (music scores)

    紙芝居(picture story cards)

  ポスター(posters)

    点字図書(braille books)
  

視聴覚資料(Audio Visual Materials) 
       Audio 
 
        CD、録音テープ、レコード 
       Visual 

        静止画:写真、スライド、OHPフィルム、

動画: DVDBlu-ray、ビデオテープ、映画フィルム 
          

・機器が必要、機器の台数、故障、修理

・規格の問題

・劣化、破損、消失の危険性

・著作権問題(ダビング)

 ・インターネット配信が今後増加

   モバイル機器での利用

   利用ソフトの互換性

   テレビ・ラジオの視聴

 

図書館向け「著作権処理済」視聴覚資料

    通常より高価となる

  Naxos Music Library

         インターネットで図書館にクラシック音楽を配信

     利用者は自宅で利用可  

 

電子資料、ネットワーク情報資源

      パッケージ系とネットワーク系

      パッケージ系:CD-ROMDVD-ROMCD HDUSBメモリー、iPod
      ネットワーク系:Web PageHTML)、PDFStreaming Audio Video

    

マイクロ資料(microform)

   主に紙媒体をマイクロ化

    ・マイクロフィルムロール(巻物)

    ・マイクロフィッシュ(1枚シート)

           PDFファイルの登場で重要度が低下

        以前は主として図書館スペースの問題に対応

        マイクロリーダーが必要となる

        専用収蔵機器が必要

        電子資料に比べ、耐久性は十分な長さ

          100−500年


  立体資料

地球儀、掛軸、屏風、扇子など


  収集とは:

 ・予算内で、資料の選択・購入を行なう。

 ・無料資料の収集、交換

 ・利用者による購入リクエスト

 

ポイント:

 ・異なったメディア間の予算配分

 ・購入だけでなく、無料のものもある

 

学校図書館の収集資料特性:

 ・児童・生徒対象:

    児童書(絵本)、ヤングアダルト(中高生)

    学習参考書

 ・視聴覚資料の比重が大きくなる

 ・教職員対象:

    教材・研修資料

    教養書・実用書

      

蔵書構築の方法 
    蔵書構築(collection development) 
      選択、収集 
      保存 
      移管、寄託 
      廃棄 
 

図書選択の基準 

よい本か VS よく読まれる本か 
    理念(収集方針)と実践(収集技術)

   出版流通の知識

 

図書館の自由に関する宣言

                                                                                                                   採 択                                                                                     改

第1 図書館は資料収集の自由を有する

第2 図書館は資料提供の自由を有する

第3 図書館は利用者の秘密を守る

第4 図書館はすべての検閲に反対する

第5 図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る   

蔵書の閲覧、資料へのアクセス 
    収集の自由 
    閲覧の自由 
     個人情報の保護、人権問題

   圧力団体:政治、宗教、 
     価値判断:道徳、倫理、文化、時代に依拠

   現代:インターネット、モバイルのインパクト

 

日本の出版流通システム

        著者 −> 出版社 −> 取次 −> 書店 −> 読者・図書館 

        3588(2013) 25社  13,943(2014)                            

                日本書籍出版協会     廃業が相次ぐ  

          会員出版社約500社       

          印刷・製本会社

 

       取次:大手2社 日販、トーハン

                

           図書・雑誌で約60億冊が流通

           図書96万点

           新刊8万冊

                

       出版社、取次は東京に一局集中

 

流通システムの特徴 
     再販売価格維持制度: 定価販売 
      販売利益の配分 書店約20%、取次約8%、著者約12% 

残り60%出版社(印刷・製本会社への支払を含む)
     委託販売制度 
       買取の反対語 
        売れなければ返本できる 返本率約4

 

   流通システムの変化 
       コンビニの台頭、特に雑誌の販売 
       インターネット書店: Amazon

 

購入の際の書店との駆け引き

 

 購入先(書店)の選択 

 外商部門

   書店からセールス担当を図書館に派遣

 見計らい

   購入候補を書店が現物を持ってくる

   気に入れば購入、でなければ返本  

        


選書方針・ガイドライン

   ・ 要求論(適書主義)と価値論(良書主義)

   ・ その図書館の使命

   ・ 年代、言語、地域、資料形態などの範囲、割合

       高価本、参考図書

 

図書評価基準

      ・主題・範囲の適合性

      ・著者の権威

      ・出版社の編集方針、得意分野

      ・内容 -> 独創性、新しさ、文章、構成、信頼性、

      ・形態 -> 保存の観点 

      ・すでに図書館にある類書との比較

 

より客観的な評価

 書評: けなす評価でも書評にとりあげた意味では一応評価している。

 選定図書: 無難であるが金太郎飴のように没個性化となる。

 受賞: ただし著者によっては生前評価されず、死後評価されることもある。

 

選書の情報源

 新聞 の広告、書評

 「出版ニュース」 旬刊 出版ニュース社 「出版年鑑」

 出版社情報 、出版業界団体

 取次情報  売れ筋情報

 書店情報

 関係協会の選定図書リスト

 書評誌

 図書館整理請負会社 :図書館流通センター(TRC)

 他図書館受入報、

   国立国会図書館の「全国書誌提供サービス」

   教育センターOPACDB

国立国会図書館サーチ:近刊の児童書に限定し検索

 

選書に参考となる情報源

 協会

  日本児童図書出版協会

  全国学校図書館協議会:選定図書

  日本図書館協会:選定図書

 

雑誌の収集

年間購読

・生徒・学生対象雑誌

・教員対象雑誌

・司書・司書教諭対象雑誌

 

「雑誌新聞総かたろぐ」 

  メディア・リサーチ・センター

 

雑誌(定期刊行物)の刊行頻度

   週刊、旬刊、月刊、季刊、年刊

   月2回 Semi-Monthly

   年2回 Semi-Annual

       隔月    Bi-Monthly

       隔週    Fortnightly

 

新聞の収集・受入

教職員対象

   全国紙、地方紙、教育関係専門紙

児童・生徒対象

   こども新聞

 

新聞記事の活用

・新聞記事の切抜(クリッピング)

・新聞記事の商用FAXサービスの利用

・新聞記事検索

  無料と有料

 

視聴覚資料の収集

 ・重要度では図書、雑誌に続くものあるが、利用者の人気は高い。

 ・館外貸出は、ダビングなどの行為により著作権に抵触することが考えられるので、

館内閲覧のみに制限する運用が通常となっている。 ただし、ビデオに関し、

著作権処理済ならば館外貸出もできる。

 

・ビデオ等で「著作権処理済」の表示のあるものは、既に価格に補償金を上乗せし販売。

 これらのビデオは公共図書館等で貸出可能であるが、学校図書館でも

日本図書館協会等が窓口になり権利者側と合意したビデオについては、

館外貸出可能。 なお、著作権には、貸与権(貸出)、複製権(ダビング)、

上映権などの権利が含まれる。

 

視聴覚資料

 AV(Audio Visual) materials

   画像・映像・音声など文字以外の表現方法

    ビデオ、CD

   ・文字による表現よりはわかりやすい

   ・利用機器が必要

   ・規格の相違、互換性

   ・媒体が複雑化、変化する。

 

 ・録音資料

    音声、楽音などの音を物理的素材に定型的に再生することを前提として

    信号化して定着させたもの

     音楽、朗読、講演、落語、ニュース、

     音、鳴き声、効果音など

現在は主としてCD

 

・映像資料

 視覚的にとらえることのできる画像を化学的、または物理的に記録し、

 必要に応じて機材を通じて 拡大・再生するもの。

   断片的、静止的: スライド、写真

   連続的、運動的: 映画、ビデオ

 現在はDVDBlu-rayが主流

 

視聴覚資料のインターネット配信が増加

   静止画:写真 flickr

              スライド SlideShare

   動画:YouTubeなど

      Screencast

            NHK for School

 

インターネット音楽レンタル

インターネット映像レンタル 

インターネットライブラジオ

インターネットライブビデオカメラ

 

パソコン、モバイル機器のみで利用可能となる。

ソフト、アプリ、周辺機器が必要となる場合が生じる  

 

図書館の2大機能

  利用と保存

  ・ 資料の保存 
 
           人類文化、知的資産の継承、記録化 
         ・ 資料の利用 
            学校教育、知的向上 、リクリエーション

 2大機能が両立しがたい局面がある

 学校図書館では利用中心

  但し、学校の各種記録類を扱う場合は保存

 

図書購入・配架までのプロセス

    
担当部課 
    テクニカル・サービス担当
      
  図書収集・整理課
     
  選書 見計らい ->見積 -> 購入先決定 -> 発注
  到着  -> 検収 -> 受け入れ記録 -> 備品か消耗品か   -> 支払、会計処理

 

検収

 注文した図書が図書館に到着した際、注文した図書であるか、

 落丁など図書に欠陥がないかチェックし、問題があれば購入先

 に取り替える等のクレームをだす。

 図書によるとペーパーバック版など同じ本でも製本形態が異なり、価格が異なること

がある。

 版次が正しいかなどもチェックすべきである。

 

目録作業  -> 装備  -> 配架、一部は新着図書コーナー
 MARC入力
 新着図書案内 の作成

 

装備 = ラベル、蔵書印、隠印、ラミネート、ブックディテクションテープ、
             
バーコード、スリップ類、正誤表、ジャケット・帯紙の処理

 

配架後の図書管理 保管
    インベントリー(配列点検)
     年に1度か2度程度、短期閉館して実施することもある。
     蔵書チェック、目録との照合
       データ(カード)があって図書が所定の位置にない場合
       紛失、ミス配架、貸し出し中
       図書があってデータ(カード)がない場合
       カードの抜き忘れ
       配列整頓
       図書の修理、補修、補強、製本

蔵書の保護:曝書、虫干し

紙の弱点
    温度20度・湿度50-65%の維持、ほこり、光線、かび、虫、ねずみ、

人間(破損、唾液、書き込み、手垢、飲食、タバコの煙など)

 


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