WebNikki 99年11月


■11月22日

 自宅の新築作業は滞りなく進行している。解体作業のあと、10月下旬から先週まで基礎工事を行い、今週からいよいよ建方工事が始まった。
 我が家で選択したハウスメーカーはセキスイハウスだが、セキスイ系の住宅販売会社には木造系のシャーウッドと鉄骨系の住宅を販売するセキスイハウスと、あらかじめ工場で生産したブロックを現場で組み立てるセキスイハイム、この他にも木造系のセキスイ・ツーユーホームがある。非常にややこしい会社構造だが、我が家は鉄骨系のセキスイハウスと契約した。製品名はセントレージ・グランツ DX。
 現在の大手ハウスメーカーの建築部材のほとんどは工場でコンピュータ生産され、現場でモジュール化された部材を組み立てる方式がとられている。大手メーカを選んだ理由の一つはここにある。昨今、社会問題として浮上してきている欠陥住宅や手抜き工事のリスクを避けるためには、品質管理がきちんと行われているハウスメーカーを選ぶ必要がある。設計図に記載された部品を使った工法が、現場で正確に実現されなければならない。安心感を与えてくれる会社を、消費者は選ぶべきだろう。
 さて、工事の方だが、17日に最初の部品が運ばれ、朝からクレーン車を使って部材の現場への搬入と組み立て作業が行われた。クレーン車を設置すると車は通れなくなる。歩行者の通行も危険なので、作業中は交通整理担当の人が立って進入者(車)に迂回していただくお願いをする。近所の方には本当に申しわけないのだが、必要な工事プロセスなので避けようがない。安全に工事を完了するまで何とぞご協力くださいm(_ _)m
 20日には二階部分の外枠が組みあがった。屋根を付けば、とりあえず家らしいシルエットが浮かび上がるはずだ。
■11月12日
講演中の細井さん。デジカメの露出を間違えて暗くなってしまいましたm(_ _)m

 「ダ・ヴィンチ」副編集長の細井さんに、青短の近代文学購読Dの特別講師をお願いする。編集者はどういう仕事をしているのかという現場的な話題に始まり、彼女が担当する作家とのかかわりやエピソード、現代においてフィクションを書くことの難しさ、私情という問題設定、作家の自己イメージのコントロールなど、「情報」という視点から見た現代日本文学環境のマッピングをしてくださった。
 大学の講議では作家論や作品論を詳述する立場をとるが、現代文学は「編集者」や「流通」や「読者」といった様々なファクターが絡み合う文学環境として成立しているわけで、その中でも特に、文学が生成される場としてのメディアの問題は非常に大きいと思う。編集者とは、作家と読者を繋ぎコンテクスト化する交通の場を編集する者でもある。
 後半部分で学生たちから質問を募ったが、時間内にさばききれない程の質問がきた。その一つ一つに丁寧にお答えくださった。
 細井さん、お忙しい中、本当にありがとうございました。

■11月4日
平野啓一郎氏と。左は担当編集者の樺山さん 写真撮影中の様子

 「ダ・ヴィンチ」2000年1月号の取材のために京都へ。平野啓一郎氏にインタビューする。この前お会いしたのが2月。といっても前回は東京からの電話取材だったので、対面してインタビューするのは初めて。
 今年、彼が読んだ本の中で印象的だったものを3冊選んでもらい、その本についてのコメントや批評をしてもらいながら、来年刊行予定の新作についてお伺いした。詳しくは本誌を読んでいただくとして、当日の平野氏の印象だけをここに記すと、非常に緻密な計算のもと、新作に取り組んでいる姿勢が伺えた。彼の場合、文学的方法論や作家としてのポジションを批評的にすくいあげた上で、それらを創作へとフィードバックしていく能力が抜群にすぐれている。三部作構想を前提にデビューする新人作家など他にいないだろう。非常に安定感のある新人作家である。
 次回作は19世紀のフランス二月革命前後を描いた作品になるという。彼の三部作がどういう形にまとまっていくのか。来年度の文学界を賑わす大きな話題になることはまちがいないだろう。
 三部作完結時の再会を約してお別れした。
■11月1日
金沢、兼六園にて

 なんとNTT DoCoMoの「ラッキー!メールくじプレゼント 秋の能登加賀屋1泊2日の旅」に当たってしまった。0から100の数字のうち10個を選び、それが当選番号と一致すると第一関門突破、その後、当選者の中から抽選でプレゼントが当る仕組みである。
 この手のプレゼントに当ったことがないので驚いた。11月までの土曜日を除く2日間を選択することができる。仕事の合間に行ってしまおうと思い、10月31日からの2日を選んだ。
 とにかく一泊二日で能登半島の和倉温泉まで行って帰ってくるプランなので、大変なスケジュールである。プレゼント旅行ということもあって、便名の変更等はいっさいできなかった。朝8時15分発の羽田発のJAS便に搭乗し、帰りは2時5分発の小松空港便に乗らなければならない。目指す和倉温泉は、小松空港から路線バスに乗ってJR小松駅に出て、金沢を経由し、単線に乗り換え和倉温泉駅へと到着するまで3時間ほど。途中、金沢で下車し、市内を観光したので、和倉温泉加賀屋に到着したのは7時近くになっていた。
 加賀屋は「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で19年連続一位に選ばれた旅館で、品質国際基準ISO9002を国内で初めて認証取得している。確かにサービスは超一流で、食事や温泉もよかった。団体客が多くなってしまうのはこの手の大型旅館にとって仕方がないことだが、それほど気にならなかった。女性客に比べ男性客が圧倒的に少なく、そのため温泉はいつ入っても空いていた。特に、二日目の朝に入った露天風呂は最高だった。七尾西港和倉港のはるか彼方まで広がる水平線を一望する露天風呂を一人占めすることができた。
 一泊二日という時間内で回れる場所は限られたが、初めて訪れた能登半島はすばらしかった。いずれ機会があれば自費で輪島辺りまで足を延ばしてみたい。