解析:森山鳩実は誰だ? by 舟

第一章

第一節 「森鳩と山鳩」

・森山鳩実は山鳩の姿をして現れ、の頭のてっぺんにとまった。
・森山鳩実の魂は、森鳩と山鳩の2つに引き裂かれ、再び一人の森山鳩実に戻るには、の助けが必要だ、と言う。
・森山鳩実(山鳩)は、「実を落とした。実を探せ」と言う。
・「ミノル」は森山鳩実の一部であり、道標であると言う。
・森山鳩実(山鳩)は、命令口調でしゃべり、いんちきくさく、説教くさい。

第三節 「心の旅路」

・森山鳩実は、うどん屋の屋台の親父として現れた(このハト顔は森山鳩実
・その発言

 「へーい、らっしゃるる」


 「あんたに預かりものがあるる、三年前に一緒に来た女性からだよ」


 「いやぁそれがはっきりしないんでやすがね、風邪をひいたのか空豆でも鼻に詰まらせたのか、えらく曇った声をしておいでで。何ですか、『もしかしてクルルカリル?』とか『キロロの持ち味よね』とか口走っていたような覚えは微かに、、」

・はっきりしない口調は、慎重で臆病な性質を示している。第一節の山鳩と同じ人物(鳩)と思えない。こいつは森鳩である。

第五節 「迷走航路」

・俺たち4人が(略)ボヘミアンであることは、藁夫の叔父が知っている。その4人とは? 俺、藁夫、シモーヌ、そして、もう一人。
・「あら、モリヤマさ〜んっ」と、シモーヌがモリヤマの存在を暴露した、そのとたん、3人は沈没の危機にさらされる。
・もう一人のボヘミアンは、モリヤマだろうか?
略夫ではないかとも思われるが、まだ解明されていない)

第一章 第六節 「鏡の向こうの世界」

・「聖主人のための機械」にかけられた俺の心の中の大河は、確かに森山鳩実の存在を感じ、それは森鳩と山鳩が描く二重螺旋→デオキシリボ核酸として認識された。
・デオキシリボ角さん(隠居)が懐から取り出したイン・ロウのマンドコラ絵図は

森鳩 空豆 藁夫
河童 (俺) 隠居
略夫 海豆 山鳩

とくに対角線に注目したい。

森鳩 - (俺) - 山鳩のラインと
藁夫 - (俺) - 略夫のラインがある

・藁夫と略夫が「2つに引き裂かれた魂」なのだろうか?

略夫については、後に述べる機会があるだろう。略夫の存在は重要かもしれない)

第七節 「揺らめく風景」

・「森鳩夫」と「山鳩夫」が登場するが、この二名は、巻き込まれたあと、様子を見ていただけ。
「ここからなら何処にでも行ける。」 ということを知っていて、森鳩は空の彼方へ飛び去った。それだけ。

第八節 「邂 逅」

・空豆の数列と俺の弾道が作る曼荼羅の中心に照妖鏡が現れ、森山鳩実の姿を映した。
藁夫の叔父の弾道は、森山鳩実めがけて軌線を伸ばすように見えたが、目指しているのは、その後ろにいる影(何やら剛毛の生えた青臭い莢の邪悪で巨大な影)だった。

・ここでの森山鳩実の実体は不明。「影」は、海豆であろう。海豆と空豆の関係も、いずれ解明しなければならない。河童と隠居については、まだ明らかではない。

・5000年後、俺はシモーヌと出会う。

第九節 「知るも知らぬも有耶無耶の関」

・5000年後、小首をかしげた森鳩と山鳩が、俺とシモーヌを見た。
さあ、行こうか。実のところへ」と俺が言うと、

 やや緊張した面持ちで森鳩は答えた。
「ここからは遠すぎるとお思いになりませんか。」
 透かさず山鳩が口を挟む。
「お前が探せ。実を探せ。」

・まだ二人(2羽)は分裂している。森鳩は慎重で臆病であり、山鳩は闇雲に命令する。

「行こう。実のところへ」
 山鳩は、あの日のように俺の頭にとまった。森鳩は、俺の道標となるべく、
俺の前を歩く、歩く、歩く。

・森鳩も山鳩も、ちっとも飛ばない。なぜ歩く。鳩ではないのか?

結論

・第一章を通じて、森鳩と山鳩は2つに引き裂かれた魂であり、その性格は正反対である(引き裂かれたままのほうが平和であろう)。

・実(あるいはミノル)の正体は明らかにされていない。

・森鳩、山鳩は、いちおう鳩の姿をしているようだが、かなり人間くさい。

・森鳩・山鳩と、藁夫・略夫との関係があやしい。

いったん第一章の解析を終える(続くかもしれない)。