メールでリレー小説 外伝 「あの人はいま」

司会(ジェームズ龍ヶ崎):こんにちは、ジェームズ龍ヶ崎です。今日は、この「メールでリレー小説」の第二章までに出演した皆様が、その後どのように暮らしておられるかなど、インタビューしたいと思います。穀象虫さん、どうですか、最近。

穀象虫:どうって、まあ、あいかわらず古米なんか食ってますが(笑い)

司会:穀象虫さんは、第一章の冒頭ではなばなしく登場なさいましたし、第二章でも二度ほど出ていらっしゃる。

穀象虫:まあ、出てもハタハタと飛ぶだけでね、あんまり活躍してない(苦笑)

司会:もっと活躍したい、と。

穀象虫:そういうわけでもないんだけれどね、なんとなく迷惑してますよ、実際。

司会:そうでしたか。では、龍さん、いかがでしょう。

穀象虫:オレ、もういいの?

龍:俺は活躍してるな。

司会:大活躍ですよね。

龍:休む暇もないね。今年、辰年だっけ?

虎:嫌味を言うなよ。

馬:俺なんか、俺なんかよぉ〜(泣き崩れる)

司会:まあまあ、皆さん、落ち着いて。龍さんの今後のご活躍を期待したいと思います。では、次に小鳥さん。

小鳥:私、どっかに出てきましたっけ?

司会:第一章の最後に、「私」の周りを飛び廻って口から火を吐いてますが。

小鳥:あらまあ。私としたことが、あの、ゴジラのようなことを。

司会:その後、登場の機会がないようですが。

小鳥:さあ、どうかしらね。オホホホホ。青い鳥は身近なところにいた、なんて素敵なエンディングじゃありませんこと?

司会:ははあ、最後にトリを飾る、と、そういうわけですねっ。

カモノハシ:つまらねー駄洒落だな。

司会:(無視して)では、次に泥鰌髭の骨董品店の親爺さん。

親爺:ワタシもでずっぱりアルな。

司会:登場人物表の第3位はカタイんじゃないでしょうか。

龍:そうでもないんじゃないかい。

親爺:まあ、3位でも4位でも、いいアルさんすーうーりゅーちーぱーアルヨ。

カモノハシ:まだまだ、わからねーぞ。

司会:はいはい、そうですね。では、鉄平くん。

鉄平:(火のついたように泣く)

賢三:(鉄平をあやす)

司会:この二人は、ちょっとまだインタビューできる年齢に達してませんね。では次男の幸治くん。

幸治:山は死にますか?

司会:げ、またその質問ですか(額の汗を拭く)

龍:死火山というのがあるから、死ぬんじゃないかい。

司会:あ、どうもすみません。死ぬってさ、幸治くん。では、次に長男の洋一くん。

洋一:民事訴訟について、いくつか質問があるんですが、まず第一に禁治産者の定義について...

司会:はい、どうもありがとうございました。

虎:オトナってこうだからな。あとで教えてやるよ、洋一くん。

司会:次、小猫ちゃん。

小猫:みゃあ。みゃあみゃあ。

虎:おお、よしよし。

司会:次、えーと、虎さん。

虎:やっと俺の番が来たな。いやー、俺も忙しくってさ、今年は優勝をねらいますよ、はっきり言って。

龍:無理だよ。無理。

巨人:優勝とか言いやがったな、こいつ馬鹿か。

小鳥:燕に言いつけてやろうかしら。

鯉:万年C級が、だまってりゃいい気になりやがって。

司会:こらこら、関係ない人たちは出ていってくださいね。

鯉:生意気な野郎だなぁ。衣笠に言いつけるぞ。

司会:あっち行け、しっしっ。えー、それではラブクラフトさん。

前の彼:あ、俺を抜かしたな。

司会:あなた誰です?

前の彼:女主人公の前の彼氏です。

妻:この人とは何もなかったのよ。

司会:そういうわけです。あっち行け、しっしっ。えー、それでは、お待たせしました、カモノハシさん。

カモノハシ:いえーい。カモナマイハウス!

司会:これだけご活躍されるとは、思っていなかったのでは?

カモノハシ:おー、カモーン。トゥールダルジャンを真っ赤に染めた俺の血潮は昭和天皇さえももてなしたぜベイビー。

司会:それは鴨では?

カモノハシ:鴨もカモノハシも煮たようなもんだぜセニョール。しかし俺はトゥールダルジャンの支配人に一言いいたいことがあるんだぜ、いいかい、番号なんかで呼ぶな、オレは自由な人間だ!

小鳥:ぷっ(吹き出す)。こんな奴、哺乳類だかどうだかも怪しいもんだわ。

穀象虫:タマゴ生むしな(笑う)

司会:はいはい。カモノハシさんには、今後も活躍していただきましょう。

虎:(小声で)この、事なかれ主義者が。

司会:(何も聞かなかったように)はい、それでは「お隣のヒロミちゃん」どうぞ。

ヒロミちゃん:おなかすいたー(暴れる)

カモノハシ:おいらを食うんじゃないぜ、ベイビー。

司会:あんたはもういいから。えーと、天使さん、どうぞ。

天使:来年こそは人類を滅ぼす。

司会:な、なんでですか?

天使:人類は神の敵である。我々は神の軍団であり、神の敵は我が敵である。敵は殺す。

洋一:アタマ堅いね、このひと。

天使:我々はヒトじゃない〜。こいつ、血祭りにあげてくれようぞ。

神官:(突然現れて)おお、血祭りじゃ、血祭りじゃ。心臓をえぐり出してやる。心臓をえぐり出してやる。

司会:(困り果てて)えー、このへんでインタビューを終わらせていただきます。皆さんサヨウナラー。

小鳥:無責任よ、あんた。

ハチドリ:そうよそうよ。私たち、このままじゃ引き下がらないわよ。

メートル:あー、淑女のみなさん、こちらの窓際の席がよろしいかと。

呉服屋の小僧:お召し物は、どうぞ手前どもの店で。

おばさん:どこでも案内してあげるヨ。

モグリの歯医者:どの歯が悪いか。抜いてやるヨ抜いてやるヨ。

蛇頭の親玉:どこでも密入国させてあげるヨ。安いヨ安いヨ。

シュレジンガーの猫:アルようでないヨ。ないようでアルヨ。

竜虎:とろけるような歯ごたえがあって、まったりとしたジューシーなコクのある、そのくせサッパリして濃厚な...

ハットリ先生:あのね、これはシュプレーム・ド・ポライユ・オー・パルムザンと言いましてね...

辻静雄:全然違う。これはシュプレーム・ド・ポライユ・ア・ラ・クレーム・ド・ノアゼットだ。

北京原人:(北京原人語で)ニワトリだー。ニワトリの肉だー。

グッピー:ハッピー ヽ(^o^)ノ

さとりの化け物:わしは、本当は「サトルの化け物」というのだ。

目玉の親爺:あ、そのセリフはワシが言うつもりじゃったのに。

神官:メダマ、メダマだな。メダマをよこせ。

司会:(神官にメダマを抉り取られて)いてててて。それでは皆さん、さようなら。いてて、いてて。

夫:おれの出番はないのかよぉ。おれにもしゃべらせてくれよぉ。