エゴグラムからの気づき

  関西カウンセリングセンターのTA研究会(中級)に出席し、久しぶりにエゴグラムで
 最近の自我状態をセルフテストする機会に恵まれた。
 グラフを描いて見たら形が変わっているのに気づき、早速平成10年のグラフを取り出し
 て比較をした。
 4年前の逆N型(変形)が、今回はA優位タイプに変容していた。
 これは素晴らしい発見であり、気づきであった。

  定年後の目標の一つに、人格の円熟化を取り上げ、ささやかながらも自分らしい人格
 形成に努力してきた自分にとって、自我状態の変容という側面からだけではあるが、
 人格の変化(成長)の客観的な事実を確認できた喜びは大きい。

 4年前にTA研究会(初級)を受講した時に、自分なりに課題を取りまとめてアクション
 プランを作成して実行してきたのが、やっと成果に結びついたという実感がする。

 理想と現実のエゴグラムに近いエゴグラムのモデルを探し、その2つのモデルの性格
 特徴の違いを分析して課題を抽出し、最終的に下記の2つに絞り込んだ。
  1.気配りや配慮の不足
  2.自己の感情の自由な表現

 課題解決の為のアクションプランは、NPの向上に焦点を当て、実行可能性と永続性を
 重視し、以下のように決めた。
  1.自分から先に挨拶をする。
  2.人に親切にする。暖かく接する。
  3.相手の良い処に眼を向け、相手に伝える。
  4.相手の気持ちや感情を認め、言葉で表現する。

 これ以外の面での努力や環境の変化も影響を及ぼしているとは考えるが、教科書に
 準拠した地道な努力が功を奏したと受け止めている。

  現在の現実のエゴグラムは、典型的なモデルに当てはまらない形をしているので、
 素人の自分にはどう分析・評価したらよいか分からない。
 過去のエググラムとの対比で見ると、他者に対する態度が改善され、他者肯定の
 度合いが向上しただけでなく、完璧を期す姿勢も少し弱まって来たように見受けられる。
 (NPの増加・CPの減少)。 
 それにつれて、自己中心的な態度も少し控えめになってきたが、逆に理性でやや自分を
 抑えている面も見受けられ(FCとACが共に減少)、今は、変容の途上というのが、
 実態であると思う。

  いずれにしても、今回、TA分析は自己の成長に役立つと言う自信を得たことは事実で
 ある。
 それではと言うことで、理想のエゴグラムを描いてみたら、現実とは少し形が違うが、
 理想の方もA優位タイプになっていた。
 4年前の理想のエゴグラムは逆U型だったので、理想は逆U型からA優位タイプに
 変わった訳である。

  現実だけを見るだけでなく、時に理想の見直しも必要であると思う。
 理想は、時間と共に変化する。人間は死ぬまで完成はない。
 今・ここでの努力の中に喜びを見出さねばと、想いを新たにした次第である。

  最後に、もう一点。
 今回のエググラムの作成で合計点の点数に違いがあることに気づいたので、
 心的エネルギーということに触れておきたい。
 現実のエゴグラムの合計点は、前回が74で今回は67点であった。
 先生の説明によると、心的エネルギーは、環境的因子と心理的因子で変化すると
 いうことであった。
 前回の平成10年と言う時期は、定年後の新しい自分探しと学習で神経も張り詰めて
 いた時期であり、且つ会社生活の自我構造を継承していた時期でもあった。
 現在は、僅かではあるが各面で学習の成果が出始めて、精神的な緊張が薄らぎつつ
 あることに加え、日常生活面でもゆったり・のんびりに注力しているので、環境面の
 変化や気の持ち方が、自我 状態に反映していると、前向きに受け止めている。

 カウンセリングの勉強をして、考え方の面で参考になることは多いが、自分の成長に
 役立つ手法はTA分析しかないと自負しており、今後も学習を続けたいと思う。

          TA研究会(中級)での報告資料より (平成14年9月)