春の神奈川県三浦市の城ヶ島。島の西のはずれにある磯の先端に立って太平洋を眺めてみる。一見、何もいなそうな海原に目を凝らすとオオミズナギドリの群が帯 状になって東へ流れているのがわかるだろう。その群をしばらく望遠鏡で観察してみよう。ミズナギドリを追い越すようにトウゾクカモメやウミスズメの仲間が 飛んでいくのが見られるかもしれない。 このサイトでは、海岸から海上の鳥を観察する魅力を紹介し、あまりなじみのない海鳥たちについて興味を持つきっかけになってほしいと思っている。

目次

城ヶ島沖を通過した海鳥たち
■2004年春の記録
2006年の記録
2007年の定例ダイジェスト
2007年観察結果の概要報告
2008年春の記録
■2008年の定例ダイジェスト
■2009年春の記録 観察終了
2009年の定例ダイジェスト
■2010年春の記録

観察会は2010年も実施します!
定例観察会案内資料(PDF:124kb) 更新:2010.1.16
バス停付近の駐車場は、4月から有料になりました。
ご注意ください!


         ◆

■陸から海鳥を見る魅力
■海鳥の識別は難しいか
■トウゾク・盗賊・とーぞく!
■近くの海岸から観察してみよう
■必要な道具と観察のコツ
■渡りを記録する
■海鳥以外の楽しみ
■安全対策
□いっしょに観察しよう




リンク

海鳥識別ハンドブック


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お問い合わせ先


■陸から海鳥を見る魅力■

  「海鳥を観察する」と言うと、外洋を航行する船上からの観察・・・、とイメージするかもしれません。そうした定期航路船などから観察したことのある方な ら、あっと言う間に通り過ぎてしまう海鳥を見て、「もっとじっくり見たいのに・・・」と思ったことも多いでしょう。特に識別ポイントをじっくり見たい体の 小さなウミスズメ類やウミツバメ類などになると、波からくる船体の揺れやエンジンからくる振動も手伝って、何だか特定できないまま通り過ぎてしまい、欲求 不満が募ることもあると思います。ところが、海岸からの観察では高倍率の望遠鏡であれば、それらの鳥も視界から消えるまで、識別ポイントや採食行動など じっくり観察できます。船に弱い方にも安心だし、飽きなければ日の出から日没まで、お金がなくても時間があれば毎日でも観察できるというのが魅力です。た だし、肉眼では見えないような岸から約300m以上離れた海上を通過することも多く、常に双眼鏡か望遠鏡をのぞいて監視しなくてはいけなかったりして根気 強さも必要です。しかし、ウミスズメやトウゾクカモメ、時にアホウドリ類など、普段見慣れない海鳥たちが海原を飛んでいくその瞬間に出会えたなら、きっと 大きな感動を与えてくれるでしょう。


   城ヶ島の磯から観察する 目次へ

■海鳥の識別は難しいか■

  はるか沖を飛んでいくトウゾクカモメ類。波間に見え隠れしながら水面ギリギリを飛んでいくウミスズメ類。陸の鳥と比べて普段あまり見慣れない海上の鳥たち の識別は簡単なのだろうか・・・、そう心配するバードウォッチャーもいるでしょう。確かにはじめは難しいですが、慣れてくるとだんだん見当がつくようにな ります。経験を積めば識別できるようになる、というのはタカを観察することなどと同じです。ただし、常に識別には細心の注意を払う必要があります。私たち も確実に識別できたもの以外は、ウミスズメ類とかミズナギドリ類などと記録するようにしました。また、何回も現れているのに遠すぎて識別できなかった種類 がいます。それがウトウ(?)やアビ類などです。こうした陸からの観察では識別が難しい場合は漁船などをチャーターして、海上から観察する必要があるかも しれません。


シロエリオオハム
遠くを飛んでいるアビ類を識別するのは困難。近くの海面に浮いていれば別だけど。


ハシボソミズナギドリ
飛んでいるハイイロミズナギドリと区別するのは意外と難しい。 目次へ


■トウゾク・盗賊・とーぞく!■

  4月のある日、クロトウゾクカモメの盗賊行為が観察されました。ターゲットになったのはウミネコ。標的を定めると羽ばたきが深くなり、みるみるスピード アップして後方から襲い掛かりました。たまらずウミネコは白い魚のようなもの吐き出し、海に落ちたところを拾い上げたクロトウゾクカモメは悠々とした羽ば たきに戻って去っていきました。その盗賊行為に興奮するとともに無駄の無いスピーディーな翼動に思わず見とれてしまいました。5月のある日には、クロトウ ゾクカモメ6羽とシロハラトウゾクカモメ3羽の混群がのんびり海上を飛んでいました。シロハラトウゾクカモメの長い尾が風にひらひらたなびいてなんとも優 雅です。先を急ぐ旅でもないといった感じで時々翻って海面に降りたりしながらゆっくり東に通過していきました。トウゾクカモメ類はこのほかに、トウゾクカ モメと少数ながらオオトウゾクカモメが観察され、日本で記録のある4種が全て観察されています。運が良ければ一日でこの4種を見ることができるかもしれま せん。


クロトウゾクカモメ 目次へ

■近くの海岸から観察してみよう■

  私たちが本格的に城ヶ島で定点観察するようになったのは2004年からです。前年の春に陸上からオオミズナギドリをカウントしていると、次々にウミスズメ 類やトウゾクカモメ類が西から東へ通過して行きました。これまで、この地域においてこうした海鳥たちの移動はほとんど知られておらず、これは本格的な調査 が必要そうだと思い、海鳥好きなメンバーが集まり翌年から調査を開始しました。初年度の04年は想像以上の多種多様な海鳥たちが移動しているのがわかりメ ンバーも驚きの連続でした。今まで見ていなかったのがもったいないくらいです(!)。これからも継続して調査していくことによりいろいろなことが明らかに なってくるでしょう。こうした海鳥たちの移動は城ヶ島沖にだけに見られるのでしょうか。いいえ、おそらく太平洋に面する海岸では多少なりとも移動が行われ ているはずです。現に三浦半島のお隣になる房総半島の先端ではいくつか同じ種類の海鳥が観察されました(→Report)国 内では海上の鳥の種類や個体数、渡りのルートと言った基本的な情報は、陸上の鳥たちに比べると分かっていないことばかりです。こうした不明な点を解明して いくことは、彼らを守っていく上でとても重要なことです。みなさんのお住まいの近くにある半島の先端や良い漁場のある湾内といったところでは、人知れず海 鳥たちが移動しているかもしれません。

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■必要な道具と観察のコツ■

  岸から海上の鳥たちを観察するにはやはり高倍率の望遠鏡が必要です。城ヶ島の場合では肉眼で発見できるような岸に近いところを飛ぶことはあまり多くありま せん。そうした海鳥を発見するにはまず、10倍程度の双眼鏡で常に海上を注視し、見つけ次第、望遠鏡に切り替えます。望遠鏡に20−60倍程度のズーム式 の接眼レンズをつけていれば観察中にズームアップして特徴など仔細を見ることもできます。別な方法では、最初から30倍程度(視野の広いワイドタイプがよ い)の望遠鏡で海上を注視し、見つけ次第そのまま追従して観察するという方法があります。それには望遠鏡を支えるしっかりした三脚も必要です。海岸は風が 強いことも多く、高倍率にしてもブレないようにするには持ち運びに支障ない程度に重い三脚がいいでしょう。観察中は水平方向にパンすることが多いので、三 脚の雲台にはビデオ用のものがスムーズに動き快適です。いずれにしても、目標物の少ない海原で海鳥を視野にとらえるには練習とともに機器の操作に十分慣れ ておく必要があるでしょう。ほかでは長時間観察する場合には、折りたたみが可能な小型のイスがあると断然楽です。とは言っても、ずっと海原を注視している のはなんとも根気のいることです。また、たとえばたくさんのオオミズナギドリが飛ぶ中にトウゾクカモメが混じっていないか探すのはまるで新しい動体視力検 査かのようです。観察するに当たっては万全な体調で望むことが必要かもしれません。

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■渡りを記録する■

  せっかく海鳥を見たのなら、ちゃんと記録をとったほうがいいに決まっています。特にこれまで記録の少ない海鳥ではなおさらのことです。私たちの記録方法 は、記録用紙を作成してそこに、海鳥の種類と個体数、それぞれの通過した方向、着水の有無などを20分ごとに記録しています(→記録用紙Excel)。 個体数があまりに多いオオミズナギドリについては20分内のどこかで5分程度カウントし、その数を20分分に換算するという方法を実験的にとっています。 観察する範囲は予め決めておいたほうがいいでしょう。沖はどこまで記録するかは難しいですが、私たちでは識別できたものについては全部、できなかったもの についても分かる限り、たとえばウミスズメ類などと記録するようにしています。観察時間や天気といった基本情報のほかに、風向や風力、波高や視程などの気 象条件を記録しておけば、あとで渡りの傾向を分析するのに役立つかもしれません。インターネットを利用すれば、関東近県であれば、海水温など海況のわかる ウェブサイトもあります。いずれにしてもできるだけ細かい情報を記録しておけば、のちのち役に立つでしょう(記録用紙の2ページ目の記入例を参考にしてく ださい)。
 渡っていく海鳥たちの様子を写真やビデオに収めてみたいという方もいるでしょう。しかし、肉眼では見えないような遠く離れた海上を通 過する海鳥を撮影するのは容易ではありません。そんな遠くを飛ぶ姿を、たとえ1000mmクラスの超望遠レンズを装着した銀塩カメラで撮影しても、納得い く写真が撮れそうもないことはファインダーをのぞいた時点でわかってしまうことです。ビデオは比較的高倍率で動画が撮影できるため、羽ばたきの様子など行 動を記録するにはいいでしょう。ただし、写真ほど画質が鮮明ではないため、画像から種類を識別するにはあまり向いていません。最近では、望遠鏡にデジタル カメラを装着して撮影する、いわゆるデジスコが普及してきており、訓練すれば驚くような高倍率で識別も可能な精細な写真が撮影できるかもしれません。主に 海上で生活する海鳥の写真は撮影難度が高いためか陸上の鳥に比べて記録が少ないと思われるので、ぜひ最新の機器を駆使するなどして撮影にチャレンジしてほ しいものです。

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■海鳥以外の楽しみ■

  城ヶ島は海鳥以外にもみどころがたくさんあります。半島の先端にあることから、渡りの季節には海鳥だけではなく、陸の小鳥たちも立ち寄ったりします。ヒヨ ドリは群になって灯台周辺の林から海上へ出て渡るか渡るまいか、行ったり来たりをくり返しなかなか決心つきません。それを狙ってハヤブサが現れる時があっ て、それは見物です。島内の林やその周辺では、ほかにアマツバメ、サンショウクイ、クロツグミなどのツグミ類、エゾムシクイなどのムシクイ類、ウソやベニ マシコなどのアトリ類など、森林などに生息する鳥が渡りの季節に観察されています。ここは渡り鳥たちの休息地でもあるので、ほかに思いがけない鳥が見つか るかもしれません。海上も海鳥たちだけのものではありません。突然、イルカがジャンプしたり、トビウオが滑空するのが見えたりして目が離せません。観察が 終わって磯づたいに歩けば、いろいろな貝や海藻が打ち上がっていたり(時に海鳥も)、きびしい環境でたくましく生きる海浜植物たちが目を楽しませてくれる でしょう。

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■安全対策■

 海岸は冬は極寒で夏は猛暑という厳しい環境ですので、寒さ、暑さ対策は不可欠です。ほかにも以下の点に注意し観察しましょう。

・夏は帽子をかぶり、日射病・熱射病に気をつけ水分の補給も十分に。
・海辺は紫外線が強いので日焼け対策も忘れずに。
・岩礁帯を歩くときはしっかりした足ごしらえで。
・荒天時や台風前後には突然大波が打ち寄せることがあり、波打ち際にあまり近づかないこと。
・地震があったら「すなわち津波発生」と考え、灯台などのある高台に避難する。事前に非難ルートも確認しておくこと。
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□いっしょに観察しょう□
−城ヶ島沖の海鳥観察グループのご案内−

 私たちのグループは2004年から活動をはじめたばかりですが、海鳥に興味のある方でしたらどなたでも加入できます。また、城ヶ島での調査にも気軽に参加できますので調査日時・集合場所等お問い合せください。全国の海鳥の渡り情報についても募集しています。 目次へ

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