ある日私のところに１通のメールがきました。「子どもの性器いじりに対してどう関わってよいものか困っています。」という内容でした。そこで、私は次のように回答してみました。
性器いじりについてのご質問について。
まず感想から。
「その時間することがないから、周囲の物事への興味や関心がないから、自分の身体の方へ目が向くんだなぁ。」と思いました。
とすると、よく言われることですが、日中は自分の身体ではなく、周囲の物事に興味や関心をもち、楽しい活動に取り組めるように促していくことが大切です。「他にすること」があればそれだけでも回数が減っていくことでしょう。
また「Ｎ君のそういう行動がご両親には気になる年頃になったのだなぁ。」と思いました。（ややこしい表現ですが。）
つまり、これまでにも似たような行動はたびたびあったと思うのですが、年齢が小さかったからあまり気に留めなかったのではないでしょうか。そして、大きくなったから気になるようになった。（そういうところがこの「性器いじり」という行動にはあります。）
もし、これまでに全くなかったことだとすれば、Ｎ君が自分の身体への気づきを一歩高めたと考えましょう。
いずれにせよ、その行為自体は異常なことではないということを、まず、理解してください。
では、その「性器いじり」のどこに問題があるのか。何が気になるのか。
一言で言うと「人目を気にしない」というところでないかと思います。つまり「いつ、どこで、どのように」がわきまえられていないから問題なのではありませんか。
と、ということならば「いつ、どこで、どのように」を教え、適切に振る舞えるようにすればよいのだと思います。
「今は○○をしているんだよね。（今はそういうことする時ではないよ）」【いつ】
「それは、夜一人の時にするんだよ」【いつ】
「それは、人前ですることではないよ」【どこで】
「布団の中でやるんだよ」【どこで】
「汚したパンツは洗濯しようね」【どのように】
など・・・
【いつ】については「いつどのようなときならしてもよいか」をしっかり考えて決めましょう。プライベートな時間ならＯＫだよ、としてはどうでしょうか。そして「だめ、止めなさい」と叱るのではなく、「今はする時間ではない、他にすることがあるんだよ。」と教えてあげましょう。
つまり、例えばさりげなく行動を制止しながら「今は○○するんだよね」と語りかける。ようにします。
【どこで】についても同様です。
プライベートな場所、例えば自分の部屋や布団の中などでならＯＫと決めて、「人前ですることではないよ」とか「布団の中だけだよ」などと言いながら行動を促していきます。
そして、決められた時間や場所を守っているときは認め、そっとしておくことが大切です。
まだ年齢的に精通はみられないと思うのですが、そうなるのもせいぜい後２，３年。今からその日を予想しておいてもよいと思います。
【どのように】は後始末のこととスッキリできる適切な方法を教えます。ここのところはお父さんの出番です。
と、言うところでだいたいの回答になりましたか？
私の知る限り、思春期を迎えた人たちや成人になった人たちの性的な問題の一つは、【いつ】【どこで】【どのように】に関わることです。
「トイレでするんだよ」と【どこで】を教えたのだけど【いつ】が伴わなかったために、授業や作業の最中にトイレに行ったり、公園のトイレでしているところを見られて痴漢と間違われたり。
【どのように】を学ぶことなく、自己流でしていてなかなかスッキリせず、日中イライラしたり、ぼーっとしたり。
Ｎ君が困らないような【いつ】【どこで】【どのように】を実際の生活の中で具体的に考えて見てください。
と、言うような回答ですがお役にたったでしょうか。
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