僕の点数:5.0
見た日:01.3.12
1953年
Country: 日本
ドラマ
テレビ/ビデオで見た
キャスト | 笠智衆 東山千栄子 原節子 杉村春子 山村聡 三宅邦子 香川京子 |
監督 | 小津安二郎 |
音楽 | 斉藤高順 |
備考 | ようやっと小津作品を見た。 尾道から上京した両親を子供たちは上辺は暖かく迎えるのだが・・・。 戦後8年がたったが、息子を戦地で失った人々もまだまだ多い時代。懐かしい電車が走り、東京と尾道が二日間かかった時代。 「ありがと」という特有のイントネーションが忘れられない深い感動作。親子の関係の難しさを包み込むように描く。その小津の暖かいまなざしだけで、じーんとくる。 笠智衆と東山千栄子ののんびりした演技と、杉村春子のせかせかしたどぎつい演技が好対照。そして、それらを優しく見守る原節子の輝きが目に焼き付いて離れない。本や噂では聞いていたが、これほど明確に区分けされているとは。しかし、それが全く不自然ではない。まさに小津の魔法にかかったかのよう。 小津の特有の固定低位置カメラ。深い奥行きを持った映像で、ずいぶん向こうに小さな景色が映るのみ。後はこだわりの家具調度品が整然と並べられる。一種のパラレルワールドである。また、人間以外はすべて固定された背景であるため、人間ドラマすべてに注意が行くように設計されている。 箱の中で極上の人間ドラマを見せられたかのような巨匠・小津の独特の作風に今更ながらに脱帽した。 |
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(c) Hideto Miyai