W/O

僕の点数:3.1
見た日:01.3.4

2001年
Country: 日本
ドラマ
映画館で見た


キャスト ハセイコウキ
監督 ハセイコウキ
音楽
備考 東大駒場寮を舞台にさまざまな映像をコラージュしたアート作品。
 メッセージも何もなく、ただただ重低音とノイズに合わせて、駒場寮のさまざまな映像が断片的に展開する。監督いわく、ドキュメンタリーではないそうだが、97年以降の駒寮闘争の映像が断続的にプッシュアップされるので、ドキュメンタリー性はなくはない。DV映像をざらつきのある紙に転写した映像は斬新で、デジタルとアナログの面白さが、映画を通して伝わってきた。出てくる黒人の詩人や奇妙なオヤジ、キセルをやっちゃうガイジンなどなど、登場人物はバラエティー豊かで面白いが、ガイジンさんが面白すぎて、登場する日本人がかすんでしまっているのが残念。唯一、闘争シーンで関西弁で語りまくる人物は迫力があった。
 また、中盤のアキハバラとアサクサをガイジンがめぐり歩くシーンは、ベタで、わざと変化をなくしてる分、苦痛であった。駒寮と関係ないわけだし、もっと濃縮すべきであったと思う。さらにラストに展開する監督の祖父母のドキュメンタリーは、救済をある程度、認めてるため、この映画全体のムードからすると、やや違和感があった。
 斬新な試みだけに、中途半端に終わらせず、もっと濃いものにして欲しい。ストーリーの意味性を排除してる分、約一時間という時間に意味性を持たせて欲しかった。才能ある監督だけに、次回作に期待。


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(c) Hideto Miyai


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