2000・限りある日々

僕の点数:4.9
見た日:00.11.1

1999
Country: カナダ アルメニア
ドラマ コメディー
映画館で見た


キャスト ジョン・タトゥーロ
キャサリン・ボロヴィッツ
オレク・キセリョーフ
監督 アルト・パラガミアン
音楽 ミラン・キムリツカ
備考  アルメニア系アメリカ人の古生物学者ベンジャミンは、妻、アマンダとの離婚手続きを終えて、主治医から日ごろから悩まされている頭痛の検査結果を聞く。それが不治の脳の病で氓ゥ月(5週間)しか持たないことが発覚したとき、何のユーモアもなかった学者肌のベンジャミンに大きな転機が訪れる。記憶障害や、幻想に悩まされながら、アマンダや友人ジェレマイアの助けを借りて、ベンジャミンは必死に生きるが・・・。
 テーマだけを見ればかなり深刻だが、映画は極めて軽妙なコメディで語られる。タトゥーロの名演がここでも光る。無表情なベンヤミンの心の動きを体当たりで演じる。会場は終始、クスッという笑いが絶えなかった。例えば、脳みそのクローンを作って、それに足の骨をつけて地面にうめるなんて、誰が思いつくだろう?。
 映像は非常に美しく、斬新で、かといってうるさすぎない。彼の記憶が映画のフィルムとして、カタカタカタ・・・と壁や水面に、映し出される。悲しくも幻想的なシーンだ。
 古生物学者という数多くの「死」を発掘してきた人物ならではの自分の「死」に対するアプローチ。「永遠と一日」の作家と違いが感じられて大変興味深い。
 また、34才という若さで、これだけ人の死を自然に、しかもユーモラスに描ける手腕に大きな驚きを覚えた。監督の両親がアルメニア人ということもあり、思い入れの強さも感じる。

written by Hideto Miyai's "映画スタック"


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