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デカローグ10 「ある希望に関する物語」     1989

 

 

Rating: 5.0

Genre: ドラマ コメディー

I watched : on TV or Video

Country: ポーランド

Cast:

Directed by: クシシュトフ・キェシロフスキ

Music: ズビグニェフ・プレイスネル

Comment:
デカローグ10:あなたは隣人の家をむさぼってはならない
 イェルツィとアルトゥルの兄弟は、父親の葬儀で久しぶりに再開した。彼らの父は尋常でない切手コレクターで、アパートの一室を防犯装置まで付けて切手用の金庫にしていた。ある日、父親に金を貸しているという男が現れた。兄弟は借金返済に切手を売ることを考えるが、他の切手収集家に諭される。次第に切手の魅力に見せられて行く兄弟。ついに、伝説の切手と引き換えにイェルツィは肝臓を売る始末。しかし手術中に父親の残した切手が全て盗まれることに・・・。
 10話目にして、スラップスティックコメディになっているのが興味深い。「トリコロール白の愛」でもコミカルな演技を見せたズビグニェフ・ザマホフスキがここでは何とロックシンガー!終始、笑いを誘う演技を魅せてくれる。
 それにしてもヨーロッパの切手熱は凄まじいとは聞いていたが、これほどだとは予想外だった。生活をめちゃめちゃにしてまで、コレクションに熱中してしまう人間の性。やはりキェシロフスキのまなざしはやさしい。結局、肝臓がどうなったのか明らかにされないのが腑に落ちないが、シリアスな他の9話と比べて、ラストにこのようなサラッと軽いコメディを置く辺り、監督のにくい演出である。
 デカローグ8でも登場したツェッペリンの極地探検の切手は、イェルツィの息子が騙されて取られてしまう。これが前作に続いているのだろう。

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