シベリア超特急2

僕の点数:3.7
見た日:01.2.7

2001年
Country: 中国
アクション サスペンス ドラマ コメディー
映画館で見た


キャスト 淡路千景
草笛光子
光本幸子
二宮さよ子
寺島しのぶ
加茂さくら
中村福助
尾上松也(新人)
須藤温子(新人)
小林すすむ
北村右起哉
三田村賢二
油井昌由樹
長門裕之
安井昌二
竹田高利
水野晴郎
監督 MIKE MIZUNO
音楽 JIM DADDY
備考  二日後に上映終了を迎え、早く見なきゃ、とおもいつつ、1のこともあるから、どうせ・・・と敬遠していたこのカッコ付きの「映画」。ところが今日は1000円デー。ということで、映画研究会の皆さんと、意を決して見に行った。
 ところが、
 面白いのである。1の時と、相も変わらず「映画」ではないのだが、くやしいけど、面白くなってしまっているのである。
 山下陸軍大将がヒトラーやムッソリーニとの会談の後、列車事故のため、マンチューリのホテルに泊まる。しかし、そこには奇妙な客人が居合わせ、今回も奇妙な殺人事件が起こるのだが・・・。
 オープニングから、例によって思わせぶりな舞台設定が語られる。大まじめで意外に本格だから、笑いは起きない。ところが、11分の長回しの終わりにようやくミズノ氏扮する山下大将登場。
 「待ってました!」とばかりに会場がどっと割れる。水野氏が、これほどまでのスター性を兼ね備えようとは・・・。1とは比較にならないヴェテラン俳優陣を脇に固め、長回しは極めてスムーズ。ところが、終わりに水野氏がかんでしまうのである。監督、自ら脇役の努力を無にするのか?と思いきや、観客は大笑い。「狙っていたのか?」とさらに不安になる。(ちなみにこの長回し。カメラを交互にパンするだけだから、アンゲロプロスなんかとは比較にならない!!でも「日本の夜と霧」よりは台詞はかまないが・・・(笑))
 その後も、決して洗練されない、いかにも現代的なホテルの中で、しかし、意外に本格な時代物の小道具が顔をそろえ、ちぐはぐでせせこましい舞台の中を、俳優達が縦横無尽に駆けめぐる。あんまり狭いから、ポチョムキンのパロディなど気がつかなかったほど。
 それでも、水野氏が登場するシーンは劇場が大わらわ。ヴェテランがいい演技をする分、水野氏の名演(?)が引き立つ。これほど、沸いた映画館はこれまで経験したことがない。黎明期の映画館のようであった。
 ストーリーはどんどん推理ドラマへと化していき、アガサ・クリスティーもびっくりの凄まじく強引なオチへと流し込む。その力業には、脱帽。
 今回も彼の古風だが「ジェントルマン」な女性観は健在で、けなげさを通り越して、可愛らしくもある。
 あまりに自由な「映画」に、くやしいけど、3が見たくなった。水野氏がスターダムになるのは解せないし、笑いが作為的になっているにも関わらず、笑ってしまう自分にも腹が立った。
 しかし、水野さんだから許せてしまう・・・・。いいキャラだなあ。


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(c) Hideto Miyai


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