カル

僕の点数:4.6
見た日:00.11.2

1999
Country: 韓国
アクション ホラー サスペンス ドラマ
映画館で見た


キャスト ハン・ソッキュ
シム・ウナ
監督 チャン・ユニョン
音楽
備考 東京ファンタスティック映画祭で見てきた。
 韓国でシュリを越えるヒットを記録した、ハードゴアスリラー。連続猟奇殺人事件発生。死体は全て手足や首がバラバラにされ、それぞれ別の被害者の組み合わせで、発見される。しかも、ガイシャのすべてが、美しい女性スヨンと以前交際していた男だった。チョ刑事は、スヨンの過去に迫りながら、操作を進めていくが・・・。
 カルとは、ハングルで刃物のこと。二転三転するストーリー展開に、最後まで飽きず、ぐいぐい引き込まれる。犯人は誰か?「ユージュアルサスペクツ」以上に複雑で、「セブン」以上に残酷。「シュリ」でも見られた大量の出血シーンだが、今回はそれを大きく上回る。しかし、やはり主演がハン・ソッキュ。しっかりドラマを引き締めながら、殺伐としたテーマに潤いとナチュラルさを与えてくれる。
 監督(本作が「接続(コンタクト)」に次ぐ2作目)の手腕も光る。ドラマの盛り上げ方がうまい。死体発見のショッキングなシーンや、美しい郊外の景色、おぞましい殺人現場、スヨンの恋・・・などなど優れたカメラワークで、それぞれ行き過ぎることなく、しっかりツボを押さえて展開する。テンポも良く、選曲も良い(クライマックスのアクションシーンで流れるのが、何と「アイズ・ワイド・シャット」のテーマとしても使われたショスタコーヴィッチのワルツ2番)。
 ともかく「シュリ」同様、韓国映画のパワーを十分堪能できる快作である。

written by Hideto Miyai's "映画スタック"


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