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アントニアの食卓     1996

 

 

Rating: 4.7

Genre: ドラマ コメディー

I watched : on TV or Video

Country: オランダ

Cast:
ヴェルケ・ファン・アメローイ

Directed by: マルレーン・ゴリス

Music: イロナ・セカス

Comment:
96年アカデミー外国語賞受賞作品。
 アントニアは気丈な女性で、娘のダニエルをつれて、母の葬儀のため村に帰ってきた。昔からの楽しくおかしな仲間達が、彼女を温かく迎え、アントニアは毎日のように庭で食事会を開く。
 村人たちに、何と個性的な顔触れを集めたことだろう。頭の回転の遅いウスノロ、満月に叫ぶ女「マッド・マドンナ」、そんな彼女と決してベッドを共にしない「プロテスタント」、決して家から出ないインテリの「曲がった指」、聖職者を辞めて小作りに励む「助祭」、出産にこの上ない快感を覚え、12人も出産する女、助産婦と葬儀屋を兼ねる女。決して、顔の良いのを選んでいないので、さながら「フリークス」を見ているかのようであった。そんな彼らが、季節が過ぎゆくまま、種まきのように性生活を謳歌し、出産。木が枯れゆくように死んでいく。そんな、自由闊達な生き方を、ほのぼのとしたタッチで、時にどぎつく、時に優しい人情味にあふれるドラマをつづっていく。食卓が人間関係を繋ぐという、「バベットの晩餐会」や「恋人達の食卓」にも共通するテーマ。だが、今回は、料理よりも人間にまなざしが向けられており、その中心となるアントニアの懐の深さが、にじみ出るような作品である。女性監督ならではの、どぎつさもあり、素直に笑えない部分もあるが、素晴らしい「顔触れ」の俳優陣が終始、笑いを誘ってくれる。

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