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バトル・ロワイヤル 特別編     2000

 

 

Rating: 4.1

Genre: アクション ホラー ドラマ

I watched : in Theater

Country: 日本

Cast:
ビートたけし
藤原竜也
前田亜季
山本太郎
安藤政信
栗山千明
柴咲コウ

Directed by: 深作欣二

Music:

Comment:
 文字通りの問題作。
 BR法に基づき、国家権力が高校のあるクラスの殺し合いを命じる。
 荒唐無稽で人をおちょくったようなストーリーだが、それが常識を揺さぶり、議論の的になったのはうなずける。いろんな映画やアニメのパロディが満載で楽しめる。根っからの活動屋・深作欣二ならではの大胆な演出とバラエティに富んだ暴力描写で、映画は華やかに展開する。また、相変わらずのたけしの存在感が映画をしっかり締める。山本太郎や安藤政信ら脇を固める転校生(?)もそれぞれいい味を出している。だが藤原竜也をのぞいて、あとは文字通り高校生演劇なのが残念。
 さらに残念なのは、なぜか画面に品がないこと。ソナチネやBROTHERのキャメラマンなのに、不思議である。構図や色調は決して悪くないのに、テレビドラマ風の軽い映像に見えてしまう。また、エヴァンゲリオンを意識した文字と回想シーンのオンパレードが鼻についてしまう。今回、特別編でさらに回想シーンが増えたらしく、レクイエムというおまけまで付けてしまう。やや商売人根性が見えて、嫌みである。
 だが、たけしのラストのせりふでしっかり感動に持っていってしまうのだから、スゴイ俳優である。
 暴力描写については、申し分ない。だが、あまりにも高校生の恋愛観が軽すぎて、すこぶるコワイ。その子が好きか嫌いかで「全存在をかけて否定」されてしまうその残酷さは「大人」には見られないコワサである。事実、中盤のこの台詞があまりに強烈すぎて、私は後々引きずって集中して見られなかった。
 着想とテーマは良かった。だが、あとはアートに持っていっても良かったのでは?。深作監督ならば、可能だったはず。でもまあ、中高生相手に見せる映画だからこんなものかも知れないが。

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