ことの終わり<BR>The end of affairs

Comment:
グレアム・グリーンの原作をニール・ジョーダンが映画化。
　対戦をまたいだロンドン。作家のモリスは、内務官僚の親友ヘンリーの妻サラと、幾度となく密会を続ける。やがてヘンリーに頼まれ、モリスは自分の不倫を探偵に操作させる。ところがサラにはさらに別の男がいるらしく・・・。
　奇妙で悲しい三角関係を、美しいキャメラと文学的センスでニール・ジョーダンが見事に魅せる。舞台のくささが抜けきらないレイフ・ファインズをさしおいて、ジュリアン・ムーアのすぐれて自然な演技がスクリーン上に際だつ。また、情けない夫を演じるスティーブン・レイもいつもながらいい味を出す。そして、子供をつれた探偵というのも新しく、物語を重層的に面白くする。
　衣装も当時のシックなロンドンの雰囲気にマッチしていて秀逸。シルエットが美しい。作家ニール・ジョーダンの脚本が今回もとぎすまされており、カッコイイ台詞がストーリーをエレガントに演出。
　実にしゃれた大人の映画である。